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・真似されないもの作りを目指して



どんなに苦労して開発した商品でも、

良さそうならば、

すぐに真似されてしまうものです。

たとえ知的所有権が有ろうと、

それを侵害しないように知恵を巡らすか、

無視するかして真似するのです。

ですが、

他人がどんなに知恵を巡らし、

お金と時間を掛けても出来ないものなら、

真似されることはありません。


真似されない物作り・・・

それが何なのかをずっと考えていたのです。

当時、

周りを見渡しても、

そんなものは見当たらず、

途方に暮れていました。

そんな時に作ってみないかと声を掛けられたのが、

鋼付玄能だったのです。

どうやら理想的なものを作る職人が少なく、

困っていたようです。


鋼付玄能は、

一般的な玄能や金槌のように頭部全体を鋼で作るのでは無く、

軟らかな地金(鉄)の両端面に鋼を接合して作りますが、

私は鋼付玄能の作り方を知りません。

金槌鍛冶である父も知りません。

そこで、

あらゆる手を尽くして資料を集め、

製作方法を調べてみたのですが、

肝心な鋼の接合方法の見当が付かないのです。


後に弟子入りすることになる長谷川幸三郎(注)さんの鋼付玄能の製作映像が

兵庫県神戸市の竹中大工道具館に有ることを思い出し

(阪神淡路大震災の翌年に、現地の復興状況を知るために訪れています)、

そこを訪れVTRを食い入るように見ました。

ですが、

数度見ただけで理解出来るはずが無いのです。

そこで、

三条市の商工会議所を通してそのVTRを入手し、

それを何度繰り返し見たことでしょう。

しかし実際には、

作業の重要な個所の大部分がカットされており、

そこは自分で工夫する以外になかったのですが、

何とか不細工ながらに、

鋼付八角玄能300gが出来上がりました。


ですが、

その評価を受けることが出来ないのです。

玄能の事をよく知る信用出来る知り合いが居なかったのです。

そこで、

尊敬する地元の包丁鍛冶に相談したところ、

長谷川幸三郎さんに聞くしかないだろうと助言され、

ちょうど引退されたばかりでタイミングもいいだろうから、

すぐに行ってきなさいと言われました。

それが2,000年の12月の事で、私が36歳の時だったのです。

(注)長谷川幸三郎:1,934年新潟県三条市生まれ。日本を代表する玄能鍛冶の名工。2,004年没。
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今日も読んでいただいて、ありがとうございました。
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