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相豊ハンマー
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玄能日記
日々感じる事を思いのままに書き連ねてみます。
2019/08/16 学生時代に強く感じていたのは、先生が生徒の自立を阻害している事。生徒を思い通りにしようと様々な企みを仕掛けていた。競争させて応援したり、褒めたり、表彰したりしていたが、そんな子供騙しには思考停止した優等生かヤンキーしか反応しない。深く考える生徒は、自分の生き方を自分で決めていた。
2019/08/15 学校の先生の言う通りに広く浅く学んでいては、何時までも自立出来ないと感じていた。一度深く学び法則性を見つけ原則を身に着ければ、似た様な問題の解き方なら自分で編み出せる様に成ると信じていた。玄能作りに於いても同様に考えて仕事をしてきた。お陰で、教えられなくても仕事が出来ているのだ。
2019/08/14 ビリだった私が中学生に成り急成長した理由は、英単語の意味調べの様な宿題をやらなかったせいも有る。実は既に答えが書かれた解説書を買い求め、其れで済ませていた。そして空いた時間で余裕をもって勉強の遅れを取り戻したのだ。一生懸命にやるのは大切だが、やる価値が低い事はやらずに済ませたい。
2019/08/13 学生時代に私は質問ばかりしていて怒られた事が有る。人に頼らず自分で考えろと言うのだ。そこで時間を掛けて深く考える様にしてみた。すると一時的に成績は落ちたが、直ぐに立ち直り成績は以前よりも良くなった。だが周りに流されているだけの自分に気付き、学校生活が耐え難いものに成ってしまった。
2019/08/12 弟子に独立されたら困るからと、仕事を教えない親方が居る。すると教えてもらえない弟子は自分で考えざるを得なくなり、やり方を自ら編み出し始める。そして弟子は自己学習能力を身に着け、親方を必要としなくなり独立していく。手取り足取り教えた方が、弟子は親方に依存してしまい独立できなくなる。
2019/08/11 鍛冶職人に成るとは労働者に成る事。鍛冶屋に成るとは経営者に成る事。前者は上達を目指し、作る事に専念すれば良い。後者も上達を目指すことは勿論だが、経営を学び、事業の方向付けや資金繰り、そして人材の採用と育成を考え続けないといけない。鍛冶職人と鍛冶屋に求められる技量はまるで違うのだ。
2019/08/10 軽自動車のラジエターにポンプで汲み上げた井戸水を通し、その前に排気ファンを置く。井戸水は17℃程度なので、35℃程度の外気温でも装置を通せば28℃程度に出来る。夏季の工場内は40℃に成るが、装置のお陰で35℃程度に下げることが出来ている。おまけに装置の結露がミストに成り吹き出す。
2019/08/09 今迄は嫌いな仕事を嫌々やっても稼げた時代だ。此れからは率先してやらないと稼げない時代になる。だから情熱を傾けられる仕事を見つけなくてはいけない。やる程に楽しく、もっと工夫したくなり、自らやり方を編み出してしまう位に熱中できる仕事が良い。やらずに居られない位でないと、稼げなくなる。
2019/08/08 鍛冶屋に成りたての頃、業界活性化の為に関係者に声を掛けた事が有る。するとこんな答えが返ってきた。将来性が無い。掘り下げる価値が無い。教えてくれる人が居ない。後継者がいない。もっと楽に儲けたい。そして次々と廃業していった。向いていない事を続けるよりも、彼らは止めて幸運だったと思う。
2019/08/07 ゴールは明確に示すがやり方は大雑把に指示する。考える余地を残しておく為だ。すると此方の考えとは違うやり方で始めることが多い。駄目な場合は注意するが、面白いやり方で行う場合は、素直に面白がってみせる。弟子達は自分で考える楽しさに気付き、頼んでもいない事まで勝手に始めてくれるだろう。
2019/08/06 どうせやるなら楽しんでやりたい。だが、そのままやったのでは楽しめる筈がない。楽しめる様にやり方を工夫したり、変えたり、それ自体をやらずに済む方法を考えたりすれば良い。しかし、教師や上司の指示通りに生きてきた人には難しいだろう。自分のやり方で生きてきた人にとっての特権かもしれない。
2019/08/05 下積みの単純作業をする場合、ある人は不思議さ面白さを発見し、飽きることなく続けられる。ある人は何も発見すること無く、直ぐに飽きてしまう。前者はその仕事が向いているのであり、後者は向いていないのだ。下積みは向き不向きを確認し、その世界で生きていく覚悟を決める為の大切な期間でもある。
2019/08/04 一寸違う程度ならば比べられるが、圧倒的に違えば比べられなくなる。例えば玄能作りなら「精度が高くて良く効く」ことを、モノを見せ、理論で解説し、哲学で世界観を伝えれば良い。同様に求人でも「活き活きと働ける」を同じ手法で伝えれば良い。やる人は少ないから、やるだけで圧倒的に成れるだろう。
2019/08/03 興味のままにやりたい事をやっている。だが、いくらやっても出来ない時には、見切りを付けて他の事を始める。それは敗北ではなく、経験から学べた成果だと思う。宮本武蔵も言っている。勝ち続けたられたのは道を極めたからでなく、向いていたからだと。向いた事に出会う為、他の可能性を試すのは大事。
2019/08/02 淡々と仕事が出来るのは好きだからだけではない。無意識に出来る程に身体が適応しているからだ。訓練により身に着けた訳だが、訓練しても出来ない人が実に多い。故に、好きだからと安易に始めるのではなく、注意深く身体の声に耳を傾けないと、絶対に続けられない。身体は頭よりも融通が利かないのだ。
2019/08/01 自ら目標設定して学ぶのが好きだ。やる事を押し付けられると死んだ様な気分に成る。学校の仕組みに馴染めず、自ら目標設定して自由に学べるクラスを作れと教師に訴えたが、当然断られた。ところが社会に出れば、自ら目標設定して仕事を進めろと言われる。漸く自由に成れた気がして、胸を撫で下ろした。
2019/07/31 同じものを見ても感心する人とけなす人が居る。前者はたとえ出来の良くないものでも、良い所を見つけ学ぼうとする。後者は粗を見つけて悦に入り、粗を責め立てる。両者の成長に大きな差が出るのは当然だが、以外な事に後者は改めようとしない。達人に朗らかな人が多い事に、後者は気付こうともしない。
2019/07/30 鍛冶屋に成る前、鍛冶の講習会に行ってみた。当時は鍛冶の技能継承も「盗ませる」から「教える」に変わっていた。だが、私の講師は少しやって見せるだけで、多くを教えず見ていてくれた。お陰で様々な失敗ができ、他の生徒よりも多くを学べたと思う。後にこの講師に幸三郎師匠を紹介されることに成る。
2019/07/29 考えている途中で答えを教えたがる人にはうんざりする。幸三郎師匠は決して答えを教えずに、考える時間を充分に与えてくれた。私も答えを聞こうとせずに、一人で考え続けた。お陰で時間は掛かったけれど、自ら編み出す習慣を身につけられた。聞かぬは一生の恥と言うが、迂闊に聞くのは一生の損になる。
2019/07/28 様々な会の会長を引き受けてきた。会長とは言え雑用係の様なものだ。そんな私に、何の得にも成らない事をして馬鹿でないかと文句を付ける人が居た。だが彼は得に成らない事に私と共に取り組み、其処で出会った女性と結婚した。そして仕事の面でも私に協力してくれている。風が吹けば桶屋が儲かるのだ。
2019/07/27 子供の頃から大勢が集まる所には緊張して行けなかった。だがそんな時に効果が有るのが、積極的に関わることだ。司会を引き受けたりして自分の役割を作ると、何とか耐え凌げるのだ。本日は三条テクノスクール同窓会に会長として出席する。会長をしているお陰で、大勢の前でも平気で居られるから面白い。
2019/07/26 子供の頃は誰でも得手不得手の差が大きかった筈だ。だが、ほとんどの人は長ずるにつれてその差が縮まり、得手不得手は曖昧に成る。ところが、私の様にその差が縮まらずに長じた異端は、不得手が徹底的である為、得手でしか生きる望みが無い。類が友を呼んだのか、弟子達二人にも同じ匂いが漂っている。
2019/07/25 疲れ果てた子供に頑張れとか諦めるなとか言って応援し、それを良しとするけれど、頑張っても諦めなくても出来ない子供は居る。私なんかはどんなに努力しても出来ないことだらけだぞ。人混みは具合が悪くなる。大きな音にはチビリがち。花火見物なんて絶対に無理なのだ。もっと分かってもらいたい。(爆)
2019/07/24 好きな事を仕事にしようと思った。沢山有る好きな事の中で、何故モノ作りを選んだのか?きっと、興奮せずに淡々と続けられると思ったからではなかろうか。決してワクワクする程ではなかったから。子供の頃から様々な事をして遊び呆けていたので、自分の資質を嗅ぎ分ける能力が養われていたのだと思う。
2019/07/23 二番弟子の面倒を一番弟子が見ている。要点を抑えて簡潔に教えているようだ。程よい距離感で教え過ぎることも無い。教え方は私より上手いかもしれない。世代を重ねる度に、作る技術だけでなく教える技術も洗練されていく。私だけでは辿り着けなかった領域に、二人で協力して挑戦してもらいたいと思う。
2019/07/22 気温の上昇と共に焼入れに使う水道水の温度も30℃に近づいた。以前ならばこの時期の焼入れには苦労したが、今ならば容易にできる。この焼入れのやり方は自ら編み出したものだ。ところで、上達する程に自分より知る人は少なく成る。教えてもらう習慣は早めに捨て、自ら編み出す訓練を始めた方が良い。
2019/07/21 何故か好きになり、やらずにはいられなくなる事が有る。人には無限の可能性が有ると言うのに、何故それを選んでしまうのか?きっと、自らの資質に合う事を嗅ぎ分ける能力が備わっているのだ。様々な事に挑戦するうちに嗅覚は研ぎ澄まされていく。好きな事が見つからない人は、何でもやってみれば良い。
2019/07/20 直販すれば儲かると勧められるが、周知済みの既存品なら儲かるだろう。だが新製品なら、周知や集客の費用を固定費として負担し続ける必要が生ずる。従来通りに流通業者を使えば、その費用は売れた分だけ変動費として支払えば良い。だから、流通業者は固定費の掛からない優秀な営業マンだと思っている。
2019/07/19 玄能は既に完成され、進化の余地は無いと言われていた。鍛冶技術は科学で解明され、掘り下げるものは無いと言われていた。だが私には玄能も鍛冶技術も発展途上であり、進化の余地は十分に残されている様に感じられた。実際に鍛冶仕事では日々新たな発見があり、玄能も日々進化させることが出来ている。
2019/07/18 手道具の価値を上げるには宝石をちりばめれば良いと言うジョークが有る。主従の価値を逆転させる愚を笑っているのだ。だが時代遅れの商品に広告宣伝費をつぎ込むような、ジョークに似た行為は多い。価値を上げるには、手道具のあるべき姿を探求し、その姿を実現させるのが最も効果が高いと思うのだが。
2019/07/17 鉄を熱して叩けば潰れて脇に膨れる。そんな原理が活かされて出来たモノは無理なく美しいが、原理が無視されて出来たモノは不自然で気持ち悪く見える。同様に、自分の資質を活かして生きる人は清々しいが、資質を無視して生きる人は見ていて辛くなる。無理のない状態の探求で、モノも人も輝けると思う。
2019/07/16 中学入学時の成績はビリだった。学校嫌いで先生の話を聞かないから当たり前なのだ。だが理科は嫌いでなかったから、試しに教科書を読んでみたら以外と面白過ぎた。すると他の科目にも興味が湧き始め、気付けば成績は良く成っていた。苦手の克服からでなく、やりたい事から始めたのが良かったのだろう。
2019/07/15 やりたくない事はやらずに、やりたい事に時間を費やしている。そもそもやりたくない事をやっている限り、何時までもやりたい事は始められない。最初からやりたい事に集中し抜きん出れば、やりたくない事は誰かが代わりにやってくれるように成る。順番が大事なのに、学校の先生は絶対に教えてくれない。
2019/07/14 情けは人の為ならずの意味を掘り下げてみた。情けを掛けるには、相手の気持ちを深く考える必要が有る。相手を責めることを止め、自ら改善に努めれば、自ずから物事は前進すると気付く。すると起きている事を鷹揚に受け止められる様になり、寛容に成れる。これこそが情けを掛ける最大の利点ではないか。
2019/07/13 少し上を目指して挑戦するだけで、とても難しい問題に直面することは多い。だが諦めずに日々鍛錬していれば、必ず乗り越えられる筈だ。日々の仕事を簡単だと言う様な人はそもそも感性が鈍く、もっと上が有る事にも気付けず、故に挑戦もしない。感性は意識して鍛えないと、その必要性にすら気付けない。
2019/07/12 熟練すれば仕事が楽に成ると思ったら大間違い。より難しい仕事を依頼され、心身ともにクタクタに成る。だが弟子が手伝ってくれるお陰で元気に仕事が出来ている。そしてこれが親方にとっては、とても贅沢な姿に思えてきた。仕事を弟子に伝え、更に難しい仕事に取り組めるなんて、職人冥利に尽きるのだ。
2019/07/11 忍者は麻の苗木を毎朝飛び越える訓練をしたという。苗木の成長に負けずに飛び越えるだけで、跳躍力は飛躍的に伸びただろう。同様に、お客様の上がり続ける期待を毎日少しずつでも上回り続けたなら、技能は飛躍的に高められるだろう。毎日少しずつなら簡単に出来そうだし、成果も上がり易いと思わない?
2019/07/10 玄能が売れて有名に成れば弟子を取れると思っていたのは大間違い。玄能の愛好者の中に私と働きたいと思う人が居るとは限らないのだ。だから、来てもらいたい人を想定し、熱い想いを届ける方法を考え続けた。そのお陰で弟子を取れた訳だが、採用できないと嘆く人にこの話をしても、実行する人はいない。
2019/07/09 私くらいに変わっていると、自らを変人と認めざるを得ない。事象に対して他人と違う反応をするから変人なのだろうが、言い換えれば世界が他人と違って見えているということ。それを受け入れないなら一生苦しむだろう。だが私の様に受け入れてしまえば、何の苦労もなく他人と違う世界を体験出来るのだ。
2019/07/08 私くらいに得手不得手がはっきりしていると、不得手を努力で克服する意義を見出すこと自体に、努力を必要とする。それでも若い頃は周りに脅され、不得手を克服する努力をしたが、多くは徒労に終わった。得手ならば興味の赴くままに取り組むだけで上達できる。本日も高温時の焼入れの秘訣を発見できた。
2019/07/07 現代では職人も仕事場を開放して見せる必要が有るという。私は見られていると全く力が出ない質だ。だが、見られていない時の集中力は凄いと思う。幸い職人仕事は見られていない時間が長い。長時間集中できれば、良いものが出来る筈なのだ。私を見てもらうより、出来たものを評価してもらいたいと思う。
2019/07/06 和釘が洋釘よりも良く効く理由は、方形且つ軸の中程を少し太くしているから。接触面積を広くして摩擦抵抗を最大限に活かす仕組みだ。木柄が抜け難い玄能を作るにもこの仕組みは役に立つ。ひつ穴を矩形且つ内部中央を少し狭めて作れば良い。玄能に集中しつつ周辺を学べば、役立つ仕組みを見つけられる。
2019/07/05 玄能が売れる様になった頃、「もう止められないよ」と問屋に言われてドキリとした。玄能鍛冶として生きる覚悟は出来ているつもりでいたが、それ以外の可能性に見切りを付け切れていなかった訳だ。これを切掛けに真に覚悟を決めた訳だが、可能性を一つに絞ることの恐怖と難しさを痛いほどに堪能できた。
2019/07/04 「玄能作りに熟達するだけでなく、大工道具全般とその歴史を学ぶように。商売として続ける為の知識も身に着ける必要が有る。なによりも、品格を磨き続けることを怠るな。」以上は師匠の教えである。玄能作りに軸足を置きその周辺に興味を向けるだけで、これだけ多くの知識を学べると教えてくれたのだ。
2019/07/03 様々な事に挑戦して自分の適性に気付いたなら、それを活かして一事に邁進すれば良い。だが裏を返せば他の可能性に見切りをつける事に等しく、視野を狭める可能性もある。でも大丈夫。邁進する核となる事を軸足にし、その周辺に興味を向け続ければ良い。すると核は補強され、更なる可能性も見えてくる。
2019/07/02 独立してからの5年間は、視野を広げる為に依頼事を断らなかった。避けてきた未経験な事にも挑戦し、好き嫌いや得手不得手を明確にしたかったのだ。お陰で自分の資質が明確に成り、その資質を必要とする人が誰なのかも分かり始めた。自分の事を深く知る程に、本当にやりたい事に打ち込める様になった。
2019/07/01 出来る様になる程に視野は狭まっていくと思う。分かったつもりになり、他の可能性を排除してしまうからだ。知識だけでなく、人の心にも無関心に成ることさえ有る。すると信用まで無くし、確実に成長は止まってしまう。本当に出来る様に成るには、如何にして視野を広げ続けるかを考え続ける必要が有る。
2019/06/30 技を弟子に伝え、やらせてみて初めてその技の良否に気付くことは多い。自分の技を間接的にではあるが客観視できるからだ。火の色や強さ、所作の細部に至るまで、他人の作業なら冷静な目で見ることができる。そして自分の作業に反映できるのだ。弟子を取ると親方も上手く成るということを実感している。
2019/06/29 玄能作りをしていると、進化に繋がる大きな発見をする事が有る。だが其れは、日頃から目にしている有触れた現象の一つに過ぎなかったりする。それ迄は其処に深い意味を見出せていなかった訳だ。何かを進化させるには、有り触れた現象の中に特別な意味を見出し、其れを自由に再現できる必要が有るのだ。
2019/06/28 既に完成され進化の余地が無いと思われている玄能だが、少しずつ変化させながら作って居ると、突然大きく変わる時が来る。これが至福の瞬間なのだ。期待以上の不思議さ面白さをお客様に与え続けることが大切だと常日頃から言っているが、未知の不思議さ面白さを一番期待して楽しんでいるのは私なのだ。
2019/06/27 上手く成り人気が出たら価格を上げる。これを繰り返すことでブランド力を高めようとしてきた。ところで私の考える上手いの定義は、期待以上の不思議さ面白さを相手に与え続ける力が強いということ。玄能を理論的且つ緻密に作る努力と共に、自分の能力で他にも活用できるものが無いか、探っている所だ。
2019/06/26 浩樹印玄能を直販しない理由は、育ててくれた問屋小売屋に報いる為と、彼らが私の苦手を補ってくれ、効率よく商売出来ると考える為だ。そして今では彼らが弟子の商品をまとめて購入してくれている。お陰で弟子は安心して仕事が出来る訳だ。問屋小売屋の力は落ちているとはいえ、代えがたい存在なのだ。
2019/06/25 私の様な内向的な人間は、他人なら何気なく出来る事にも勇気を必要とする。街に出ては知り合いの目を気にしてコソコソし、目的の場所に辿り着いては周りに飲み込まれてドギマギする。だから引き籠る訳だが、それが全然苦痛ではない。私にとっての引き籠りは、自分らしく生きる為の健康的な休息なのだ。
2019/06/24 少しずつやり方を変えてやっていると、想定外に良い結果が得られる事が有る。それを分析して法則性を見つけ、自在に再現出来る様にするのだ。その作業は格別に楽しく、鍛冶仕事の醍醐味は其処に有ると言っても良い。お金や名誉も大切だが、作業自体を楽しめなければ、鍛冶仕事は上達出来ない気がする。
2019/06/23 外交的で押し付けがましい人達に支配された学校生活は苦痛だった。社会に出ても内向的な性格を否定されて肩身が狭かった。だが本心では外交的な人達を鈍感で思慮分別の欠けた頓馬だと思っていたのだ。今では性格の多様性を受け入れられるが、内向的な職人が集う私の工場がとても健康的に思えてしまう。
2019/06/22 玄能は既に完成されており、進化の余地は無いと同業者は口を揃えていた。だが、出来た玄能の多くは不揃いで統一感も無く、理論的に作られて居るとは到底思えなかった。後に師匠に出会い玄能の進化の可能性を説かれ、自分の目の確かさに気付いた。多くの人の唱える常識に違和感を持った時が好機なのだ。
2019/06/21 毎日改善を続けているが、やる程に謎は深まりゴールが見えてこない。一生を捧げても、確実に中途半端に終わってしまうだろう。諦めなければ叶うと言うが、玄能作りは私一代で極められるほど簡単ではないのだ。だから一代で極めようとは思っていない。その可能性を後進に受け渡せれば良いと思っている。
2019/06/20 野外で遊び呆けた私らには、羽化後の蝉の寿命が一週間より長い事は常識だが、記録を取って証明する人は少ない。鍛冶仕事においても、分かったつもりでいるだけで、正しく説明するには知識不足の事が多い。植松君は蝉の寿命調査により、有り触れた事でも最後まで徹底すれば際立てる事を証明してくれた。
2019/06/19 現状を分析して新たなやり方を導き出せる様になると、様々な不具合が気になり始め、改善せずにはいられなくなる。それがとても楽しい訳だが、これは仕事の話ではなく、実は子供の頃の魚釣りでの話なのだ。この経験は仕事でとても役に立つが、この程度の能力なら、子供の頃の遊びで身に着けられる訳だ。
2019/06/18 様々な事に興味を持ち取り組んできた。言い換えれば遊び呆けていたということ。互いに関連なさそうな事柄だが、分析してやり方を導き出し結果に繋げるという共通点が有った。やりたくて始めた事なので、本質的に繋がっていたのだろう。思いがけずに身についた技能は、鍛冶仕事にも大いに役立っている。
2019/06/17 余計な物を欲しがらず、自分にそなわる物を大切に育みたいと思った。変人扱いされ様が、自分らしく生きる為に割り切れば良いと考えた。独自の世界を作り上げれば、競争せずに済むと信じた。多くの人が他人を羨み、羨む相手の作るルールの下で競争を始めてしまう。良いカモにされているとも気付かずに。
2019/06/16 良いものを持っているのに、持っていないものを求めて自分を変えようとする。ある人は他人の悪い所に目をやり、人は変われると言って劣等感を持つ人を繰ろうとする。だが結局は自分も変われないし、他人を思う様に繰る事もままならない。今ある良いものを育てれば、充分に幸福になれる気がするのだが。
2019/06/15 毎日少しずつ改善している。そしてその作業が全く苦にならない。お客様の期待に応え続けたいと願うからでもあるが、それと同時に、上達すること自体を楽しめて居るからだろう。何かの為にやるよりもその行為自体を楽しめた方が、苦にならず淡々と続けられ、その結果として際立ち易いのではなかろうか。
2019/06/14 作業手順は作業の度に少しずつ変えている。良くなることも有れば悪くなることも有る。だが、一年も経てば大きく進歩しているのだ。人生も同様に、無意識に繰り返している習慣を毎日少しずつ変えてみれば、一年後には大きな変化が有るだろう。一度に大きく変えようとするから、一歩が踏み出せないのだ。
2019/06/13 見本と同じ様に作れない事は多い。作業手順が間違っていると、同じ寸法にしても違って見えるのだ。だから、先ずは正しい作業手順を探り出す必要が有る。様々な玄能の作業手順を分解し、様々に組み立て直して探り出す。直ぐに出来る時もあれば数年掛かる時もある。予期せず閃いてビックリする時もある。
2019/06/12 際立ちたいなら淡々と続けられる事をやるに限る。だが興味が有るだけでは続けられそうにない。興味が有る上に先ずは人の役に立てて、やる程に奥深さが身に染み、益々のめり込める様な事ならどうだろう。先に周りが幸せに成れそうな事なら、たとえ辛くても、応援されながら淡々と続けられる気がしない?
2019/06/11 独立してから5年間は、依頼事を断らないと決めていた。お陰で自分からは絶対に始めない事にも挑戦出来た。実は玄能作りも其の一つだ。始めてみたらその難しさに圧倒され挫けそうになった。だが奥深さに魅了され、やり続けてしまったのだ。本当に好きな事に巡り会えたのは、恐怖の5年間のお陰なのだ。
2019/06/10 運動音痴と笑われたが運動は好きだった。能無しと馬鹿にされたが学びは好きだった。褒められもせず自信もないのに、好きだから淡々と続けられた。今では運動や勉強も少しは出来るようになり、玄能作りも同様に淡々と続けることが出来ている。淡々と続けられるか否かが、上達の可否を決めるのだと思う。
2019/06/09 外交的で積極的な人は外向性を褒められがちな故に、優越感を持つ人もいるだろう。内向的で控えめな人は内向性を否定されがちな故に、劣等感を持つ人もいるだろう。だが、後者には天才が多いと言われる。努力しないかぎりは前者と同じ様に振舞えない為、自ずと頭を使う必要と機会が増えるからだろうか。
2019/06/08 ブレや偏りを非難されることの多い私だが、充分に分かっている。性格が治らない事も解っているから、其れを活かし活躍できるように考え続けるのだ。そもそも誰にでもブレや偏りはある。其れに気付かない人が他人のブレや偏りを非難し、自らは思考停止するのだろうが、何時まで天動説を信じ続けるのか?
2019/06/07 技は教えるのではなく盗ませるものだと思っている。自分の頭で考える習慣を付けさせる為だ。だが教える技術は身に着けて置くべきだ。教える為には作業の全てを言葉に出来る程に理解する必要が有る。それが出来ていれば、相手の状況を見極め、言葉に出さずとも上手く見せて盗ませてやる事が出来る筈だ。
2019/06/06 一般の目には触れない人気の達人が居る。特別な哲学もしくは戦略が有り人前に出ないのだと思っていた。だが違うようだ。彼は単に恥ずかしがり屋さんなのだ。人前に出ないが故に雑音から隔離され、その結果として達人になったのだ。必要とする人のみに知られ活躍出来る、高効率な戦略ともいえるだろう。
2019/06/05 スコップのコンセプトは、人里離れた環境でのうんこの始末を個人の責任の下に行うことにある。集めて始末すれば施設に費用がかさみ持続は難しくなるが、個々でやるなら費用も掛からず、文化として定着できれば持続可能となる。群れてやったら自立も成熟も期待できないのは、うんこの始末も同じなのだ。
2019/06/04 達人の話を直ぐに理解出来る訳がない。理解しようと努めることで徐々に理解が進み、その姿勢が認められ、より深い話を聞くことが出来るのだ。だが、多くの人は理解出来ない話を否定するので、達人の真の卓越を理解出来ない。故に、未熟な自分が理解出来る程度のなんちゃって達人を崇拝し続けてしまう。
2019/06/03 私「まちづくりでは賑わいの創出をうたうけど、静かに暮らしたい我々には辛いよね」弟子A「賑わいに同調しないと協調性が無いと非難されるけど、内気な少数派に配慮が足りな過ぎるよ」弟子B「賑わいに近づくのは無理です」日々淡々と玄能作りが出来ている内向型の我々には、静かな居場所があればいい。
2019/06/02 価格は初めから出来るだけ高く設定しろ。それに見合う品質に出来る迄は売り始めてはいけない。早く出来る様になっても単位時間当たりの生産量は増やさず、品質を上げ続けろ。品質が良くなったら、頃合いを計り価格を上げていくのだ。これは師匠の教えだが、これからの時代にこそ必要な考え方だと思う。
2019/06/01 分解や組み立ては得意なので、折り畳みスコップの様なものは簡単に作ることが出来る。コンセプト、デザイン、金型設計製作、試作、完成まで全て一人で熟したものだ。玄能作りでも各要素を分解分析して組み立てる必要に迫られたが、目に見えない事だらけで混乱し続けた。単純なモノほど実は複雑なのだ。
2019/05/31 玄能鍛冶に成ると言ったら、他人に作らせて売れば良いと言われた。だが、他人に作れる様なものは売りたくなかったのだ。何故なら、出来るだけ何もしなくても売れる方法を考えた時に、誰にも真似出来ないモノを作れば良いと思い付いたから。後で知った事だが、その考え方はマーケティングの基本らしい。
2019/05/30 自分らしく自然体で生きたいと思った。自分にどんな才能が有るのか夢中で探り続けた。玄能作りが自分に向いていると気付き、其れで生きていく覚悟を決めた。今では自然体で作る玄能が自分らしく出来上がっている。モノを売るには物語が必要と言うけれど、身の上話を書き出すだけでも充分に物語になる。
2019/05/29 独立して最初のオリジナル商品が折り畳みスコップだった。グッドデザイン賞も取れたが、直ぐに真似られ落胆した。そこで絶対に真似られないモノ作りを目指し、玄能鍛冶になったのだ。こんな可笑しな過去を持つ鍛冶屋も珍しい筈だ。真似られた事さえ唯一無二の物語として、強力な武器になっているのだ。
2019/05/28 後悔する様な玄能は売らないつもりだが、それでも後で失敗に気付き落胆する事が有る。SNSの投稿も同様に、後で読み返して誤解を与える表現を見つけ、反省する事は多い。玄能も投稿も手を離れてしまうと取り返しが付かなくなる。それらは良くも悪くも自分の履歴書として、一生付いて回る事に成るのだ。
2019/05/27 似た様な事を何度も書くのは、同じ事でも見方を変えて語り直すことで、より思考は深められると考えているからだ。それは玄能作りに於いても同じなのだ。分かったつもりで同じ作業を繰り返しても、上達出来る訳がない。見方を変え、気付いた事を毎日少しずつ反映させていくことで、成熟は得られるのだ。
2019/05/26 初対面の人とは話が弾まない。だが事前に相手の事を少しでも知っていたら、打ち解け易いだろう。ならば、会う前に相手の事を少し調べて予習しておけば良い。それは相手にとっても同じだろうから、相田浩樹の取扱説明書のつもりでネットに発信している。相手に予習してもらう事で私も話し易くなるから。
2019/05/25 才能を開花させる為にやりたい事に全力で取り組んできた。多くの人が絶対に失敗すると笑ったが、何とか飯は食えている。周りの忠告を鵜呑みにせずに良かったと思う。そもそも忠告に流され易い優柔不断な人間だったなら、師匠は絶対に弟子にしてくれなかった筈だ。素直な良い子でなくて幸運だったのだ。
2019/05/24 私の玄能を扱えることに誇りを感じていると小売店の主人に言われた。私こそ其処で扱ってもらえることに誇りを感じている。玄能鍛冶を始めたばかりの頃、出来の悪い玄能を納めても辛抱してくれた。その恩に報いる為に私は精進してきたようなものだ。職人を育てる気概を持つ人に巡り合えて、幸運だった。
2019/05/23 好きな事はやらずにいられないが、嫌いな事は徹底してやりたくない。我儘だと言われるがやむを得ないのだ。例えば花火見物に行けば、喧噪に圧倒され具合が悪くなる。半面、穏やかな環境でモノ作りに励めば、結構いいモノを作る。こんな性格を許してくれる環境を探し求めて、玄能作りに辿り着いたのだ。
2019/05/22 人は成長の過程で付き合う人を変えざるを得ない。各人で成長の速度が違う上に、考え方や目指す方向も変化し続けるからだ。だが暫くすると付き合い続けられる人が現れ始める。それは互いに刺激しあい共に成長できる人だ。幸運にも私はそんな人達に恵まれている。離れていても心の通じ合う素敵な人達だ。
2019/05/21 工場の玄関先で玉結びに結ばれているミミズを見て弟子が言った。相田さんがやったのですねと。だが、そんな事をするほど私は暇ではない。ミミズが自ら玉結びになったのが真相なのだ。時間を掛けてじっくりと観察していたので間違いない。暫くするとミミズは、自ら玉結びを解いて土の中に帰っていった。
2019/05/20 孤独を好む私に「大勢でやる方が成果は出る」と言う人が居るが、本当か?例えばブレストや会議で、革新的な意見を聞いたことがない。そもそも他人の目を気にしながら、現状を破壊する様な意見を言える訳がない。私は一人で深く考え実行し、そんな私を許して賛同してくれる人と共に生きていきたいのだ。
2019/05/19 弟子を募集する為にブログや日記を書き続けた。ビジョンやミッションを分かり易く提示することで、志を知ってもらおうとした。鍛冶仕事の面白さだけでなく大変さを、そして私の癖の強さを知ってもらい、覚悟の上で来てもらいたかった。言わば玄能鍛冶相田浩樹の取扱説明書を作り、それを開示した訳だ。
2019/05/18 上達を目指し続ける人は、能力を最大限かつ最善に活かしきる為、躊躇いなく自分を縛る枠から飛び出し学び直す。だが、多くの人は縛られている事にすら気付かず、狭い枠での最善を目指し、そこそこの成果を上げ、気分良くそこに留まり続ける。上達し続けるには、自分を縛る枠を外し続けないといけない。
2019/05/17 甲野善紀氏の手裏剣投げの妙技を見て、身体の持つ潜在能力に驚いた。玄能作りにおいても、より感覚を研ぎ澄ますことで、加工精度を上げられると確信した。早速試した所、前回よりも遥かに精度高く作ることが出来た。出来ると確信するだけで、出来てしまう事が有るのだ。人間の潜在能力は計り知れない。
2019/05/16 科学的なやり方に限界を感じ途方に暮れていた居た時に師匠と出会った。科学で証明されている事は鍛冶技術の極一部であり、囚われる必要は無いと諭され、科学の呪縛から解き放たれ、袋小路からも抜け出せた。影響力の強い枠に自分をはめてしまうと、進化の袋小路に入っている事にすら気付けないものだ。
2019/05/15 そこそこ上手くいくやり方でも、それ以上の進化を望めない事はよくある。私はそれを進化の袋小路と呼んでいる。殆どの人がそのやり方に固執し進化を停滞させるが、上手く成る人は直ぐに新しいやり方を模索し始める。系統樹末節の袋小路に入ったなら、幹に戻りやり直さない限り、早晩絶滅するしかない。
2019/05/14 失敗したらやり直せばよいと軽く考える人の多くは、考え方自体が既に失敗している。そもそもそんな人は、失敗を失敗と認識できないからやり直せない。初心者ほど二本の矢を持ってはいけないと兼好法師も言っているだろう。失敗をやり直せる人とは、絶対に成功するつもりで最善を尽くせる人だけなのだ。
2019/05/13 他人の気配を感じるだけで集中できない。近くで見られていたなら、緊張してチビリそうになる。だが、孤独にしている時の集中力は凄まじいのだ。きっと、この隔たりの大きさを多くの人は想像できないと思う。だから仕事を見せる事は出来るだけ避けてきたが、それで良いモノが出来ると思って勘弁してね。
2019/05/12 言った通りにやらない人に「何を聞いていた」と言いたくなったら、自分に問うてみるが良い。「適切かつ正確に伝えていたのか」と。言われた側は相手の言葉から意図を察して行動するのであり、それがその人の素直な対応であり能力だ。ならば、適切かつ正確に伝えられない側に問題が有るのは明白なのだ。
2019/05/10 無理だから止めろと突き放す人の多くは、やったことがないか途中で諦めた人だ。そんな人の助言を聞いたなら、出鼻を挫かれてしまうだろう。だから、助言はやり遂げた人に求めるべきだ。やり遂げた人とそうでない人では、世界の見え方や感じ方がまるで違う。やり遂げた人なら、寄り添ってくれるだろう。
2019/05/09 師匠の作品の精緻なヤスリ目を目指し、様々なヤスリを試してきた。最初は有り触れた鉄鋼ヤスリを使用したが、目が揃わない上に目詰まりし易く使い難かった。その後に様々試した訳だが、今では最初のものを使用している。未熟なうちは道具のせいにするが、上達すれば、自分が下手なだけだったと気づく。
2019/05/08 将来性がないから弟子を取れないと言う鍛冶屋は多いが、弟子を取らないから未来が見えてこないとも言える。例えば、弟子を取る準備をするだけでも胸躍る未知の経験が出来、弟子が来たなら其れまで出来なかった事にも挑戦出来る。弟子を取ると決意するだけで、未来の見え方は大きく変わり始めるだろう。
2019/05/07 音速越えは不可能と言う人もいたが、イェーガーは音速を超えた。その後は皆が安心して挑戦出来たことだろう。師匠が高精度な玄能を作り私を弟子にしてくれたお陰で、私も安心して高精度な玄能作りに挑戦し、弟子を取ることも出来た。だから、多くの人にも後継者育成に挑戦してもらいたいと願っている。
2019/05/06 弟子達が問うた。多くの鍛冶屋が人手不足を嘆くのに、何故弟子を取らないのか?と。私は答えた。一時的であれ確実に貧乏に成るし、そもそも準備が出来ていないからだ。そして、その準備の必要性すら認識していないから、志願者が来ても受け入れられないし、たとえ受け入れても、雇い続けられないのだ。
2019/05/05 顧客の要望に応じて作るのではなく、定番品の販売を心掛けた。お陰で、同じものを作ることで短期間に充分な訓練を積めた。弟子を私に合わせるのではなく、私に賛同してくれる弟子を採用することにした。お陰で、弟子との意思の疎通が速やかに出来た。上記2例は、後継者育成に重要な暗示と成るだろう。
2019/05/04 高品質なだけでは売れないと言われる。そこで商品の背景を語り始める訳だが、皆似たようなものになってしまう。だが愚直に高品質を目指し続ければ、多くの困難に直面し、それを乗り越えるだけでも充分に特別な物語は完成する。高品質を目指すだけで、余計な手間を掛けずに済んでしまうことは多いのだ。
2019/05/03 鍛冶屋に成りたての頃、「今の時代に名工を目指して何に成る?」と多くの人に言われた。私だって、玄能作りが時代遅れなのも、高品質なだけでは売り難いのも、今風のマーケティングやブランディングが大切なのもよく解っていた。だが、高品質だという理由だけでどれだけ戦えるのか、試したかったのだ。
2019/05/02 かつて、倫理観に欠ける友人がいた。無理な要求を突きつけ、承諾するまで付き纏うのだ。運良く距離を置くことが出来たが、その途端に善良な人と巡り合う機会が増えた。有害な人と付き合う限り、善良な人は近寄ってこないのだろう。豊かな人生を送るには、人間関係を刷新する勇気ある決断が必要なのだ。
2019/05/01 好きで得意を仕事に活かすことは勿論だが、何をやるかよりも誰とやるかを優先してきた。玄能作りにのめり込んだ理由も、師匠に惚れてしまったからだ。師匠の取り巻きも素敵で、この人達となら上手くやっていけると直感した。玄能作りを楽しく続けられるのは、素敵な人達と一緒に出来ているからなのだ。
2019/04/30 好きな仕事を好きなままに続ける事は難しい。だが、好きが嫌いに成る原因が分かれば対処し易いだろう。その原因の一番は人間関係だと思う。だから、嫌いや苦手な人とは極力付き合わない様に心掛けることだ。好きな人とやれば困難も遣り甲斐と成るが、嫌いや苦手な人とやれば、困難は一層の困難と成る。
2019/04/29 玄能作りは嫌な事を忘れられる。だが、好きな事を仕事にしたからという単純な話ではない。要望を聞いてもらえる様に腕を磨き上げ、気分良くお取引できるお客様と御付き合いする様に努め、心惑わす人との接触を控える等、配慮は怠らなかった。玄能作りを続けられる様に、全精力を傾けてきたお陰なのよ。
2019/04/28 社会生活においては「分からない」や「出来ない」と言うのは禁句らしい。お客様の要望にNoと言わない事を自慢にする事業所も多い。だが、やりたくない事をやらずに済ませる便利な呪文なので、もっと使えば良いと思う。同時に「これなら誰にも負けない」と言える程に、技を磨き上げる必要はあるけれど。
2019/04/27 やむを得ず自分らしくない依頼に応え、経歴に泥を塗ってしまう人が居る。確かに、恩人に頼まれたら断るのは難しいだろう。だが、そんな時にも穏便に断る必殺技が有る。それは「未熟なので出来ません」と言えばいい。自尊心が高い人には使い難い技だが、馬鹿な事をやって後悔するより遥かに良いだろう。
2019/04/26 付き合う人を熟慮しろとは師匠の教えだ。誰から作品の評価を受けるかで、上達の方向と速度は確定する。また、心を乱す人が身近に居れば、平常心をなくして辛い修行を乗り切れない。たとえ恩人であっても、不利益になる場合には距離を置く必要があるのだ。その道に骨をうずめるなら、覚悟するしかない。
2019/04/25 私に自信がないのは、他人の良い所に気付き自分の至らなさを恥じてしまうからだろう。弟子達の作業を見てさえ感心するのは、稚拙なりに良いものを持っている事に気付いてしまうからだ。ならば自信がない事も悪くない。他人の至らなさばかりに目を向ける自信過剰な人よりは、遥かに上達の可能性は高い。
2019/04/24 師匠には「自信がないにも程がある」と叱られていた。だが何故か始めてしまい、夢中でやり切ってしまうから、師匠は不思議がっていた。きっと、出来た人にだけ見える新たな現実への好奇心が、恐怖心を凌いでしまうからだろう。そんな風に思えるものに出会いさえすれば、自信は要らないのかもしれない。
2019/04/23 詳しく説明しなくても、やって見せれば弟子達は上達していく。そのスピードは私の時よりも遥かに速い。此方も下手な仕事は見せられないので気合が入る。ところで、彼等は他人のやる事を注意深く観察し、直ぐに真似てしまう。見ただけで出来てしまう人は多いので、迂闊に工場見学などさせられないのだ。
2019/04/22 教える時には詳しく説明しすぎない方が良い。断片的な情報を与え、欠落部分は探求させるのだ。すると、考えが足りずに失敗することも多いが、想定外のやり方で始め、此方が驚かされることも多い。手取り足取り教えれば直ぐに出来る様にはなるが、詳しく教えず探求させれば、両者共に多くを学べるのだ。
2019/04/21 怖気付く人に自信を持てと鼓舞する人がいるが、何も言ってないに等しいと思う。怖気付くなら理由を分析して対処すれば良いだろう。そもそも、始める前から自信が有るとはどんな状態だ?根拠無い自信なら、始める切掛けには成るが長くは続かないだろう。そもそも、自信は後から付いてくるものだと思う。
2019/04/20 性格は変えられると言われたら、私の存在を否定された様に感じて気分が悪くなる。指導的立場にある人間に言われて一番傷付く言葉だ。そもそも良き人格を形成するには良き考えと行動が必要なだけであり、性格は関係ないだろう。師匠は私の内向的な性格には触れもせず、腕と共に品格を磨けとだけ言った。
2019/04/19 玄能作りを天職と言われていた40代中頃、他にも使命があると感じていた。分析して伝える事が好きなので、師匠から受継いだ技を更に伝えたいと考え、後継者を育てる決意をした。後継者となる素敵な相棒に巡り合う為の準備は、数多の出会いを生むと共に、自分の才能を再発見する素敵な体験に成ったのだ。
2019/04/18 人生を豊かにする素敵な相棒は、偶然には見つからない。自分がどんな人間であり、何を目指して、その為にどんな協力が必要なのか、分かり易く発信しなくてはいけない。同時に、相棒候補に振り向いてもらえる様に、自分を磨き続ける必要もある。何時か必ず出会えると信じ、準備を怠ってはいけないのだ。
2019/04/17 好きな事を仕事にして続ける為には、嫌いな事も避けて通れない。だが、嫌いな事に多くの時間を取られ、好きな事まで嫌いに成っては本末転倒だ。実は、好きで居続ける為のコツがある。それは誰とやるかを熟慮すること。避けて通れない嫌いな事でも、素敵な相棒とやれば、楽しく出来ちゃったりするのだ。
2019/04/16 どんなに偉い人が説得しても、信用がなければ誰も耳を傾けない。たとえ未熟であっても、その人に信用が有れば、他人は理解しようと努めるものだ。だから、話を聞かない相手が悪いと決めつけずに、聞いてもらえない自分に信用がないと思った方が良い。信用のない偉い人は、単なる偉そうな人に過ぎない。
2019/04/15 やれない理由をやる気や自信のせいにしていたら、何時までも始められない。やるのに必要な事は唯一つ。面白さや不思議さを其処に見出すこと。其の為には感性を磨く必要があるが難しくはない。その分野の憧れの人に会いに行けばよい。会って話をするだけで、感性は磨かれ始め、好奇心が湧いてくる筈だ。
2019/04/14 鍛冶屋に成る時も玄能作りを始める時も、絶対に失敗すると反対された。ましてや未経験な事に挑戦するのだから、自信など有る筈がない。だがやってしまった。きっと、自信は大切なのだろう。自信がないと出来ないというのも本当かもしれない。だが、自信よりも好奇心の方が、遥かに力強いと信じている。
2019/04/13 やった事を振り返ると、自信が有るからではなく、やりたいからやっただけだ。やらなかった事を振り返ると、自信が無いからではなく、やりたくないからやらなかっただけだ。鍛冶屋に成るのも玄能を作るのも、自信の有無を意識しなかった。だから自信が良く分からない。其処が変人と言われる所以なのか?
2019/04/12 無いと困るとか有ると便利だとか言う物は市場に溢れている。競争が苦手な私はそんな物を作りたくはない。必要無いのに欲しくなり、一度手にしたら不思議と心が満たされ、更にもう一つ欲しくなる様な物を作りたいのだ。一体それはどんな物か?きっと、私自身が心底欲しくなる物でなければいけない筈だ。
2019/04/11 問題が起きるのは自分の責任だと思っている。人のせいにした所で何も解決しない上に、腹を立てることにも成る。だから自分に出来る精一杯の事をやり、後は成り行きに任せている。お陰で何時でも納得できている。実はこれがモノ作りの上達の秘訣なのだ。他人や境遇のせいにしていたら、上手く成れない。
2019/04/10 弟子を取ると親方自身も成長すると言われる。それは、聞かれた事に答えることで思考が整理されるからだろう。自分の知識の質や量が露呈するので、反省して勉強し直すからだろう。恥ずかしい姿を見せられないので、手本に成る為に努力するからだろう。何よりも、一緒に仕事をするのが楽しいからだろう。
2019/04/09 弟子達には仕事を隠さず見せている。見たい時に何時でも見て良いと言っている。分からない事は何でも聞いて良いとも言っている。だが、周りの人は其れを良くないと言う。全て覚えたら辞めてしまうからだそうだ。だが周りを見渡せば、仕事を覚えられずに傷心して辞めていく弟子の方が、遥かに多いのだ。
2019/04/08 前職では業務遂行に必要な知識を与えられなかった。だから独学で身に着けた。だが、権限が与えられずに支障が出ることがあった。上司に問うた所、辞める奴に知識や権限を与えるつもりはないと言われた。辞めるつもりはなかったが、ご希望に応えて辞めてやった。当時身に着けたモノが今役に立っている。
2019/04/07 竹中大工道具館が作成した師匠の映像がYouTubeにアップされていた。短い映像だが、其のフルバージョンを師匠に見せられたことがある。映像を見なければ絶対に分からない技の数々に圧倒され、脳に必死で焼き付けた。お陰でどれだけ私は救われたことだろうか。師匠は多くの宝を無償で与えてくれたのだ。
2019/04/06 鋼付玄能を作る師匠の映像を見ると、動作に全く無駄が無い。他の玄能鍛冶とは次元がまるで違うのだ。その映像を参考にして鋼付玄能を製作し、評価を得る為に師匠の下を訪れた訳だが、何時しか師匠に合うこと自体が目的に成り、その為に必死に玄能作りに励んでいた様にも思える。惚れた力は偉大なのだ。
2019/04/05 新しい事を始めると、無理だと言って止める人は多い。その理由を聞けば、その人に無理なだけで、自分には関係ないと分かることが多い。また成し遂げた暁には、無理だと止めた人を見返せるのは気持ちが良いが、そんな人に限って「貴方ならやり遂げると思っていた」なんて言うので、腰が抜けそうになる。
2019/04/04 集中力は高い方だが二人の弟子も凄い。黙々と作業をするので、話し掛けるのも遠慮するくらいだ。私も近寄り難いと他人に言われるので、同じなのだろう。そして私を含め、皆が内向的で友達が少ない。外交的で外に注意が向いてばかりいる人より、内向的な人の方が、モノ創りに向いているのかもしれない。
2019/04/03 幼い頃から繊細過ぎて、外界のノイズを拾い疲れてしまう。お陰で内向的に成ったが、今ではこの性格を結構気に入っている。繊細さを生かし細部に集中すれば、他人の気付けない事にも気付けることが分かったからだ。それはモノ創りに限らず全ての事に感じている。内向的な性格は得難い素敵な素質なのだ。
2019/04/02 改善のつもりが改悪になることは多い。だが、改悪に気づき元に戻ることが出来れば、それは改善に成る。何故ならば、其処から多くを学べるからだ。しかし軸のない人は元に戻れず、更なる改悪に向かうことに成る。師匠は弟子入りした私に揺ぎ無い軸を作る為、「暫くは俺の言うことだけを聞け」と言った。
2019/04/01 先日雇い入れた二人目の弟子の指導を一人目の弟子がやっている。彼の方が私よりも指導は上手い様だ。人を経ることで洗練され上手くなるのだろう。お蔭で私は口を出さずに済み、二人目の弟子は言わば孫弟子といえる立場だ。伝承を軽んじて革新を叫ぶ人が居るが、伝承が革新に繋がる可能性を強く感じる。
2019/03/31 鍛冶屋を目指す若者が訪れた。まだ中学2年生だが、卒業後に鍛冶屋を始める為に勉強しているという。簡易的ながら鍛冶の設備を持ち、既に作品を作っている。問題はどうやって注文を取り販売するか?流通業の衰退する中、直販を勧める人もいるが難しいだろう。先ずは早急に協力者を見つける必要がある。
2019/03/30 現代に合う標準的な正解が有り、それを目指す事が成功の秘訣であるかの如く、其の標準とやらを押し付けてくる人は多い。成功の定義さえ人其々なのに、標準的な正解が有ると言うのは傲慢だと思う。だが、そんな言葉を鵜呑みにする人が多い事に驚く。道徳もその類で、眉に唾付けて聞いた方が良いと思う。
2019/03/29 優れた鍛冶技術を伝承しようにも、昔ながらの鍛冶屋の形態では後継者を育てられない。新しい形態の構築が急がれるが、考える人は少ない。だから殆どの鍛冶屋は後継者が出来ず、近い将来に廃業するしかないだろう。だから、持続可能な新しい鍛冶屋のビジネスモデルさえ構築出来れば、優位に立てる筈だ。
2019/03/28 仕事は飽きないが趣味はすぐに飽きてしまう。仕事は奥が深く趣味は浅いからと考えていたが、趣味だって充分に奥が深い筈だ。では一番の違いは何なのだろう?きっと、趣味は喜びを得る行為であり、仕事は喜びを与える行為だという違いなのだ。人は得る事よりも与える事により深い喜びを感じる筈だから。
2019/03/27 例会を欠席した人を責めている人が居た。年会費を払っているのに勿体ないとも言った。だが、年会費をドブに捨てる程に魅力の乏しい例会を企画したのは誰なのか?同様な例を多く見聞きするが、大抵は同じ事を何時までも繰り返している。相手を責めている内は何も変わらない事に気付いていないのだろう。
2019/03/26 新商品を創る為にサンプルに成るモノを購入してきた。以前ならばアイデアは一人で悶々と考えていたが、今なら弟子に相談できる。冗談を言いながら盛り上がり、一人では絶対に出せないアイデアが飛び出した。早速サンプルを作り検証してみたい。充分に楽しかった仕事が、弟子のお蔭で益々楽しく成った。
2019/03/25 高圧的な人から他人に好かれる人間に成れと説教された。即ち俺の言うことを聞けという事だろう。素直に成れと説教する人の腹の中も同じだと思う。自分の思い通りに人を動かす為、耳当りの良い言葉で牽制してくる人は多い。牽制などせずとも、自らが好かれる人間に成る為、もっと素直になれば良いのに。
2019/03/24

誘われた事を断ったら我儘だと非難された。一人で始めるのが心細く、仲間を増やしたいのだろう。だが、今迄と違う事を始めるのなら、先ずは一人で始めてもらいたい。自分以外を我儘だと非難し、無理やり仲間に引き込もうとする根性はさもし過ぎる。孤独に耐えられない人は何も成し遂げられないと思う。

2019/03/23 我慢が足りないと言われるが、やりたい事をやる中での我慢は大切だと思っている。だが、やりたい事を我慢するのは我慢ならないのだ。だから、弟子がやりたいと強く願うのなら、我慢させずに出来るだけさせてやるつもりでいる。されば感性は研ぎ澄まされ進化し、勝手に上達して益々やりたくなるだろう。
2019/03/21 鍛冶仕事に科学的見地を取り入れたのは革新的だが、鍛冶を掘り下げる為とは違う気がする。鍛冶屋から工場へ、伝統工芸品から工業製品へと方向転換する為の革新なのだと思う。それ自体は歓迎されるが、鍛冶に拘る鍛冶屋が其処を見誤ると、鍛冶で作る意義を失い、有触れた工業製品と競合することに成る。
2019/03/20 内向性を改善する為、努力を重ねたが無駄だった。今でも人前で食事をする事すらままならないが、仕事には支障が無い。内向性は鍛冶職人に合致した性格なのだ。そもそも日本の伝統文化の多くは、内向性によって作られた筈だ。内向性を活かし集中して作業する弟子を見て、内向性は素敵な性格だと思った。
2019/03/19 何時までも一人で出来ると考え、我儘に振る舞う人が居る。だが想像以上に衰えは早く、気付けば一人で出来なくなっている。後継者の育成には辛抱が必要だが、我儘な人は辛抱が出来ない。これは私生活においても同じだ。周りに迷惑を掛け続け、体が弱ってから面倒を見てくれと泣きついても手遅れなのだ。
2019/03/18 知人が仕事の暇に成る冬期間を有効活用しようと、機械設備を借りて下請け仕事を始めて2か月経つ。今では仕事が間に合わず、家族3人で24時間操業しているという。大した技能も要らずにこんなに儲かるなんて信じられないと奥さんは言った。上手くやるものだと感心したが、上手くないのかもしれない。
2019/03/17 熟練を単に慣れる事だと勘違いしている親方が居た。弟子に自分のやり方を押し付け、真似させる事だけを考えていた。だが人其々に特色が有り、最適なやり方も人其々な筈だ。其れは自分で編み出すしかなく、教えることは出来ない。熟練するとは、最適なやり方を編み出し続けられるように成る事でもある。
2019/03/16 考える時間さえ与えずに答えを教える授業に嫌気がさし、俺の事は放って置いてくれと先生に懇願したことが有る。だから自分が弟子を育てる時には、一通り説明した後は放って置く様にしている。そして弟子は順調に育っている。放って置かれるお蔭で、充分に深く考えることが出来ると、弟子は喜んでいる。
2019/03/15 仕事で同じ失敗や事故を繰り返す原因を悪霊のせいにし、坊さんにお経をあげてもらっている人が居た。工場内の動線の狂いと整理整頓が疎かなのが主な原因だが、注意しても改善せず、従業員も全て辞めてしまった。だが、当人の引退後には多くが改善されたようだ。お経の効果が漸く現れたという事か(笑)
2019/03/14 職人が弟子を育てる場合、暗黙知の伝達は必須だ。暗黙知は言葉で伝えきれないので、親方と弟子との相性が大切に成る。だが、相性が悪くて辞めて行く弟子は多い。其れを防ぐ為に、求職者が親方との相性の良し悪しを事前に判断出来る様に、親方自らの情報を提示すれば良い。其れにはSNSが最適なのだ。
2019/03/13 失敗したら直せば良いと考える人は過去に囚われる。失敗しない方法を考え続ける人は未来を見ている。だが何故か、失敗を恐れずに挑戦しろと世間は言うのだ。失敗を恐れつつ挑戦し続けた方が、遥かに上達は早いと思うのだが。因みに、気に入らない作品を即廃棄する行為は、失敗の恐怖を煽るのに抜群だ。
2019/03/12 テレビドラマで陶芸家が気に入らない作品を次々と叩き壊すシーンを見て、そんな事をしたら生活できないと言った人が居る。だが、いい加減な作品を販売していたら、何時までも安モノ作りから抜け出せず、生活にも困るだろう。最初の不利益を受け入れるか否かで、その後の人生は大きく変わると言うのに。
2019/03/11 師匠の作品を初めて見た時、其の良さが解らなかった。玄能作りを進めるうちに、少しずつ解る様に成った。だが、私の作品は師匠の作品に敵わない。其の良さは解っても、どうしたらそう出来るのかが解らないのだ。「解る」は新たな「解らない」を生み出す。だから、達人と呼ばれる人達は謙虚なのだろう。
2019/03/10 我々の親の時代は物不足で、稚拙なモノでも作れば売れた。今の時代は成熟し、巧妙なモノでないと簡単には売れない。時代が変わり、需要が変わり、価値観が変わったというのに、自分が育てられた方法を次世代に押し付けても、上手く育つ訳がない。時代に沿った育て方は業界ぐるみで研究する必要が有る。
2019/03/09 職人を志す若者に「一人前に成るのに10年掛る」と言って諦めさせる人が居る。だが、一人前に成るのに時間が掛るのは職人だけではない。多くの職業では、一人前でなくても利益が上がる仕組みを作っているのだ。職人が後継者を育てたいなら、自分達だけが特別な職業だという認識を改めないといけない。
2019/03/08 7つの習慣の時間管理のマトリックスで言えば、後進の育成は「緊急ではないが重要」の第二領域だが、その重要性にすら気付かずに先延ばしにされてしまう。だから人手不足に成って初めて気付き、慌てる事に成る。私は採用の準備に15年、採用するのに3年も掛けてしまった。ギリギリ間に合った感じだ。
2019/03/07 弟子は誰とも競争しない。ライバルも当然居ない。ただ毎日淡々と仕事をしている。そして確実に上達している。彼は言った。無暗に競争を強いる学校が大嫌いだったと。自己学習能力の高い人の中には、上達に競争を必要としない人が居るのだ。かく言う私も、競争すると調子を崩してやる気を失くすタイプ。
2019/03/06 弟子は順調に上達している。初期の私よりも上手いかもしれない。彼の上達の秘訣は作品の良否だけで勝負している事。自分を格好良く見せるつもりが無いので、雑念が無く没頭出来ている。初期の私は迷ってばかりいたが、彼は私の仕事と実績を見ているせいか迷いが無い。若い頃はこれが大事なのだと思う。
2019/03/05 20数年前に人を雇ったことが有る。職安に紹介された若者を採用したのだ。だが彼は全く仕事に集中出来ず、辞めて行った。彼に責任は無いと思った。良い人材が来ないのは自分に魅力が無いからだと悟った。其れからずっと準備を進め、漸く今の弟子を採用できた。辞めて行った彼が気付かせてくれたのだ。
2019/03/04 地元の鍛冶屋に人を雇いたいと話したら、求人しても来るのはクズばかりだと言われた。だが、その鍛冶屋は素敵な人を雇う努力をしていない。素敵な人を雇うには、自分が素敵に成る必要が有る。どんな人に来てもらいたいのか想定し、先ずは自分がそう成らなくてはいけないと思う。類は友を呼ぶと信じて。
2019/03/03 鍛冶の未来に興味は無く、需要が無ければ滅んでいいと思っていた。だが師匠に会いその仕事ぶりを見た時、後世に伝える意義を強く感じた。その為には先ず、自分が鍛冶技術を身に着けなくてはいけない。また、後世に伝えられる新しい方策も併せて考える必要もある。今迄通りでは確実に滅ぶと思ったから。
2019/03/02 想定外に出来た時に神様が降りて来たと感じたことも有る。年齢を重ねる程に先を見通せる様に成り、想定外の事は起こらなく成った。未熟な頃は一寸した上達に驚き、其れが励みに成るが、成熟するとそれも無い。だから地道に少しずつ上達し、その地道にできる自分を喜び、其れを励みにするくらいが良い。
2019/03/01 多くの情報は本から得ているが、時宜にかなう情報は人から得るに限る。引き籠りの私は人に会う機会が少ないが、大切な情報は問屋がもたらしてくれる。私に良い仕事をさせたいと考えての事だから、私はそれに応えている。問屋は何もしてくれないと嘆く人も居るが、沢山与えれば沢山還ってくる筈なのに。
2019/02/28 鍛冶屋を始めて間もない頃、私に対する誹謗中傷は酷かったらしい。それを問屋小売屋が処理し、私の耳に届かない様にしてくれていた。もしも耳に届いていたら、未熟な私は混乱し、仕事を辞めていただろう。この様に若手を育てる素敵な仕組みが昔から有るというのに、深く考えずに直販を始める人は多い。
2019/02/27 私が下手な頃から問屋は買ってくれた。励む姿を見て、いつかは上達すると嘱望しての事だろう。買ってもらえば作る機会も増え、結果として上達出来た。直販する場合、商品は購入時点での出来不出来のみで判断され、将来を嘱望しての購入など有り得ない。直販を始めると若手や後継者を育て難くなるのだ。
2019/02/26 師匠に会って間もない頃「言葉の通じね鍛冶屋も居るろも、おまんは通じるみてらの」と言われた。相性が良いと言ってくれているのだ。師弟関係においては勿論、相性の良し悪しは人間関係にとても大切だ。私と相性が良いかどうかを会う前から判断してもらう為、コラムでは自分をさらけ出す様にしている。
2019/02/25 若い頃、オートバイで丸太や岩を乗り越える練習をした。遠出をして見聞を深める方が勉強に成ると、周りは言った。だが、練習のお蔭で険しい林道を走破でき、他人が見ることの無い景色を見ることが出来た。一寸した技能を持つだけで機動力は遥かに増すというのに、技能を身に着けずに競争する人は多い。
2019/02/24 決算書を書く作業は鍛冶仕事に似ている。決算書を書く作業は、経営状況を判断する為、散らかって解り難い経営状況を整理することだ。鍛冶仕事でも、作る作品の形状や組織及び硬度を適正化する為、散らかって解り難い状況を整理する必要が有る。どちらも次の一手を決める為の、大切で楽しい作業なのだ。
2019/02/23 私は偏った足りない人間だが、不自由はない。偏った私を違った偏り方をしている人達が支えてくれているから。個別に見たら偏っているが、全体で観たら均整がとれ、とても効率は良いのだ。不揃いの木材でも、組み合わせた方次第でとても丈夫に出来るという。偏りを嘆くより、活かし方を考えた方が良い。
2019/02/22 皆が不平不満を言っていた前の職場でも、私は楽しく仕事が出来た。やり方を工夫し、出来るだけ楽しめる様にしていたからだ。今では鍛冶仕事に楽しく出来る工夫を取り入れている。お蔭で、私の仕事のやり方を弟子も楽しんでくれている。辛い時も有る仕事だからこそ、楽しく出来る工夫は欠かせないのだ。
2019/02/21 問屋小売屋に販売を任せ、私は作る事に専念している。お蔭で上達も早く、信用を得ることが出来た。弟子も同様に作る事に専念しているお蔭で、問屋小売屋に信用され、順調に売れ始めている。もしも私が直販していたなら、販売や雑事に手を取られ、上達出来ず、弟子も取れず、伝承も途絶えていたと思う。
2019/02/20 師匠の仕事を見たことが無くやり方も教わらなかった私が、思考錯誤の末に漸く出来る様に成った事でも、弟子にやって見せれば直ぐに出来る様に成る。この事実から分るのは、熟練よりも正しいやり方で始める事が大切だということ。そもそも間違ったやり方で熟練しても、間違った結果にしか辿り着けない。
2019/02/19 鍛冶の名工の作品を模写するなら、同じ作り方で臨まなくてはいけない。見た目を同じに作っても、作り方の違いで性能はまるで違うのだ。継承が途絶えた鍛冶道具は、科学的に分析しても作り方は分らないから、形状の再現は出来ても性能の再現は難しくなる。今では形状を再現出来る職人すら、数が少ない。
2019/02/18 以前は見えなかったモノが、今は見えている。見え始めると、全てが違って見えてくるから面白い。見えてしまえば、何故見えていなかったのか不思議にさえなる。きっとこれからも同じなのだ。暫く立ち今の自分を振り返れば、当時の無知を恥じる筈だ。だがそう思えるのが、少しは成長した証なのだろうね。
2019/02/17 偉い先生が良しとする事象を基本と決めつけるのは早計だ。事象を基本と決めつけ崇め奉ると、導き方まで枠にはめてしまう恐れが有る。導き方が無数に有る事を前提とし、その中から目的に沿う最適解を選択すれば良い。最適解を探す過程で、求めている事象そのものが間違いである事に気付く事は多いのだ。
2019/02/16 適切な金属組織と硬度を得る事が鍛冶の基本と言うが、其処だけに拘ると全体が見えなくなる。作るモノの理想を探求し全体を創り上げていく過程で、組織と硬度が適正化されていくのが正しい筈だ。組織や硬度は大切だが、その導き方の方が遥かに大切なのだ。正しい導き方の発見こそ、鍛冶の神髄だと思う。
2019/02/15 新しい事を始めると言うと、「絶対無理だ、止めておけ」と言って周りが止める。だが、考えて欲しい。多くの人が無理だと言うのであれば、上手く出来れば其処はブルーオーシャンだ。又、上手く出来た自分は、無理だと止めた人よりも優秀だという事になる。そう考えれば愉快だし、益々やりたく成るよね。
2019/02/14 高齢で跡取りも無い磨き屋が廃業を決めた。そこに突然、孫が後を継ぎたいと申し出た。人付き合いの苦手な孫は、他所に就職は出来ないと諦めていたが、自宅でなら仕事は出来ると考えたのだ。内向的性格は否定されがちだが、そんな孫の性格を活かしたお蔭で、磨き屋を続けることが出来る様に成った御話。
2019/02/13 鍛冶屋に生まれ、その環境に浸り育った。自宅周辺に鍛冶屋は多く、自由に覗き見ることが出来た。本物の鍛冶仕事を幾らでも間近に見ることが出来た訳だ。そのお蔭で、鍛冶仕事を始めてから短期間のうちに、私は何となく仕事が出来るようになった。本物を間近に見続ける事が、何よりも大切なのが分かる。
2019/02/12 新たに事を始めると、更なる知識や道具が必要と成り、其れらが増え続ける。上達するに従い、貯えた知識や道具の多くを不必要だと感じ取り、捨て始める。それを繰り返していくと、本当に必要な知識や道具だけが手元に残るのだ。上手い人が格好良いのは、余計なアカが削ぎ落とされて潔いからに違いない。
2019/02/11 良さそうな方法を見つけたら、直ぐに試してみる。上手くいきそうなら、今迄のやり方を未練なく捨ててしまう。だが、捨てたやり方でも後でやり直すと上手くいく事も有る。だからドンドン捨てて先に行き、気が向いたら又拾って試してみる。習うよりも慣れろと言うけれど、慣れつつ更に先に行くのが良い。
2019/02/10 鍛冶仕事をしていると、偉い人の示すお手本とは違う結果に至ることが有る。そんな時に、多くの人は自分が間違っていると思い、お手本に近付けようと頑張るだろう。だが、一寸待て。そもそもお手本は一つの例に過ぎず、其れが最善である保証など無いのだから。思うままにやり、世間に良否を問えばいい。
2019/02/09 好きや得意を活かして社会に貢献することは楽しい。其れは自分の感性を自他共に認める事が出来ているからに違いない。誰でも自分の感性を否定されたら悲しい気持ちになる筈だ。其れは自分自身を否定されているのと同じだから。飾らない生来の感性で活躍することは、楽しく穏やかに暮らす秘訣だと思う。
2019/02/08 ある程度の良い結果を得られる方法でも、突き詰めていくと袋小路に入る事はよく有る。即ち最善の結果を得られる方法は極めて少ないのだ。最善の方法に辿り着くには、上手くいっている方法を続けながらも、違う方法も試し続けなくてはいけない。無駄な回り道の様だが、其れしか方法は無いと思っている。
2019/02/07 良い作品を作る為に、多くの知識を得ると共に不要な知識は捨てて来た。捨てた知識を振り返ってみると、上達の役に立ったモノも有るが、多くはそもそも必要が無かった気がする。無駄な情報に振り回され、回り道をした訳だ。「俺の言うこと以外は聞く必要が無い」と言った師匠に、謝らなければなるまい。
2019/02/06 教える事は二度学ぶ事と言うが、弟子を指導するに当たりとても良い学びを得ている。教える為に深く学び直すから知識は深まるし、自分がした事の無いような失敗をやらかしてくれるから、其処からも多くを学べるのだ。弟子を取った後にメキメキと腕を上げる職人を目にしてきたが、その理由が良く分かる。
2019/02/05 長年苦しんできた疑問に光明が差した。切掛けは2通のメール。一方は苦情のメール。もう一方は大絶賛のメールだ。両者の商品の作り方の違いは一工程のみ。それを修正すれば飛躍的に改善する訳だ。今迄良かれと思いやっていた技が、実は仇となっていたのだ。目の前に答えは有ったのに、見ていなかった。
2019/02/04 嘱望される職人でも、無名であれば活躍の場が得られず上達は見込めない。逆に有名に成るのが早すぎれば、期待値ばかりが上がり実力が追い付けない。では、有名に成るのに適切な速さはどれ位か?始めてから5年位で噂に上り、25年位で中堅と言われ、35年位で一目置かれるくらいが丁度良い気がする。
2019/02/03 毎日楽しい発見がある。中でも、訓練の必要もなく品質を上げられる加工法の発見には胸が躍る。使う道具や道具の使い方を変えただけで、見違える事はよく有るのだ。だが、他人がやるのを見れば苦も無く真似出来ても、自分で発見するのは至難の業だ。発見の秘訣は、毎日少しだけやり方を変え続ける事だ。
2019/02/02 他人の仕事や作品を見るなと師匠に言われた。それを守っているが、困る事は無い。感性を研ぎ澄ませて仕事をしていれば、やるべき事は自ずと見えてくる。人真似せずに自分の頭で考え続ける事で感性を磨き上げ、自分の型という独自の世界を創るのだ。師匠が亡くなった今でも上達できるのは、そのお蔭だ。
2019/02/01 同じ失敗を繰り返しケロリとしている人は、失敗を失敗と受け止める感性が欠けている。凡庸なのに非凡だと自惚れている人は、上には上がいる事を嗅ぎ取る感性が欠けている。そもそも感性の欠如にすら気が付かずに、人生を無駄遣いしている。現状を正確に把握する感性は、訓練しないと身に付かないのに。
2019/01/31 従業員の彼は、3年前に職安で此方を見つけ、突然訪問して来た。少し話して工場見学しただけで就職を決めた。決めた理由は楽しそうだから。私自信が楽しく仕事が出来る様に、工場内は何時でも整理整頓していた。彼は工場内を見た時に、自分が楽しく働く様子が目に浮かび、猛烈に働きたくなったそうだ。
2019/01/30 ネットでは自分を飾らない。会った時に期待を裏切りたくないからだ。求人なら尚更だ。鍛冶仕事での上達には、親方との相性がとても大切だと思うからだ。多くは求人の際に敷居を下げるが、私は自分の変な性格をさらけ出して敷居を上げている。其れでも会いに来る人は、私を好きに成ってくれそうだから。
2019/01/29 私は玄能を頭だけで販売する。そもそも大工道具は仕込みという作業が大切で、玄能ならば、柄を削り出して仕込む作業がそれだ。それが出来る人は最善の状態で使い続けられるが、出来ない人は不具合を我慢して使わざるを得なくなる。手間を掛けてもらうことで、何時までも気持ち良く使ってもらえるのだ。
2019/01/28 Windows7から10に移行する準備をしている。使い勝手は良いけれど、古臭く感じ始めていたので、変化を楽しみながら進めている。伝統工芸品もOSと同じだと思う。作品を進化させ続けるのは当然として、時には大きくビジネスモデルを変化させる必要が有る。良いモノが出来ても、続けられないと意味が無い。
2019/01/27 30年も前の事だ。商店街を活性化したい自治体と、演奏を披露したい素人バンドをマッチングさせた企画を提案し、夏祭りの夜店市に採用された。自治体もバンドも費用を削減でき、若者が夏祭りに参加する機会も増えた。今では当時の若者が孫を連れて参加している。だが、もっと変化させても良いと思う。
2019/01/26 鍛接剤を薬研で細かくする作業をスタッフにさせた所、とても喜び夢中でやっていた。実は、私はその作業が退屈で大嫌いなのだ。同じ作業でも嫌いな人も居れば好きな人も居る。お互いの適性を尊重し上手く調和させれば、嫌いや苦手を我慢してやる必要も無く、得意を活かして楽しく生きて行けると思った。
2019/01/25 「他人のやらない面倒臭そうな事ばかりやっていた。何故そんな苦労する事ばかりをやり続けるのか不思議がられ、変人扱いされた。だが、面白いからやるだけで、苦労はしていない。そもそも、どんな事でも突き詰めれば面白いもので、その面白さを発見するのが、また面白いのだ。」と、スタッフが言った。
2019/01/24 変なモノでも上手く宣伝すれば売れるけれど、早く沢山売れる程、化けの皮が剥がれるのも早い。だから、実力と共に人気が上がり、その人気に負けない様に努力して、何時でも人気に一寸だけ実力が勝っている状態を維持出来れば、何時までも飽きられずに売れていく。焦らず、弛まず、宣伝し過ぎずが大切。
2019/01/23 当初、あちこちに宣伝したが反応は薄かった。未熟な私を必要とする人は少なかったのだ。私を必要としてくれる人は誰なのか?その人は何処にいるのか?其れが分からず、毎日苦しんでいた。だが上達するにつれて、お客様の方から声を掛けてくれるように成った。宣伝も大切だが、上達はもっと大切なのだ。
2019/01/22 全ての作業が楽しくて甲乙付け難いと言った彼は、上達に至福を感じている。鍛冶屋を持続可能にするには、何よりも楽しみを優先した方が良いと考えた私は、上達を実感出来る作業は楽しいと考え、優先して取り入れて来た。お蔭で、スタッフは楽しんで仕事をするから上達し、益々喜んで益々上達するのだ。
2019/01/21 身体が弱くて体調を崩しやすいので、人混みには行かない。お蔭で風邪をひかず、インフルエンザにもかからない。身体が小さく力もないので、出来るだけ力を使わずにやれる方法を考えている。お蔭で、毎日元気に仕事が出来る。弱い私は弱いなりの生き方を知っているから、他人と比べて悩むことが少ない。
2019/01/20 玄能鍛冶は儲からないが、やらずにいられないのだ。儲かるからと嫌な仕事を我慢してやるくらいなら、たとえ儲けが少なくとも大好きなことに打ち込み、心穏やかに暮らしたいと考えているからだ。そして、そんな鍛冶屋の我儘を許してくれる人達が21世紀にも居る事に驚くと共に、感謝してやまないのだ。
2019/01/19 大好きな人が亡くなった。競争で浮つく産地に居てさえ、皆で豊かに成る為に分かち合い活かし合い、相乗効果で良いモノを生み出そうと言ってくれた。良いモノを作る事で貢献して信頼され、自らは売り込まずとも、口コミと紹介で仕事が成り立っていた。大先輩では有ったが、心強い戦友の様な存在だった。
2019/01/18 知人のI君は自動車で時速30キロしか出さない。彼には持病が有り、運転に慎重なのだ。知らない人は腹を立てるが、私は事情が分かるので腹を立てない。仮に事情は分からなくても、事情が有るのだろうと想像出来れば、腹は立たない。起きている事が同じでも、受け取り方で感情は如何様にも制御出来る。
2019/01/17

映画「アバター」では、惑星パンドラの動植物が「エイワ」のネットワークで繋がり繁栄していた。地球も同じなのだ。役割を自覚し領分をわきまえ正直に生きると、ネットワークの信用を得て、相乗効果という豊かさを受け取る。欲張りな嘘つきはネットワークに信用されず、全て自分でやる破目に成るのだ。

2019/01/16 安月給で良いと言って働き始めた彼は、真面目に淡々と玄能作りに励んでいる。それで上手く成らない訳は無く、周りは期待し、彼は喜んでいる。落ち着いた環境で大好きなモノ作りに取り組める事を、彼は幸せだと言う。人生をいじくり回す事無く、素直に大好きな事に取り組めるのは、素敵な素質だと思う。
2019/01/15 信用の有無が人生を決める時代が来た!正直者が大好きな事に使命感を持って取り組めば、皆が信用し、支援してくれるだろう。欲張って他人の物にまで手を伸ばす嘘つきは、一時的に得しても、信用を失い孤立していくだろう。ネットにより情報のスピードが増し、見え難かったモノが詳らかに成ったお蔭だ。
2019/01/14 評判の良い道具は丁寧に扱われ良い仕事が成されるので、益々評判に成る。評判の悪い道具は、たとえ良く出来ていても、乱暴に扱われぞんざいな仕事が成されるので、益々評判を落とす。評判を上げるには良いモノを作るだけでは足りず、信用が必要に成るのだ。だから、腕と共に品格を磨けと師匠は言った。
2019/01/13 長距離走と短距離走では、選手の鍛え方が異なる。同様にモノ作りにおいても、求められる技能は異なり、鍛え方も異なる。そもそも専門家に成るというのは、大きく偏っていくということ。あれもこれも出来る事で、技能が相殺される事さえ有るのだ。私の尊敬し憧れる人には、卓越して輝く偏った人が多い。
2019/01/12 先ずは好きで得意で際立てそうな事に徹底的に取り組み、卓越出来るまでやりきり、上達のコツを掴むのだ。すると、他分野に挑戦しても上達は容易に成るので、苦手の克服も容易に成るだろう。だが、そもそも得意で際立てれば、あれもこれも出来る必要が無い事に気付き、苦手の克服に興味はなく成る筈だ。
2019/01/11 今でこそ苦手や嫌いはやらないと決めている私だが、他人に誘われるままに、進んで苦手や嫌いに取り組んだ時期も有る。自分の適性を知る為に、35歳までと決めて挑戦したのだ。そして、35歳でその殆どを止めてしまった。何故なら、克服出来た苦手や嫌いも多いが、失う物の方が遥かに多かったからだ。
2019/01/10 作るのは得意だが売るのは苦手なので、売るのは得意な人に任せている。だが、任せるのも容易ではない。自分に魅力が無いと、引き受けてくれないのだ。だから、魅力を増す為にも、得意を極める必要が有る。任せる事で得意を活かし合えば、互いに魅力は高まる筈。故に、苦手はやらないと決めているのだ。
2019/01/09 修正の要らない作業を目指している。失敗したら直せば良いと考えていたら、本当に良いモノは出来ないと思うからだ。腹を立てない様にしている。腹が立ったら我慢すれば良いと考えていたら、本当の穏やかさは得られないと思うからだ。どちらも、起きている事の責任を自分で取る気になれば、可能な筈だ。
2019/01/08 人を雇ってから2年余り経つが、怒った事が一度もない。私が寛容な訳ではなく、彼が怒らせてくれないのだ。彼は失敗を良くするが、言い訳をせずに素直に謝り改める。私はそれが分かっているから、怒らずに済むのだろう。短気で意地っ張りな性格の私は、此方が毎日教えられて居る様で、恥ずかしく成る。
2019/01/07 仕事に好き嫌いは関係ないと言う人が居た。その仕事が嫌いであろうが、売りが立てば良いと言う。だが、嫌いな仕事を嫌々やる経営者の下で働きたいと思う人は少ないだろう。人を採用し組織化を考えるなら、楽しく仕事をする姿を見せた方が良い筈だ。其れが出来ないなら、給料と休日数を増やすしかない。
2019/01/06 仕事が面白いと言っても信じる人は少ない。興味深い鍛冶仕事で世の中に貢献できるのだから、面白くない訳がない。その上スタッフが真剣に取り組んでいる姿を見れば、其の魅力を再認識できる。だが、この喜びは理解され難い。儲けの多寡でしか豊かさは測れないと、誰かの都合で信じ込まされているから。
2019/01/05 鍛冶屋を馬鹿にする人が居るが、全然気にならない。鍛冶屋など変人にしか務まらないなんて言われたら、自分の異才を認められた様で嬉しくなる。貴方は普通だなんて言われたら、代えの利く凡人と言われた様で哀しくなる。そもそも、独自の可能性を信じ能力を磨き続けていれば、誰だって変人に成るのさ。
2019/01/04 作品を目の前に提示して説明してさえ、正確に見てくれる人は稀だ。目が利かないから、良し悪しの判別が出来ないのだ。だが、分ってもらうのは容易ではない。そんな時には、周りに対して影響力の強い目利きに認めてもらい、自分に信用を付ければ良い。先ずは、そんな人に見つけてもらう必要が有るのだ。
2019/01/03 ウッディ・アレンは「目立てば8割成功」と言ったらしいが、「成功」の定義により、目立たせ方は大きく違ってくる。また、「目立つ」の定義を明確にしないと、悪目立ちする恐れが有る。更には、「目立つ相手」の定義を明確にしないと、空回りしてしまう。定義付けを疎かにすると、迷子に成ってしまう。
2019/01/02 給料や休日数が多い方が採用は楽に成ると言うが、その考え方は既にレッドオーシャン。採用前から給料や休日数で競争して、それを続けられるのか?そもそも成熟した日本では、今後大きな成長が見込めないから、給料や休日数を増やし続ける事は困難だ。それ以外の魅力で引き付けないと続けられない筈だ。
2019/01/01 新しい事に挑戦する為、今迄にやって来た事の多くを後進に譲ろうと思う。残り時間の少ない人生を有意義に過ごしたいからだ。そこで今年はもう一人採用するつもりだ。モノ作りに秘められた魅力を発信し続け、給料や休日数が少ない鍛冶屋は人を採用出来ないという誤解を、軽やかに解きたいと思っている。
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玄能日記 私のどうでもいい日記です。
お暇な方だけどうぞ。(笑)