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相豊ハンマー
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玄能日記
日々感じる事を思いのままに書き連ねてみます。
2023/12/31 熱狂させるとか映えさせるとか、そんな浮ついた行為に執着するのは自立できていない証ではないか。誰かの反応に反応しているだけで自らを見失っている様に思えてならないのだ。他人がどうであれ自らがやりたい事に腰を据えて取り組める事が自立。他人の目を気にせずに穏やかな気持ちで毎日を送りたい。
2023/12/30 心配は無駄と考え生きてきたからストレスが溜まらない。そんな私は病気なのかもしれない。だが身体に危害が加わるならそんな風には思えない筈だ。だから日本はとても平和なのだろう。所で世界に目を向ければ悲惨な状況が続いている。日本は其の犠牲の上に成り立っているとも言えるのだ。深く考えたい。
2023/12/29 金持ち父さん貧乏父さんが持て囃された時は落胆した。経済合理性だけで動く人が多い事に愕然としたのだ。その世界観では強者は弱者を踏み台にする事を厭わない。だが弱者が更に弱体化すれば踏み台にさえできなくなるのだ。左様に貧富の差を容認する社会は滅びてしまう。勝ち組を気取る馬鹿が多すぎる。
2023/12/28 機械化マニュアル化が普通になった。現場では替えの利く人材が育ち管理職はAIに取って代わられる。品質は一定に成るが平均的なものしか出来ない。感性の劣化と共に品質を落としつつ存在を希薄にしていく。即ち其の事業所自体が替えの利く存在に成っていくのだ。普通の事をやれば普通になるのが当然だ。
2023/12/27 身に付けた知識に囚われ動けなくなる人が居る。其れは身に付けた知識量が半端だから。溢れる程に身に付けたなら些細な知識に囚われる暇はなくなる。だがそこ迄の道程で囚われ不安定に成ってしまうのだ。しかし歯を食いしばり勉強を続けるしかない。囚われの谷を越えてしまえば軽やかに成れる筈だから。
2023/12/26 学びを得ようとする場合に其のまま取り入れても上手く行かない。具体的な事例は抽象化して自らに適切な形に変換しなくてはいけないのだ。即ち抽象化能力を高めれば何からでも学べる様に成るということ。同じ場に身を置いても他人より多くの学びを得られるということだ。頭が良いとはそういう事だろう。
2023/12/25 簡単に成功する方法を説く人が居る。だが本丸を落とすには数多な失敗で外堀を埋めた方が良い。すると本丸への確かな道筋が見えて来る。そして其の道筋は貴方に見えるが他人には絶対に見えないのだ。左様に簡単に出来る成功なら他人も簡単に真似できる。しかし数多な失敗を経た成功は真似され難いのだ。
2023/12/24 救世主が現れて一発逆転してくれるなんて事は有り得ない。自らに出来る事を淡々と続ける事でしか前に進めないのだ。だが薄々気づいても其れを認めたくない人は多い。慰めてくれる人を求めてネットを彷徨ってしまうのだ。お陰で今やネットは慰める人で溢れてしまった。新たな宗教の出現を見ている様だ。
2023/12/23 貴方は悪くない、悪いのは周りだ。なんて説く人を散見する。だが殆どの場合に誰も悪くない。捉え方を欺いているのだ。例えば鍛冶仕事では頻繁に壁にぶつかる。材料や燃料が悪いと言って逃げていては少しの進化も訪れない。自らのやり方を疑い精度を上げ続けるだけで良いのだ。其処に善悪は介在しない。
2023/12/22 小学生の頃は遊び惚けていた。中学生に成り勉強に興味が出始めたが全く理解できなかった。小学校の教科書で勉強し直し中学2年生の頃に漸く周りに追いついた。すると後は楽なものだった。今でも当時の感覚をよく覚えている。脳ミソが煮えたぎる様な苦しいけれどワクワクする感覚。今でも大好きな感覚。
2023/12/21 先生は間違えない様に正しいやり方を教えると言った。だが教えれば直ぐに出来るが何時までも教え続けなくてはならない。片や教えなければ直ぐには出来ないが自らやり方を編み出せる様になる。左様に生徒に望む在り方により指導の仕方は変わる訳だ。因みに師匠は私の自立を願い教えようとはしなかった。
2023/12/20 知識を得るだけを目的とする勉強は馬鹿に成る。積み上げた知識に囚われ新たな見方が出来なくなるからだ。だが閃きに出会う手段としてひとまず知識を得る勉強なら馬鹿に成らない。新たな閃きに出会えれば身に付けた知識は要らなくなるからだ。即ち知識を軽やかに捨て続けられる勉強なら馬鹿に成らない。
2023/12/19 勉強しすぎると馬鹿に成ると説く人は恐らく勉強しすぎた経験のある人だ。だが途中で気が付き馬鹿に成らずに済んだのだろう。即ち遠回りをしたが戻ってこられた人達という事だ。左様になんでもそうだがやってみないことには判断できない。こりゃ駄目だと思った時に軽やかに戻ってくることが大切なのだ。
2023/12/18 勉強は好きだったが学校は大嫌いだった。たまにサボったが我慢して通っていた。以前ならあの我慢は無意味だったと思っただろう。だが学校で受けた洗脳から抜け出す経験は私を成長させてくれたと思う。即ち余計なものを身に付け其れを剥ぎ取る作業は再生の物語。軽やかに繰り返せれば成長を促せそうだ。
2023/12/17 もの創りは分り易い。出来たものを見てもらえば良いだけだから。目利きならば出来たものの良否だけでなく作者の人柄も推測してくれる。敢えて言葉で語る必要は無い訳だ。だが其れはとても怖い事でもある。全て見透かされているという事だ。故に師匠は厳しく諭してくれた。腕を磨くと共に品格を磨けと。
2023/12/16 抽象的な問いに対して具体的に答える人が居る。多くの場合に会話はかみ合わずにうやむやに成ってしまう。所で一緒にいて楽しい人ってどんな人だろう?きっと話が合う人だろう。其れは同じ話題を共有できる人ってこと?恐らく抽象化能力の近い人なのではないかな。ならば小気味よく会話は弾む筈だから。
2023/12/15 教えられて直ぐに分かる様な事は大したことがない。そもそも教えられる様な事が大した事ではないのだ。即ち本当に大切な事は教えられない。唯一の答えが無いから教えようがないのだ。故に大切な事は寄り添って感じ取らせるしかない。同じ環境に身を置いて注意深く丁寧に背中を見せてやるしかないのだ。
2023/12/14 どんなに難しい事でも平易な言葉で教えられたら理解できると思っている人が居る。だが其れは大きな勘違い。難しい事を理解するには難しいまま理解しなくてはいけないのだ。そもそも本当に難しい事を理解しようと臨む人にとってはそんな事は当たり前。半端者に限って分かり易く教えろなどとぬかすのだ。
2023/12/13 テレビ番組で金槌がクイズの景品にされていた。当選者は落胆の声を上げ其れを皆が笑って見ていた。屈辱的だがそんなものだろうと留飲を下げた。左様に金槌は価値の低いものと認識されている。お陰で製作に携わる人も残り僅かと成ってしまった。だが価値を低めた責任は我々生産者に有るに違いないのだ。
2023/12/12 文化を支える職人の使う手道具が手に入らない。其れを作る職人が減り続けているからだ。現役の職人が手分けをして作らないと文化は途絶えてしまう。だが協力者は少ない。先日も他の鍛冶屋に協力を仰いだが断られた。忙しくてできないと言うのだ。だが暇になってから始めても互いに手遅れに成るのにね。
2023/12/11 私の玄能創りは殆ど我流。創り方を自ら編み出す様に師匠に指導されたからだ。所で我流は変な癖が付くから良くないと言われる。だが半端な先生に付いた方が遥かに変な癖を押し付けられる。ならばやり方を自ら編み出し我流で始めた方が良いではないか。其の上で成果を目利きに評価してもらえば良いのだ。
2023/12/10 私の玄能創りは殆ど独学。師匠から創り方を教わっていない。見てもらい評価してもらう事を繰り返しただけ。故に他人よりも大きく遠回りして多くの失敗を経験できた訳だ。お陰で正解の導き方を自ら編み出せる様になり遠回りも解消できた。左様に独学は遠回りだが失敗からの学びが予想外に鍛えてくれる。
2023/12/09 ましに成り始めたと思えたのが数年前。其れ迄は自らの下手糞さに嫌気がさしていた。今でも下手だが糞ではなくなった気がする。所で先日弟子が「出来ていると思っていた事が間違いだったと気が付いた」と言った。左様に上達とは自ら間違いに気付き微調整し続ける事。其れは教えて出来る様には成らない。
2023/12/08 趣味の稽古なら上達の喜びは格別だ。だが鍛冶の修行での上達は喜びでもあり苦しみでもある。上手く成るほどに自らの下手糞さを痛感させられるからだ。上には上が居る事に気づき道程が遥か彼方に続いている事も分かる。だが其の時が来たなら腹を据える好機だ。殆どの人は其処まで辿り着けないのだから。
2023/12/07 毛が少なければ植毛し多過ぎれば脱毛する。痩せていれば筋トレし太っていればダイエットする。左様に人は面白い。だが足りないものを求める限り終わりは来ない。一つ達成されれば更に足りないものが気に成るからだ。ならば自らの有りの侭を活かしたい。すると今迄の苦労を馬鹿らしく感じ始めるだろう。
2023/12/06 美しいものは心を癒す。ルッキズムは論外だが美しいものを美しいと認める心を肯定したい。但し美しさが内面から醸し出される場合に限るのだ。鍛冶屋の創る手道具も同様に品質の高いものは姿かたちが美しい。良く考えて高精度に創ると自然と格好良くなるのだ。だが其れが出来ない人が飾り立ててしまう。
2023/12/05 見た目の美しさや清潔感を強要される社会に成った。ホワイト化社会と言うらしい。筋トレや脱毛ブームがその表れだろう。だが見た目だけを優先して滅びた人達を多く目にしてきた。中身の伴わない化けの皮は何時か剥がされてしまうのだ。やるべき事を滞りなく進めて現れる自然な姿こそ私は美しいと思う。
2023/12/04 映えさせたり熱狂させたりする程に本質から離れていく。品質よりも飾りたてる事に資源が無駄遣いされていくのだ。其のうち使命さえ忘れ去られて金儲けだけの活動に落ちてしまう。だから飽きられてしまうのだ。ならば今こそ原点に立ち返ろう。虚飾を廃して裸に成ろう。そして品質を磨き上げ続けるのだ。
2023/12/03 高校生の頃に安価で良さそうに見える外国製の作業工具が販売され始めた。バイクいじりの好きな私は勇んで購入し使ってみた。所が直ぐにまがい物だと気が付いた。左様に使えば子供にも良否は判断できるものだ。所が今は良さそうなだけで売れ続けるものも多い。人が身体感覚から遠ざかっている証だろう。
2023/12/02 断られたが説得して訪問した。課題を持ち帰り形にして見てもらう事を半年ほど続けた。其の辛抱強さを認められ弟子にして貰えた。そして師匠は最後まで面倒を見てくれると言った。馬の骨の私を信用してくれた事を不思議に思った。振り返れば奇跡の様だ。長谷川幸三郎師匠が亡くなられ今年で20年経つ。
/2023/12/01 長谷川幸三郎師匠の下に通い始めて2年で卒業させられた。後は売りながら腕を磨けという訳だ。所で師匠は密かに私をお客に紹介してくれていた。お客も私の下手糞な玄能を辛抱強く買い支えてくれていた。お陰で玄能創りに専念できた。左様に私は幸運過ぎる。弟子を育成しない訳にはいかないではないか。
2023/11/30 繊細な身体感覚を伴う玄能創りをAIは代替できない。例えば私の作業をAIで解析するには時間と費用が掛かり過ぎる。例え解析しても其の通りに誰が作業をするのか?私と同様の身体感覚を備えたロボットを作るというのか?そもそもAIは賢く成るにつれ玄能創りを非効率な仕事と判断して止めてしまうだろう。
2023/11/29 微調整を繰り返しながら完成に辿り着くのが私の精一杯。微調整などせずに完成させたいが下手糞だから其れが出来ない。だがどんな達人でも微調整は必要だという。しかしぶれは僅かで微調整の質は圧倒的なのだ。そしてそんな風に成りたいと思う私は幸運かもしれない。多くは現状で満足しているのだから。
2023/11/28 納得できないものは出荷しない。だが出荷したものに納得しているかといえば其れも違う。まだ進化の可能性が残されていると感じるからだ。所が生産者の中にはやり尽くしたと断言する人が居る。だが全く足りない様に見える事の方が多いのだ。世の中に完成されたものは一つも無い。その前提で見直したい。
2023/11/27 玄能には木柄を仕込む穴が明けられている。この穴にも多くの法則が隠されている。例えば穴の形状。丸でも長丸でも正方形でもない長方形である事が大切。そして其の長方形の縦と横の比率と大きさは特に重要。また直線的に貫通しているのではなく緻密な工夫を施してある。単純に見えてとても複雑なのだ。
2023/11/26 玄能創りには矛盾の解決が付きまとう。的を外さず打つ為に打面を広く創れば丈が短く成り効き難く成る。効かせる為に丈を長く創れば打面は狭く成り的を外しやすくなる。そんな矛盾の解決の為に工夫を凝らさねばならないのだ。左様に完成され尽くして見えるものであれ進化の可能性は充分に残されている。
2023/11/25 鋭い人は悪事を働けないだろう。人の気持ちを察することが出来るからだ。また鋭い人は悪事を働く人を厳しく責めたりもできないだろう。全体の調和を乱す気配に気付いているからだ。左様に鋭い人は荒立てずに淡々と生きている様に思う。そして解らせるのではなく気付かせる様に心掛けている様に感じる。
2023/11/24 世に蔓延るまがい物の正体を暴くのは難しい。其れで経済が回っているなら遥かに難しくなる。我々に出来る事は其処から離れて自らの力を充分に蓄える事。正しいと信じる事を淡々と続けて結果を出し、其れを発信しながら同志を集めるしかない。目立たず準備を積み重ね、機を見て逆転を図るしかないのだ。
2023/11/23 明らかな間違いも世間に広まれば常識に成る。其の後その常識を基に社会が作られ堅固な利権が発生する。すると正直な事を言うことさえ儘成らなくなるのだ。左様に現代はそんな状態で息が詰まる様だ。だが自らの信じる事を淡々と続けて結果を出し、其れを発信し続ける事くらいは誰にでも出来る筈なのだ。
2023/11/22 直に商品を宣伝して売れるのは有名処だけ。私の様な馬の骨は自らの世界観を表現する必要があるのだ。先ずは見つけてもらう為の違和感と深く知ってもらう為の興味深いコンテンツを準備する。そして深く学んでもらい商品の特性に気付いてもらうのだ。その動線の創り方如何で明暗が分かれると言っていい。
2023/11/21 2番弟子は鍛冶後継者育成事業の補助金を受けて育成してきた。補助期間は3年間でそれ以降も継続して雇う事、またあくまで後継者として育成する事を条件とされた。また被雇用者も3年以降も継続して勤め続ける事を約束させられた。厳しい条件だがとても有り難かった。3年あれば出来る事はとても多い。
2023/11/20 目標が明確ならばどんな道順を辿ろうと到達できる。そして費やした時間に比例した経験値が蓄積されている。即ち早い人は経験値が少なく遅い人は経験値が多い。ならば次なる目標に向かう際には遅かった経験値の多い人が有利になる。左様に遅速も均せば大差はないのだ。だから焦らず淡々と続ければ良い。
2023/11/19 作業工程は自ら編み出してきた。参考に出来るものが極めて少なかったからだ。故に上達に手間取ったと考えていた。だが弟子達は私の作業を目の当たりにしても上達は覚束ない。左様にどの様な道のりを経ようとも上達には時間が掛かるものなのだ。ならば簡単な上達法など無いと最初から腹を括るしかない。
2023/11/18 弟子の自信なさそうな姿を見ると安心する。その程度で自信を持たれては困るからだ。そもそも私だってまるで自信はない。やるべき事が残されていて死ぬまでにやり遂げられる気がしないからだ。だがそんな風に思える事を幸いだと思う。自らの課題が見えている証だから。弟子も同様に気付いているだろう。
2023/11/17 美味しいご飯が美味しそうに見えるのは過去の経験が生み出したもの。食べてみて美味しかったからそう見えるご飯を美味しそうと感じるのだ。所が現代は美味しそうに見える不味いご飯が氾濫している。それは美味しいご飯を創ろうとせずに美味しそうに見えるご飯を作る事に必死だから。誠に馬鹿馬鹿しい。
2023/11/16 上達するだけでは全く足りない。周りから可愛がられなくてはいけないのだ。そもそも可愛がられなくては上等な仕事に巡り会えない。即ち真の上達の機会を失う事に成るのだ。可愛がられる方法は人其々だろう。だが最低限のやるべき事は役に立ち儲けてもらい喜んでもらう事。この循環が商売を安定させる。
2023/11/15 無償でお客の手伝いをしてきた。貴重な話を聞けるから無償で全く構わない。其れを相手も分かっているから互いにとても気持ち良い。そんな信頼関係で仕事が出来る事をとても尊いと思う。所で人はうっかりすると目先の損得で動いてしまう。だが本当の得はお金で買えない得だろう。即ち其れが信頼関係だ。
2023/11/14 続けるには稼げなくてはいけない。次世代に受け渡すには更に稼げなくてはいけないのだ。例え頑張っている姿を見せた所で稼げない。確かな結果を残す事で稼げる様になるのだ。ならば上達するしかないだろう。そして稼いで生き残る。その後は更に稼いで次世代に受け渡す。其の循環を上手く生み出したい。
2023/11/13 良いものを創れば同業者に迷惑を掛ける上に貧乏を免れない。給料を払いながら弟子を育成する事は絶対に出来ない。親方が優秀過ぎれば弟子は必ず挫折してしまう。値上げをすれば3割のお客が離れていく。など、周りからは有難い助言を頂いてきた。だがそんな助言をしているから業界は滅びつつあるのだ。
2023/11/12 思い掛けない質問や意見を受けた時には腰が引ける。だが気を取り直して内に有るものを総動員して最善の答えを探る。そして導き出した答えを素直に相手に差し出す。すると相手が思い掛けない暗示をくれる事が有るのだ。其れは相手も自分も一寸だけ成長できた証。人は一寸だけを繰り返して成長していく。
2023/11/11 見えそうで見えないモヤモヤを大切にしたい。其処には自らを一段高い所に引き上げてくれる宝が有る。故に先送りせずに手掛けたい。其れが感性を磨く事に成るのだ。所が今の感覚を全てと考える人は多い。其れはモヤモヤを大切にさせられなかったから。都合のいい適当な答えを与え続けられてきたからだ。
2023/11/10 少しだけ習った後に一人で始めるのが良い。自らの内に有るものを総動員し黙々と取り組むのだ。所が習い続けてしまう人が居る。すると余計な知識が自らに備わるものを侵食し始める。即ち資質を殺し始めてしまうのだ。既に全ては自らの内に準備されている。其れを目覚めさせる為に一寸だけ習うのが良い。
2023/11/09 世界で最初に磨製石器を磨き始めた人は他人から学んで始めた訳ではない。自ら編み出して始めたのだ。これ程画期的でなくても編み出す力が有るなら人生は楽しいだろう。指図されなくても自由に始められるのだから。だが学校では自由に編み出す事は許されない。だから校外でのびのびと身に付ければ良い。
2023/11/08 6万年前にアフリカを出て日本に辿り着いた現生人類は打製石器を作り使用していた。所が他地域に2万年先駆け3万8千年前に其れを磨き始めた人が居た。再現するのも難しい筈の石器に斬新な技術を導入した訳だ。そんな天才の感性を受け継いだ子孫が私達なのだ。なんて聞くと何か出来そうな気がしない?
2023/11/07 子供の頃は地元が繁華街だった。エロ映画館や居酒屋、キャバレー、ピンサロ、ノーパン喫茶が林立していた。深夜まで酔っ払いが騒いでいて賑やかだった。所で先日のこと河川敷で昼間に音楽祭が行われた。悪天候により途中で中止には成ったが大音響に苦情が殺到したという。寛容さや大雑把さが懐かしい。
2023/11/06 17歳の時に原チャの自走で競技会に参加した事がある。三国峠を越え6時間程かけ群馬県の競技場近くに到着。穂高キャンプ場で一夜を過ごし翌日現場に向かった。1日目は練習会で翌日が本番。入賞は出来なかったが特別賞でヘルメットを貰いもう一泊して帰路に就いた。超楽しい3泊4日の一人旅だった。
2023/11/05 独立すると言った時には苦労するから止めておけと言われ、世に無い商品を創り出すと言ったら無理だと言われた。鍛冶屋に成ると言ったら年を取り過ぎていると言われ、弟子を受入れると言った時には絶対に失敗すると言われた。左様に一般的には私は狂人なのだ。だが自分では単に面白い人だと思っている。
2023/11/04 近所の川に鮭が上り始めた。捕獲場に幼い倅を連れて行った昔の事を思い出した。捕獲した鮭を漁師が倅の足元に投げてよこしたのだ。すると倅は家で飼いたいと駄々をこねた。風呂で飼うというのだが説得して諦めさせた。左様に子供はとんでもない事を言い始める。だが其処から気付きを得る事も多かった。
2023/11/03 青年団体で凄い人に話を聞く例会を設けた事がある。各会員が凄いと思う人を毎月招待して話を聞くのだ。すると招待された人の凄さ加減で招待した会員の成熟度が分かってしまう。左様に人は成熟するに連れて憧れの対象が移り変わるのだ。但し自らが成熟しても奥さんを凄いと思い続ける努力は欠かせない。
2023/11/02 得る事よりも与える事の方が楽しい事に気付いてもらいたい。例えば美味しいご飯を食べるよりも美味しいご飯を創る方が楽しい。更には其のご飯を他人に提供できたならもっと楽しいという事だ。加えてそれで喜んでもらえたなら至福極まりないだろう。多くの人が実行に移したなら世界は大きく変わる筈だ。
2023/11/01 本当に凄いと思う人は人間性も優れていると言ったら否定された。彼が本当に凄いと思う人はとても性格が悪いというのだ。所で本当に凄いと思える人に出会えば人は無意識に真似てしまう。ならば彼は性格の悪さも真似てしまうことだろう。左様に本当に凄いと思う憧れの対象は自らの将来の姿を表している。
2023/10/31 よく効く玄能には法則が有る。例えば全体の縦横比と形状が適正である事。全体に捻じれや曲がりが無い事。ヒツ穴の大きさと形状が適正かつ捻じれや曲がりなく中心に正確に穿たれている事など。だが法則に則り創られた玄能は極めて少ない。即ち其れこそが玄能に関する世間の常識の殆どが正しくない証だ。
2023/10/30 玄能を創る為に玄能の事を多くの人に聞いて回った事がある。得られた知識を基にして創ってみたら程々に売れたのだ。だが明らかに何かが間違っている気がしていた。暫くして師匠に出会い学び直した。すると其れ迄に得た知識の殆どが間違っていた事に気づいたのだ。世間の常識など如何にいい加減な事か。
2023/10/29 思考を内側から始める人は自らの理想を基に社会に適応する人。その思考は集中から始まり周りに惑わされる事が少ない少数派だ。一方で思考を外側から始める人は社会の理想に自らを適応させる人。その思考は選択から始まり周りを気にしてしまう多数派だ。両者共に社会に不可欠だが少数派は認められ難い。
2023/10/28 スポーツが苦手で一切やらないし観戦すら出来ない。ルールが不自由すぎて耐えられないのだ。だが不自由の中で知恵を絞る事に喜びを感じられる人がスポーツ好きなのだろう。左様に殆どの人はルールが有る事に安心できるのだ。この感覚を分かってくれる人は少ない。しかし鍛冶仕事には向いていると思う。
2023/10/27 かつてカリスマ美容師ブームが起きて美容師志望の若者が急増した。だが満足に仕事の出来ないカリスマが話題にも成りブームは速やかに収束した。その煽りを食ったのか床屋の廃業は後を絶たない。左様に華やかさに目を奪われ本当に必要とされるものは蔑ろにされる。人は同じ轍を何度でも踏み続けている。
2023/10/26 熟練職人が設備導入で品質を維持しつつ生産量を増やしたのが昭和。手作業を覚える気の無い跡継ぎが熟練職人に依存しきったのが平成。熟練職人の退職が進み未熟な跡継ぎが残ったのが令和。そして其の跡継ぎは人を採用しても既に教える事が出来ない。全て予定通りに事は運び業界は終焉へと向かっていく。
2023/10/25 経済が行き詰ると戦争と医療で儲ける人間が現れる事は分っていた。だがこれ程まで露骨に進行すると思っていなかった。そして其れを止める力が働いていない事にも驚かされる。左様に一寸先は闇である事を痛感させられるのだ。そしてその矢先に商品が事故で燃え尽きた訳だ。全ての歯車が狂い始めている。
2023/10/24 2か月掛けて創った玄能が郵便局の集配車と共に全て燃えてしまった。お客様に迷惑を掛けたが私が元気なうちは創り直す事が出来る。納期は遅れるが勘弁してもらいたいとお願いさせてもらった。左様に世の中の一寸先は闇だ。いちいち狼狽えずに覚悟を決め穏やかに生きたい。だが一寸だけ狼狽えちゃった。
2023/10/23 ワクチン後遺症の目眩と吐き気が落ち着いた後も倦怠感が続いた。身体中に力が入らず5歳は老けたと感じ引退が早まった事を悟った。これを創るのは最後に成るかもしれない覚悟で毎日仕事を続けた。お陰で肝が据わりとても穏やかに仕事が出来る様になった。人生の一寸先は闇と知り毎日を大切に生きたい。
2023/10/22 後継者の育成には経費が掛かる。先ずは親方が充分に稼げなくてはいけない。だが其れでも全然足りない事の方が多い。故に後継者の育成には周りの協力が必要になる。一寸位の損は覚悟で支援して頂きたい。後継者が育てば支援した人が最初に報われる筈なのだ。幸運にも私はそんな風にして育てられてきた。
2023/10/21 鍛冶仕事は筋力に頼っても上達できない。それ処か身体を痛めてしまうだけ。あくまで身体操作の改善で作業しなくてはならないのだ。過去の工人なら誰でも気づいた当たり前の事。其れはあらゆる運動に言える事だ。其れなのに今は筋力に依存する人が後を絶たない。そして益々感性を鈍くさせてしまうのだ。
2023/10/20 自らは人育てを放棄しておきながら優秀な人材が居ないと嘆く人は多い。もしも優秀な人材を採用できたならば其れは誰かが育てた人なのだ。ならば自らも人を育てて社会に恩返ししたいと思わないだろうか?きっと思わないのだろう。故に日本は鈍くて未熟な人間で溢れてしまった。人育てを放棄した報いだ。
2023/10/19 教えられて出来る事で満足する人が多過ぎる。其の満足は入口にすら辿り着いていない。入口は自ら探り出すしかないのだ。所が何時までも教えてもらおうとする人は多い。故にそんな甘ちゃんを食い物にする商売が流行る訳だ。だが真に育てようとする人は教えない。少し距離を置いて感じさせてくれるだけ。
2023/10/18 渋滞に巻き込まれて文句を言うのは筋違い。貴方も渋滞の一部なのだ。同様に業界に後継者が居ない事や景気が悪い事も貴方が原因の一部の筈だ。其れなのに他人事の様に文句を言い続けるのだ。業界に後継者が居ないならば自ら一肌脱げばいい。身銭を切る覚悟で臨まない限り永遠に後継者は育たないだろう。
2023/10/17 鍛冶屋を始めた時に他の鍛冶屋から設備投資を勧められた。冶金学を頼りに機械化を進めないとやっていけないと言うのだ。だが機械化は職人の勘を鈍らせ品質を劣化させる事を知っていた私は手作りに拘った。お陰で丁度良い塩梅で仕事を続けられている。もしも機械化を進めたなら倒産していたに違いない。
2023/10/16 新たな事に挑戦し始めれば多くの人が止めに入る。そして失敗すれば「だから言っただろう」と非難し、成功すれば「やれると思った」なんて調子の良い事をぬかすのだ。左様に単に止める人は有象無象に過ぎない。だが彼等の忠告で分かる事がある。彼等が執拗に止める事ほどブルーオーシャンだという事が。
2023/10/15 モンベル会長の辰野勇氏の言葉が新聞に掲載されていた。「若者に失敗を恐れずにトライしろと言うのに頑張ってぎりぎりで失敗したら袋叩き。挑戦を応援する社会に変えていこう。」と。同様な言葉を唱える経営者は多いが実践される事は少ない。モンベルの商品が永く愛されるのは実践されている証だろう。
2023/10/14 どれくらい歩けるのか。どれくらい走り続けたら倒れるのか。貴方は試した事があるだろうか?私は試してみて想像以上に歩けるし走ることも出来て驚いた。其れで分かったのは私が限界の遥か手前で止めていたという事。初めから出来ないと考えてやらずにいたのだ。些細な事でもやり切れば気付く事は多い。
2023/10/13 ダイエットや筋トレで異性にもてると思ったら大間違い。もてなかった時の彼の落胆を想えば同情を禁じ得ない。左様に関連の低いものを結び付け勝手に期待を膨らませる人は多いのだ。其れは好奇心を失い想像力を鈍くさせてしまったから。好奇心のままにやり遂げた経験が無いから結末を想像できないのだ。
2023/10/12 取り敢えずビールならまだ良かった。取り敢えず進学して取り敢えず就職そして取り敢えず資格を取得する。更に取り敢えずワクチンを打ち取り敢えず筋トレを始めるのだ。左様に「取り敢えず」には好奇心の欠片もない。そんな好奇心の後回しが人を鈍くする。利用されるだけの扱い易い人間にされてしまう。
2023/10/11 大工道具の様な専門的な商品は広く宣伝する必要がない。不特定多数に知られる必要はないのだ。ましてや製作者が有名に成る必要など無い。知られるべきは商品の性能や品質そして作者の哲学だ。ならば必要とする人にだけ知ってもらう方法とは何か?新規顧客の開拓を控えて既存顧客を大切にする事なのだ。
2023/10/10 其れ迄と世界が違って見える事がある。ある閾値を超えた瞬間に其れは訪れる。だが見えていない人には理解してもらえない。言葉は通じなくなり孤立してしまう。しかし其れは好機だ。よく見えている人から貴方はよく見える様になり、見えていない人から貴方は見えなくなってしまう。この塩梅が丁度良い。
2023/10/09 「初心の人、二つの矢を持つことなかれ」と兼好法師は言った。一つに集中しろというのだ。所が失敗したらやり直せば良いと考えて失敗する人が居る。一方で一つに集中した上でも失敗する人は居る。だが前者は失敗を繰り返すが後者は失敗と無縁に成れる。即ち覚悟を決めるか否かで既に勝負はついている。
2023/10/08 未熟な頃には知識や教養を身に付ける必要がある。これから起きるであろう事に対応する能力を育む為だ。即ち予習であり参考に出来るものは多い。だが想定外の出来事に対する覚悟の決め方を身に付ける事はもっと大切なのだ。即ち予習できない事が起きた時の予習が其れであり自ら感じて編み出すしかない。
2023/10/07 天職なんてものがあると思っていなかった。資質を活かして他人の役に立ち飯が食えれば充分だと思っていた。だが世間は其れを天職と言うらしい。ならば天職とは仕事の事ではないのではないか?自らを活かし精一杯生きる事を指す概念ではないのか?すると相田浩樹を生き切る事が私の天職という事に成る。
2023/10/06 コップを被せられたノミは跳ねることを諦める。コップが取り去られても跳ねようとはしないのだ。同様に子供達は学校で跳ねることを諦める。資質を潰され好奇心をなくすからだ。そんな子供達に「自信を持て」なんて言った所で効果がある訳がない。あらゆる場合に真の問題は今ではなく其れより前に有る。
2023/10/05 「自信を持て、やる気を出せ、やれば出来る」なんて言われて出来たなら苦労はしない。有能な指導者ならそんな言葉を口にする筈がない。大切なのは自信ややる気がなくてもつい始めてしまう環境創り。好奇心をくすぐる仕掛けを施した場を創る事だ。即ち面白くやれる工夫を考える事が指導者の役目なのだ。
2023/10/04 自信は要らない。ルールに縛られているから自信が必要になる。そもそも自らルールを創れる人は自信を意識することがない。好奇心を頼りに自由に生きているからだ。だが多くの人は其れに気付かない様に洗脳されてしまった。中でも他人を鼓舞する人は一番洗脳されているのだ。即ち殆どの指導者がそうだ。
2023/10/03 世間はルールで雁字搦めにされている。多くの人は其れに気付かず生かされている。故にルールが変わる度に戸惑い怒り出すのだ。だが稀にルールの変化をものともしない人が居る。其れはルールを自ら創り出して生きている人。即ち本当に自立できている人だ。彼は何時も穏やかに居るから直ぐに分かる筈だ。
2023/10/02 人は真実よりも自らに都合の良い事を信じて広めようとする。故に解り易く軽薄な事が持て囃されてしまうのだ。だが解り難い先にこそ真実は有り本当の喜びは有る。だから苦労も気に成らない程に興味の持てる事をやれば良いのだ。但しその過程で必ず孤独を味わう事に成る。しかし孤独もまんざら悪くない。
2023/10/01 下駄を履いて散歩してみた。普段の運動靴なら腰や膝が痛くなる。故に屈伸運動などで調整が必要だが今回は痛く成らなかった。途中で暴風雨となり傘を持たない私はびしょ濡れに成った。だが気に成らずに安定して歩くことが出来たのだ。左様に一寸した変化で安上がりに面白い発見ができる。下駄は面白い。
2023/09/30 鍛冶屋の廃業が後を絶たなかった。だが包丁ブームで首の皮一枚で繋がることが出来た。しかしブームが続く訳がなく終われば焼野原。既に出鱈目な情報で溢れ返っているではないか。今のままでは包丁ブームの終わりが鍛冶屋の終焉。今度こそ覚悟を決め、本当の鍛冶文化の啓蒙と後進の育成をお願いしたい。
2023/09/29 製造業の廃業が後を絶たない。子供達は高学歴に成り肉体労働を敬遠してしまった。たとえ後を継いでも現場に入ろうとはしない。熟練職人は次々と定年退職して求人しても優秀な人は集まらない。当然ものは出来なくなり出来ても品質は劣化する。だが充分に予測できた筈ではないのか?何故準備しないのだ?
2023/09/28 師匠に出会い其れ迄の自分の仕事が安っぽく思えてならなかった。だが師匠は正当な玄能で飯が食える迄は既存の仕事も続ける様に諭してくれた。お陰で今の仕事に上手く切り替える事が出来たのだ。世の中には張り切り過ぎて背水の陣に身を置く人も多い。だが余裕がないと上手く行かない事の方が多いのだ。
2023/09/27 80匁の玄能を1日に10丁創れば飯が食える様になると師匠に言われた。其れから20年以上経つが未だその半分も出来ない。弟子達は更に私の半分も出来ない。だが飯が食えない訳ではない。弟子達に給料を払うことも出来る。即ちやり方次第で何とかなる訳だ。後は弟子達が成長するのをじっと待つだけ。
2023/09/26 師匠の長谷川幸三郎を知る人は少ない。地元でも知る人は稀だ。だが業界で知らない人は居ない。即ち知ってもらいたい人に確実に知られている訳だ。それは創られたもの自体が宣伝してくれていたから。高く評価され口コミと紹介で売れていたからだ。部外者に知られずに人気を維持できる人が本物だと思う。
2023/09/25 姿を晒すなと師匠は言った。工場に引き籠り泣いていろと言われた。だから人目を避けて修行を続けた。お陰で師匠の教えに集中できた。左様に未熟なうちは周りが兎角喧しい。雑音に混乱させられる事が多いのだ。故に未熟者は存在を隠しておくのが丁度良い。上達しつつ自ずと有名に成るのが丁度良いのだ。
2023/09/24 お天気お姉さんの後ろでピースするのもヤンキーが騒ぐのも無能な人間の目立つ為の手段。そもそも有能ならば其れで充分に目立つから敢えて目立つ必要は無い。所が世間には「目立つ」ことと「有能である」ことを関連付けられない人が居る。故に無能なのに目立てば人気が出ると勘違いする人が現れるのだ。
2023/09/23 何でもかんでもブームにして盛り上げようとする。興奮させて短期間に儲けようというのだ。お陰で有象無象が集まり永く続いた文化は食い物にされる。間違った知識が独り歩きして正しい人が非難され始めたりするのだ。そしてブームが去れば焼野原。先人が築き上げてきた文化の寿命を著しく縮めてしまう。
2023/09/22 手作業の少量生産を大量生産に切り替える様にお客に指示された事がある。大量生産は省力化と機械化を伴い設備をすれば誰にでも出来る品質に成り下がる。故にお断りして他所で作ってもらう事にした。其の後お客が他所で作り始めて直ぐに複数の他所に模倣され苦戦し始めた。自ら進んで寿命を縮めた訳だ。
2023/09/21 事業の寿命が短くなったと言われている。社会の変化が激し過ぎて永く続けられないと言うのだ。だが1日が24時間なのも飲食や睡眠が必要なのも変わらない。変わらないものは幾らでも有るのに永く続かない事を前提に性急な計画を立て続ける。即ち短くなったのではなく自ら進んで寿命を縮めているのだ。
2023/09/20 例えば鍛冶仕事の上達の為に筋トレをしている人がいるとする。間違いなく其の人とは話が噛み合わないと思う。だが身体操作を工夫している人がいるならば話は噛み合うと思う。左様に目の付け所の異なる人とは言葉が通じ難いのだ。其れは見えている世界が違うから。感じ取れる時間軸がずれているからだ。
2023/09/19 以前よりも楽に速く正確に仕事が出来る。ワクチン接種による体調不良から回復しつつある様だ。だが関節は痛むし筋力も完全には戻っていない。しかし自由に動けるのだ。体調が悪くても以前と変わらずに動ける様に身体操作を工夫してきた。お陰で体調が回復するにつれて以前よりも自由に成れたのだろう。
2023/09/18 上手い人と下手な人は目の付け所が違う。上手い人は全体から要点を洗い出し其処に集中する。試行錯誤を繰り返して執着する事がない。一方で下手な人は目立つ所から手を付け其処に執着する。同じ事を繰り返して自らを顧みる事がない。そして両者共に其れを自覚していない。両者の話は噛み合わない訳だ。
2023/09/17 一番の問題は親方がやって見せられない事。簡単にやって見せたなら弟子は出来そうに思う筈だ。所が見せられる親方や先輩は引退し続ける。其れなのに後継者が技能を身に付けないまま親方に成っているのだ。失われた30年とは親方にふさわしい後継者が失われた時代。これから数年で産業自体が失われる。
2023/09/16 仕事を洗練しろと言われて出来る人は少ない。其の意味さえ理解できない人は多いのだ。だから不必要な縞模様や槌目を刃物に入れてしまう。手垢塗れの外連が強い意匠を模倣してしまうのだ。やるべき事は性能を洗練させ続ける事。だが性能は外見に現れずやり方が分かり難い。だから感性を磨けというのだ。
2023/09/15 多くの人が普段の仕事を洗練し続けない。合格点と思った所で洗練を止めてしまうのだ。一方で特別な仕事には手間暇を掛けて洗練しようとする。だが普段の仕事が上手くないなら手間暇掛けても上手く出来る訳がない。大切なのは普段の仕事を洗練し続ける事。すると普段の仕事が特別な仕事に進化し始める。
2023/09/14 若い頃に通っていた後継者育成事業での出来事だ。講師は失敗したら直せばいいと言った。失敗した不良品を無駄にするなという訳だ。だが其の考え方こそが一番の無駄なのだ。上達するには徹底して失敗しない事を目指す必要がある。即ち小手先の方便は停滞を促すだけ。根本的な理論のみが上達を促すのだ。
2023/09/13 分かり易いやり方で始めればツケを払う事に成る。確実に行き詰り、やり直すにはマイナスからのスタートに成る。即ち身に付けた技能を手放す事から始めないといけないのだ。私も弟子入りの際に師匠に約束させられた。其れまで身に付けた技能は一旦忘れると。だが一度身に付けた癖は容易に取れないのだ。
2023/09/12 下手糞なうちは何となくやっても上手く成る。神様が下りてきた様に出来てしまう事もある。そして殆どの人は其れで満足してしまう。だが本当に上手く成る人は違う。目的を明確にしてやり方を編み出し、慎重に結果を取りにいく。しかし始める人は極めて稀な様だ。始めたなら頭一つ抜け出せるというのに。
2023/09/11 稀に下手糞な人が巧妙に宣伝して売れ始める事がある。其れを真似て同類の下手糞が同じ様な宣伝を始める。そんな様子が世間で繰り広げられる。だが当然長続きしない。そこで悪徳コンサルに引っ掛かれば高額な費用が掛かり続けるだろう。ならば上手く成るまで辛抱すれば良い。自然と売れる様になるから。
2023/09/10 整理された正確な情報はネット上に極めて稀だ。そもそも正確な情報を凡人は解釈できない。公開すれば誤解を招く事も多い。故にネットにはかみ砕かれた不正確な情報が溢れてしまった。例えば鍛冶に関わる検索をすれば不正確な情報が溢れ出す。真に受ければ良く出来たものを否定し始める事もあるだろう。
2023/09/09 師匠の仕事を映像で見れば比類なきように見える。身体操作が抜群に優れているからだ。そして出来たものも比類ない。即ち身体操作と製作物は一体なのだ。所が現代の多くの職人は其れを忘れてしまった。身体操作を練り上げる重要性を見逃しているのだ。故に未熟過ぎる姿を世間に晒しても恥じらいがない。
2023/09/08 手先の器用さだけで作る人は意匠に凝る。其れ自体が深く考えていない証だ。翻って深く考えて創る人は機能を追求する。だが其れが外見に現れるには年月が掛かる。故に人知れず創り続ける事に成るのだ。そして機能美が現れ始めたならば自然と名は売れ始める。手先が器用なだけの人は手も足も出なくなる。
2023/09/07 手先の器用さを活かして丁寧に作るだけなら其れは二流。良いものを探求して工程を見直し続けるなら一流が見えて来る。更に身体操作を練り上げ続けたなら一流は目前だ。但し最も大切なのは其れを人知れず行う事。未熟なうちに宣伝し始めたなら一流は遠のく。宣伝する程に有象無象が群がり始めるからだ。
2023/09/06 初見での驚きを求めてはいけない。付き合う程に少しずつ驚いてもらうのが理想なのだ。そもそも正当な魅力を初見では伝え難い。学んでもらいつつ少しずつ解ってもらえる様にするのだ。だから最初は興味を持ってもらえる程度に気付かせたい。何やら気に成りふと立ち止まってしまうくらいが丁度良いのだ。
2023/09/05 お客を熱狂させてはいけない。想定外の人を巻き込みブームを作るからだ。ブームはバブルとなり全てを劣化させる。熱狂が覚めれば現実とのギャップに落胆するしかない。其れなのに何度でも繰り返すのだ。永く続けたければブームにしてはいけない。限られた人に静かな驚きを持って迎えられる程度が良い。
2023/09/04 玄能創りを極めたいと思った。だが上達に時間が掛かる上に儲からない事は解っていた。そこで玄能以外のハンマーやアウトドア用品を並行して作る事にした。比較的簡単に出来て儲かるからだ。だが今では玄能以外のハンマーやアウトドア用品はブームが去って需要がない。しかし玄能だけでなんとか食える。
2023/09/03 決められたルールの中で最善を尽くすのがスポーツや製造業や会社員。一方でルールを自ら創り続けるのが武術や鍛冶屋や経営者。変な括り方だがそんな感じがしている。両者の世界観は異なり言葉さえ通じ難い。生まれつきの資質が深く関係していると思う。故に井上雄彦氏はバガボンドを完結できなかった。
2023/09/02 魚の活性が良すぎて入れ食いする事がある。釣っているのではなく釣れてしまう状態だ。其れは正にブームに乗っている状態と同じ。主導権がある様でいて実は相手任せなのだ。この度のアウトドアブームが正にこの状態。売っているのではなく売れてしまっていた。これでは釣りと同様に全く面白くないのだ。
2023/09/01 廃業するのは主導権を握っていないから。ブームに乗るのも主導権を握っているとは言えない。共に外部要因に依存させられているからだ。主導権を握っているなら何時でも平らに仕事ができる。未来を見据えた準備も出来る。すると外部要因に関わらずに続けられる様になる。ブームは廃業への近道にもなる。
2023/08/31 周りが次々と廃業している。取引先も次々と廃業していく。そして工場団地はかつてなく静か過ぎる。だが地元の鍛冶屋は元気一杯だ。包丁ブームで受注が好調らしい。しかし私は相も変わらずに低空飛行。景気に左右されずに低空飛行。宣伝も営業もせずに低空飛行。とても安定して穏やかに生きていられる。
2023/08/30 コロワク接種後に体調を崩して早2年が経つ。倦怠感と関節痛も落ち着き漸く普通に仕事が出来始めている。体調不良を道具の改良や身体操作の工夫で乗り切ってきた。お陰で以前よりも身体の働きが冴えている様に感じる。一時は引退が早まったと落胆していた。だが却って永く続けられる様な気がしてきた。
2023/08/29 かつては零細な自営業者で溢れていた。能力の劣る子弟も家の手伝いができた訳だ。所が自営業者は次々と廃業している。多くの子弟が勤め人に成らざるを得ないのだ。其処に最低賃金の引上げが追い打ちを掛ける。すると自営業者の廃業は益々加速するだろう。そして能力の劣る子弟は更に就職が難しくなる。
2023/08/28 好奇心に溢れる人はあれこれ手を出すが縛られない。興味の対象が広範囲に及ぶから細事に拘っていられないのだ。所が世間では拘りが大切だと言われる事も多い。だがそんなものは好奇心の足りない人の幻想にすぎない。良いものは広範囲が凝縮され出来ているのだ。細事に拘れば本当に良いものは出来ない。
2023/08/27 職人の勘の断片を分析して表したものが科学。勘を宇宙とすれば科学は点の集合に過ぎない。故に勘に頼る人は未知なる宇宙に挑戦する勇気を持っている。一方で科学を信奉する人は安心を求めている。明らかな事をして予定通りの結果を得て安心している。其処に勇気は要らない。勇気とは即ち好奇心なのだ。
2023/08/26 科学的根拠を電卓とすれば職人の勘は筆算からコンピューターまでの幅がある。故に勘の鈍い職人は科学を頼ろうとする。だが科学は電卓に過ぎない。一方で勘の鋭い職人は勘が鋭い故に科学の至らなさを見抜いている。故に勘に頼り益々鋭さを増していく。しかし周りからは理解されずに孤立してしまうのだ。
2023/08/25 師匠は販売先を絞り込めと言った。知識の豊富な信頼の置ける問屋に売れというのだ。そんな問屋なら信頼の置ける小売屋に売ってもらえる。すると正しい評価を期待できるのだ。所が誰彼構わず売ってしまえば正しく評価されない。的外れな悪い評判が立つ恐れすらある。手道具は売って終わりではないのだ。
2023/08/24 良さそうに見えるだけの出来損ないが売れている。販売手法の高度化巧妙化で其れが可能になったのだ。かつては良いものが口コミで売れていた。目利きも多く存在し厳しい評価を受けた事だろう。故に職人は腕を磨き上手く成るしかなかった。だが今やそんな職人は少ない。ならば腕を磨けば圧倒的に成れる。
2023/08/23 今迄は売れているものを売れば儲かった。ブームに乗れば売れた時代なのだ。だが既にものは溢れて社会は成熟した。どうやら売れていないものを売る時代が来た様だ。其れは創る時代であり育てる時代。都合よく既にあるものを利用できない時代なのだ。世界経済も先が見えない。想像力と創造力が試される。
2023/08/22 拙いうちは加速度的に上達するが暫くすれば壁に突き当たる。多くの場合に試行錯誤を繰り返せば壁を乗り越えられる。だが其のうち試行錯誤では乗り越えられない壁に突き当たる。即ち今の視点では解決できなくなるのだ。しかし上達し続ける人は視点の切り替えが抜群に上手い。其処が凡人と明らかに違う。
2023/08/21 子供の頃から技能の巧みさに憧れていた。だが世の中には権威に憧れる人の方が遥かに多いのだ。しかし其れに気付いたのはほんの最近の事。自分の鈍さに呆れ返ってしまう。左様に人は其々の価値観で生きている。自分の考えを分かって貰うなんて烏滸がましいのだ。だが其れでも言いたくなるのが私なのだ。
2023/08/20 鍛冶屋を始めて暫くすると直販ブームが起きた。業界団体も講習会を開いて其れを推進した。だが所詮はパイの奪い合い。増える売り上げは誰かの儲ける筈だった売り上げに過ぎないのだ。お陰で弱肉強食が進み力尽きた事業所は倒産や廃業に見舞われている。其の災いはいずれ我が身にも降りかかる事だろう。
2023/08/19 ブーム絶頂期にアウトドア関連の仕事を大幅に縮小した。膨大な受注に対応したくなかったからだ。そもそも職人の手作業は大量生産に向かない。故にブームに成れば省力化せざるを得なくなる。すると設備投資をした挙句に品質は低下する。そして職人技も劣化しはじめるのだ。ブームが去れば何も残らない。
2023/08/18 日々の発見を新たに創るものに取り入れている。だがその行為を過剰と受け取る人は多い。その些細な変化に誰も気付かないからだ。しかし気付いてくれる人が居ると信じて続けている。すると本当に現れてくれるのだ。左様に成果を出すには過剰は不可欠。多くの人が思うより遥かに手間と時間は掛かるのだ。
2023/08/17 弟子達は一通り仕事が出来る様になった。私の体が動くうちに達成でき安堵している。思い返せば弟子を受入れる迄の道程は長かった。他人の人生を預かる覚悟を決めるのに時間が掛かったのだ。一歩ずつ準備を進める事で覚悟を決めていった。何故そこまでして弟子を受入れたのか?ただやりたかったからだ。
2023/08/16 熱ければ不満を言い寒くても不満を言う。そんな人に丁度良い塩梅は巡ってこない。どうせなら其の環境を楽しめば良い。例えば炎天下のサイクリングは気持ちが良い。吹雪や風雨の中を完全防備で散歩するのも楽しい。やれば分かるが以外と何でも楽しめるのだ。行動する人の下に丁度良い塩梅は巡ってくる。
2023/08/15 今居る部屋は37度だが暖かくて気持ちいい。先程まで居たショッピングモールでは寒くて凍えそうだった。寒いのを想定して長袖長ズボンで行ったが其れでも寒くて堪らない。左様に私の様な生活をしたら電気代は随分と少なくて済むだろう。現代人は快適さを求める余りに身体を退化させ地球を壊している。
2023/08/14 今居る部屋は36度だが暖かくて気持ちいい。そしてビールがすこぶる美味いのだ。地元の気温は39.8度で日本一らしい。台風接近に伴う毎年恒例の行事だからそんな日は楽しむ様にしている。心頭滅却する難行苦行は要らない。今をそのまま楽しめればそれでいい。皆ももっと愉快に楽しめば良いと思う。
2023/08/13 新政府により作られた明治4年の地図がある。私の祖先は既に今の敷地に住んでいた様だ。更に古い時代を知る為に資料を調べているが面白い。左様に一文の得にもならない事に夢中に成るのが人間なのだ。其れは人間が効率の悪い生き物である証とも言える。効率だけを求めていたら可笑しく成るのは当然だ。
2023/08/12 勉強を始めるとは自らの無知を認めること。そして知るほどに無知を思い知らされる自虐的作業だ。故に目立たず謙虚に成らざるを得ない。翻って自信満々な人は自らの無知を認められない人。勉強せずに殻に閉じ籠る臆病な人だ。故に自信満々に振る舞う必要がある。自信満々な人は自信が無いということだ。
2023/08/11 難しい仕事を頼まれる事がある。多くの場合に今できる最善で臨もうとする。だが其れでは進化の機会を逃してしまう。訓練を積んで臨まなくてはいけないのだ。ならば納期は遅れるだろう。だが其れを許容してもらわなくてはいけないのだ。短納期を重視するあまりに日本のもの創りは進化を止めてしまった。
2023/08/10 丁寧にやれば出来ると思ったら大間違い。正しいやり方でないと出来る訳がない。正しいとは正当という事。未熟者は其れが見えない。やって見せられても見えない。言って聞かされても見えて来ないのだ。失敗を繰り返しても挑戦できる人だけに見えて来る。好奇心を持ち続けられる人だけに見えて来るのだ。
2023/08/09 枯れた技術の水平思考と聞いた時に嫌な予感がした。枯れた技術を使いこなせる人は稀に成っていたからだ。現代の鍛冶製品の多くも過去の工人の知恵が活かされているとは言い難い。多くの場合に省力化された技術に置き換えられているのだ。左様に進化は止み枯れた技術さえ活かされずに30年は失われた。
2023/08/08 母親が夕食に腐ったゆで卵を出した。食べた瞬間に気付いたが飲み込んでしまった。だが幼少期から鍛えられている私は平気なのだ。しかし妻は鍛え方が足りずに腹を下してしまった。左様に幼少期から摂取する死なない程度の毒素は身体を鍛えてくれる。だが幼少期に清潔過ぎたなら其の機会を失ってしまう。
2023/08/07 誰にでも権利は有る。だが多くの人には見えない。見えないものを無いと決めつけるからだ。また例え見えても行使できる人は少ない。怖気づいて一歩を踏み出す勇気が出ないからだ。左様に好奇心が足りないと見えないし、見えても行動できない。好奇心旺盛ならば当たり前に見えて軽やかに行動できるのに。
2023/08/06 始めて訪問した際に師匠は私を褒めてくれた。私が未だ素人だったからだ。だが正式に弟子として認められてからは褒められなくなった。只の素人ではなくなったからだ。左様にプロフェッショナルを目指す人間を褒めてはいけない。自ら考えなくなるからだ。褒めて伸ばそうとするのは依存を促すだけなのだ。
2023/08/05 私は弟子を褒めない。自ら判断してもらいたいからだ。所が外野は兎角チヤホヤしたがる。他人を応援する事に喜びを感じる人は多いのだ。だから私は弟子を人目に晒さない。私も同様に人前に出る事を控えてきた。お陰で腰を据えて仕事を続ける事が出来たのだ。未熟者を褒めれば互いに劣化するだけなのだ。
2023/08/04 淡々と鍛錬を重ねても進歩は微々たるもの。多くの人は辛抱できずに一発逆転を狙い目立とうとする。お祭り騒ぎを始めれば見る目の無い人達が応援し始める。左様に提供者も需要者も一斉に退化し始めてしまうのだ。今の日本はこの状態。目立つ事も応援する事も一時的に楽しい。だが其処には退化しかない。
2023/08/03 本郷猛を鍛えても所詮は人間だ。だが改造人間に成れば百人力に成れる。しかし強く成ろうが化物と化した本郷猛に帰る場所はない。やはり人は人として生きる事が肝心なのだ。もの創りも同様だろう。外連味で有名に成っても落ち着く先はない。淡々と鍛錬を積んでこそ世に貢献でき落ち着ける様になるのだ。
2023/08/02 クラシック音楽を聴き始めた頃の事だ。心地良いだけではいけない、深く学ぶ必要が有るという至言に出会った。学ぶ事で本当の楽しさに出会えるというのだ。大工道具も同様に学ぶ事でより快適に使用できる。故に我々も使用者に学ぶ機会を与えなくてはいけない。学べる情報を発信し続ける義務があるのだ。
2023/08/01 私の創る玄能は本職用であり素人には使いこなせない。故に広くマスコミで宣伝する事を控えている。素人が使っても正しく評価されないばかりか事故や怪我に繋がる恐れすらある。また多数の素人が購入すれば緊急に必要とする本職の手に渡らなくなる。ならば広く宣伝しない理由も分かってもらえるだろう。
2023/07/31 独立して30年。マスコミに姿を晒す事を控える私を知る人は少ない。お陰で雑音に悩まされずに静かに仕事を続けられる。其れでも私の陰口を叩く人は絶えない。其れを私に知られない様に問屋と小売屋の主人達が気を配ってくれているのだ。其れが無ければ私は潰され玄能文化も潰えてしまうかもしれない。
2023/07/30 ブームになれば劣化する。大量生産の為に手を抜いた商品が作られ始める。見た目は手作り風だが中身はまるで違うものが蔓延る。だが素人は気付くことが出来ない。価格競争が起こり更に手を抜く事が当たり前になる。製作者は本来求められる筈の性能さえ忘れてしまう。永遠に良いものが手に入らなくなる。
2023/07/29 他人がしている努力を模倣しても報われる事は少ない。例えば筋肉を鍛えたところで世にマッチョが増えるだけ。動きの質は変わらないのに肥大化して不自由に成るのだ。だが感性を活かして動きの質を更新すれば唯一無二に成る。そして自由が手に入る。左様に模倣や拡張ではなく更新が自由をもたらすのだ。
2023/07/28 他人の10倍の努力は簡単だ。だがする人は少ない。他人がしている努力の10倍を目指すからだ。だが他人がしない努力の10倍ならどうだろう。先ずは自分がやりたくて他人がやらない事を始める。すると参考に出来るものが少ない事に気付く筈だ。其処を楽しく探求すれば簡単に10倍以上の努力になる。
2023/07/27 やりたい事は仲間を集めて一緒にやれという。1人では仲間とやる10倍の努力が必要というのだ。だが半人前が集まっても所詮は烏合の衆。ならば10倍の努力で先ず結果を出した方が良い。其の上でチームを組めば良い人に恵まれ100人力と成る。最初に群れるか後から集うかで結果は全く変ってしまう。
2023/07/26 自信満々な優等生は困る。彼等はよく言えば迷いがない。悪く言えば出来上がっていて進化が無い。現状で出来てしまうから変える必要を感じないのだろう。だが出来ていてさえ疑いを持ち続ける自信の無さが進化をもたらす。そして其れが出来る事が本当の自信。出来ない事実に気付いて変える勇気が自信だ。
2023/07/25 師匠は若くして飛ぶ鳥を落とす勢いの玄能鍛冶だった。自宅と工場を借金で建て3年で完済したという。所がある日突然に製作姿勢を変える。更に良いものを創りたくなったからだ。お陰で貧乏する羽目に成るが後に揺るぎない名工となった。至らなさに気付き習慣を変えられる人にしか本当の上達は訪れない。
2023/07/24 丁寧に扱われ続ける玄能を見ると安心する。其処には一途な良心が感じられる。ならばもっと高性能なものを創ろうという気概も生まれる。だが中には乱暴に扱われ傷んでいるものもある。ならば高性能なものを創る勇気を失くしてしまう。高性能なほどに繊細で傷みやすい。使いこなすには良心が必要なのだ。
2023/07/23 理想に近づければ使いこなせる人は限られる。玄能の理想は硬度を少し柔らかめにして糸面取りとする。だが玄能を金槌として使用する人には仇となる。打面が傷みやすく欠けたり捲れたりするのだ。そこで硬度を少し上げて面を太く取る。すると使いこなせる人は随分と増える。しかし理想からは離れている。
2023/07/22 手道具創りの勘所は精度を上げる事。加工精度だけでなく性能の精度を上げなくてはいけない。其れは即ち理論を確立する事。何処をどう創れば使い易いものが出来るのか探るのだ。すると自ずと美しいものが出来上がり始める。所が外連味の強いゲテモノが溢れている。其れこそが理論を確立できてない証だ。
2023/07/21 子供の頃は毛深い男が持て囃された。毛深い私は大人に成ればもてるものだと確信していた。所が今ではメンズエステで脱毛だというから何たる話。毛深さにお金の匂いをかぎ取った狡猾な輩がいた訳だ。毛深さに罪悪感を植え付けるとは卑怯千万。この様な差別を生むやり方は近い将来通用しなくなるだろう。
2023/07/20 鍛冶の銘品を見れば極めて素朴だ。そして用の美を備えて美しい。其の美しさに魅せられ後進は腕を磨き上達していくのだ。同時期には目を引く為の外連なものも多く存在した。だが今では忘れ去られて跡形もない。即ち後世に残す価値が無かったのだ。品質以外で目を引いても所詮は忘れ去られてしまうのだ。
2023/07/19 何でも面白く出来る様に工夫して生きてきた。だから何をやっても面白い。だがどうしても好きに成れない事もある。左様に私が嫌いと言う時は心から嫌なのだ。故に懇願されても嫌な事なら絶対にやらない。断る事に関しては自信があるのだ。お陰で好きで得意な事に集中できる。断る事は人生を豊かにする。
2023/07/18 成熟期には量ではなく質が求められる。だが良いものを創っても容易に理解してはもらえない。故に理解出来る様に需要者を導かなくてはいけないのだ。所が全く其れが足りていない。お陰で良さそうに見えるだけの平凡なものが席巻する有様だ。良いものを創ると共に良い理由を解説し続けなくてはいけない。
2023/07/17 90年代半ばに日本は成熟期に入った。だが過去の栄華を忘れられずにやり方を変えられない。更には効率を求めるあまり良さそうに見えるだけのものを作り始めた。そして派手な宣伝で売り抜けようとしているのだ。お陰で品質は下がり国際競争力も落ち続ける。成熟を認められない日本人全てが老害なのだ。
2023/07/16 95年に中国視察旅行をした。発展著しく製造設備は最新鋭でオペレーターは皆若い。同じ土俵で日本の勝ち目はないと悟った。そもそも私は他人に出来る事をやらない主義だ。幸か不幸か発展する程に人間の感性は鈍くなる。ならば感性を最大限に活かして独走すればいい。そこで職人仕事の道に進んだのだ。
2023/07/15 勘に頼る作業に多少のぶれは免れない。だが其のぶれが新たな発見に繋がるのだ。其の発見を定着させる過程が脳を鍛えてくれる。翻って科学や数値に頼ればぶれは少なくなる。だが新たな発見の機会も少なくなる。定型作業の繰り返しは脳を衰えさせてしまうのだ。生成AIがもたらすのは人間の進化か退化か?
2023/07/14 見本を渡された優秀な職人は相手の意図を理解し適切なものを創ろうとする。技術や技能が足りなければ訓練してから取り組む筈だ。その仕事ぶりが職人と作品の進化を促すのだ。翻って駄目な職人は相手の意図に構わず既存の技術と技能で対応してしまう。その仕事ぶりが今の職人文化の衰退に繋がっている。
2023/07/13 槌目と縞模様と玉鋼には手を出すなと師匠に諭された。手間を掛けるべきは性能を進化させる作業のみ。其れ以外は邪道と言うのだ。そもそも邪道に逃げるのは普通の事が出来ないから。其れでは素人に受けても目利きに認められる訳がないと言うのだ。普通の事を極める事が一番難しく挑戦する人は稀なもの。
2023/07/12 ルールに則る事は相手に主導権を渡す事。だが自らルールを編み出せば主導権を握る事が出来る。しかし自らルールを編み出せる人は少ない。ルールを守る事ばかり求められてきたからだ。だが気付いている人は居る。世の中にはルールを創る人と守る人の2種類が居る事を。創る方が楽しいに決まってるよね。
2023/07/11 資格を取得するには教科書がある。だが玄能創りに教科書はない。故に自ら創り方を探るしかないのだ。同様にスポーツにはルールがある。だが自然の中で遊ぶには自らルールを創る必要がある。故に責任は自ら取らなくてはいけないのだ。しかしそんな事を意識して生きる人は少ない。とても大切な事なのに。
2023/07/10 格好良さそうな職人の動画が溢れる。だが目利きが見れば化けの皮は剥がれてしまう。故に其の道で生きる覚悟がある人ならば滅多な事で披露はしない。其れが信用に繋がるからだ。故に彼は目立たない。だがそんな構えの職人ならば他人が目立たせてくれる。翻って覚悟が無い職人ならば早晩人は離れていく。
2023/07/09 伝統工芸に憧れて入門する人は多い。格好良さそうな仕事ぶりを披露する人もいて憧れを抱かせる。だが華やかな見た目よりも遥かに修業は厳しいのだ。そもそも本当に上手くなる人は滅多に披露などしない。そこで真贋を見分けられると思った方が良いだろう。格好良さそうと格好良いでは次元が違い過ぎる。
2023/07/08 知人と共に営業した事がある。その際に知人は受注に夢中だったが私は商品開発の種を探した。知人はマーケットインに頼り私はプロダクトアウトを目指した。結果、知人は営業を続けざるを得なくなり私は営業せずに仕事が回る様になった。モノが溢れる時代には真似されず売れ続ける商品の開発が肝に成る。
2023/07/07 最初から本丸を落とそうとするから一進一退を繰り返す。先を読んで外堀から埋めていけば優位に立てる。そして最後は自動的に整う様に企てればいい。左様に徐々に何もせずに済む様に段取る事が肝要なのだ。鍛冶仕事もブランディングもマーケティングも皆同じ。先ずは仕組創りから始めなくてはいけない。
2023/07/06 私の話を他人にも聞いて貰いたいと弟子が言った。だが他人には全く通じないのだ。弟子は私と一緒にいるから頭の構造が浩樹仕様に成っている。だが他人は私の話を受入れる準備が出来ていないのだ。ネットで呟いても「いいね」が殆どつかないのがその証拠。親方と四六時中共に過ごすから分かる様になる。
2023/07/05 個別具体的に考える人は全く足りていない。抽象化できるまで掘り下げなくてはいけない。其れは原理原則に近付くという事。すると用の美を備えた独自のものを編み出せる様になる。そもそも外連な装飾や派手な宣伝が必要になるのは原理原則を分かっていないから。即ち編み出す力が全く足りていないのだ。
2023/07/04 所属した高校の剣道部は強豪だが上手く見えなかった。例えば鍛冶屋にも商売上手だが仕事下手な人が居る。同様に剣道も試合に勝つ人が上手いとは言い切れない。故に上手く成りたい私は剣道部に魅力を感じなかった訳だ。そんな私だから鍛冶の上達を目指しつつ貧乏を克服する難題に挑まざるを得ないのだ。
2023/07/03 子供の頃からテレビを見る習慣はない。馬鹿に成ると言われた上にそもそも興味が無かった。故に時間に余裕が有りやりたい事を思う存分に出来た。例えば自然の中を飛び周った。もの創りに没頭した。本に読み耽った。お陰で感性が育まれ資質が開花したと思う。自然と身体と書物の組み合わせは最強だろう。
2023/07/02 過去の鍛冶屋の中には現代よりも遥かに上手い人が沢山いた。彼等は機能美に拘り新しい技を編み出し進化し続けた。中には技で敵わない職人もいて目くらましの為に意匠に凝った。即ち外連な装飾で目を引いたのだ。だが彼等は時代とともに忘れ去られた。今では本当に上手い人だけが歴史に名を留めている。
2023/07/01 縞模様や槌目を付加価値と思わせた所が鍛冶屋の敗北。良さそうに見せるだけなら誰にでも出来てしまうのだ。手道具の付加価値はあくまでも性能であり其れが進化の証だ。だが縞模様や槌目は素人にも出来る進化なき外連に過ぎない。お陰で消費者の感性を大きく狂わせてしまった。感性の修復は可能なのか?
2023/06/30 「枯れた技術の水平思考」と横井軍平氏に聞いた時にこれはまずいと思った。開発の方向性が進化から応用に切り替わる事が不安でならなかったのだ。憂いは現実に成り鍛冶屋も進化を止めてしまった。本当に良いものではなく良さそうに見えるものを作り始めたのだ。お陰で消費者の感性を鈍らせてしまった。
2023/06/29 創るものだけでなく其の周辺も深く学べと師匠は言った。そこで役立ちそうな本を探し出しては読み耽った。読書の喜びを共有したくなり読書会を開いた。多くの人が集まり盛り上げてくれた。だが鍛冶屋の後継者は誰も来てくれなかった。そもそも本を読まないと言うのだ。彼等は何から知識を得ているのか?
2023/06/28 整える事が流行り全力で整え始める人が現れて腰が抜けた。整えるとは最小限の力で最善を生み出す仕組み創ることなのに。左様に世の中のベクトルが狂い始めている様に思えてならない。多くの人が益なき事を始めて問題を起こし、その解決の為に更に余計な事を始める。何もやらない方が健全ではないのか?
2023/06/27 中学校は掃き溜めの様な環境だったが逃げ方を知らなかった。高校は退屈だったが止める勇気が出なかった。だが社会に出てからは自由に成る技術を学び止める準備をして前職を辞すことが出来た。左様に訓練すれば止める事は出来る様になる。止める事が得意に成れば軽やかに生きられる様に成るから面白い。
2023/06/26 本当に嫌ならば全力で断る。うっかり始めても全力で止めてしまう。だが好きな事を続ける為なら多少の嫌な事でも続けることは有る。その場合には全力で楽しむ工夫をしている。すると結構楽しくできるから面白い。所が嫌な事を不満を言いつつ嫌なままに続ける人は多い。他に選択肢は沢山有るというのに。
2023/06/25 明確すぎる目標は視野を狭くする。損得に振り回されて方向を見誤ってしまう事もある。ならば方向を見定めたなら気楽にいきたい。偶然の出会いを楽しみながら新たな自分を発見し続けるのだ。そもそも若い頃の目標など未熟すぎる。興味を広げて自らを進化させていく方が良いだろう。わらしべ長者の様に。
2023/06/24 私の読書は散歩している感じ。何時も好奇心のままに読み始める。そこに明確な目的はない。ただ偶然の出会いを楽しみたいのだ。だが学校ではそれが許されない。良い成績を取る事を目的としているからだ。しかし明確な目的は其れ以外を見えなくさせる。競争するから更に視野は狭くなる。全然楽しくない。
2023/06/23 若い頃に必要に迫られ専門書やビジネス書を読み始めた。最初は全く理解できずに狼狽えた。辛抱して続けても一向に理解できない。其れでも続けていると用語の意味は少しずつ分かり始めた。更に続けて千冊を過ぎる頃に成り漸く少しだけ理解できる様になったのだ。若い頃は時間を無駄遣い出来て良いよね。
2023/06/22 学校の成績を上げるには答えや解き方を覚えるしかない。だが考える力は身に付かずに鈍間に成る。優等生に成績の良いだけの鈍間が多いのはそのせいだ。特に小さい頃から勉強に励んだ子供は要注意。中学校に入学して暫くすれば成績は急降下するだろう。小さい頃に遊び惚けていた子供が急成長するからだ。
2023/06/21 多くの人はとことん掘り下げる事をしない。学校教育でそう洗脳されているからだ。例えば授業では答えを教えられる。若しくは導き方を教えられてしまう。だが本当に面白くて大切なのは答えの導き方を編み出す事。其れは若い頃に大好きな事に没頭する事で能力が開花される。大人は其の邪魔をしないこと。
2023/06/20 若い頃にタイパを気にすれば才能は開花しない。時間を気にせず没頭するから眠った才能が目を覚ますのだ。そもそも大人が急き立てるから子供がタイパを気にし始める。放って置いて寄り添うだけで充分なのに。情報など沢山吸収する必要はない。一つの事をとことん掘り下げる能力が身に付けば其れで充分。
2023/06/19 消費者の多くは鍛冶屋の商品をマスコミの紹介で知る事に成る。だがマスコミは鍛冶屋の言う事を検証せずに垂れ流す事が多い。多くの場合に間違いではないが正しくもない情報が占めている。消費者は騙されてはいないが正解も知らされていない訳だ。私の言う事だって変わらない。正解は自ら学ぶしかない。
2023/06/18 飲食店街が新規顧客獲得のイベントを開いた。当日は一見で溢れ常連は締め出された。締め出された常連はイベントに参加しない落ち着いた店に流れた。その店は後に口コミで更に人気を得ることが出来た。即ち常連を大切にした店が顧客数を増やした訳だ。既存顧客を大切にすれば口コミと紹介で繁盛できる。
2023/06/17 一つの伝統文化は多数の文化に支えられてきた。一つ欠ければ立ち行かなくなる文化は多いのだ。かつては義務感に駆られ役割を全うした人が居た。だが今では儲からなければ止める人が多い。しかし先人は儲からないものを儲かるように工夫して繋いだ筈だ。現代人は其の工夫も出来ない程に鈍くなったのか?
2023/06/16 やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば動かない様な人間を採用してはいけない。育成に手間が掛かる上に自立する見込みがないからだ。そもそも義務教育は指示待ち人間を大量生産している。教えて褒めて叱って従順で扱い易く洗脳しているのだ。そんな人間は今後活躍の場を失うだろう。
2023/06/15 教えられ褒められ叱られて順調に育った人は洗脳されている。更に彼等は同様に人を育てようとする。其れは自立の機会を奪い指導者に依存させる巧妙な手管だ。だが其処に躊躇いは微塵も感じられない。其れこそが洗脳されている証だろう。だが指導者の考えは変えられない。指導者を変更するしかないのだ。
2023/06/14

教えて褒めて叱るような教育は職人の成長の妨げにしかならない。教えられれば考えなくなる。褒められたいから自らの意思を曲げてしまう。叱られたくないから安全策を取る様になる。左様に依存体質な盆暗が出来上がるのだ。教えず褒めず叱らずに自ら考え決断させなくては何時までも脛をかじられるだけ。

2023/06/13 些細な事で非難される世の中に成った。的外れな事で攻撃される事も多い。だが改めるべき事は改めても委縮する必要はない。全員に対して良い人で居る必要はないのだ。故に目立ち過ぎない様に気を付けろ。好かれたい人に好かれていればいいのだ。八方美人は他人を裏切り自らの情熱をも萎えさせてしまう。
2023/06/12 過去の名工の成した仕事は用の美に徹して美しい。だが当時も良いものを見極められる人は稀だったに違いない。外連なものが持て囃されていたに違いないのだ。だが今では忘れ去られて作者の名も知り得ない。良いものだけが後世に伝えられた訳だ。ならば良いものを創る以外に後進を育てる意義は無くなる。
2023/06/11 待っているだけでは誰も声を掛けてくれない。自らを発信しなければ気付いてもらえないのだ。やりたい事とやりたくない事、出来る事と出来ない事。其れと共に素直に正直に自らの想いを発信するのだ。すると共感してくれる人が周りに集まってくれる。其の上で馬の合いそうな人と手を取り合えば良いのだ。
2023/06/10 此方から声を掛けてはいけない。向こうが気付いて近付いて来るようにしなくてはいけないのだ。すると分る人だけが周りに集まりだす。手間も省けて何より此方が主導権を握ることが出来る。恋愛も集客も求人もみな同じ。宣伝すればする程にハズレを引く確率は高くなるのだ。平成はその様な空振り時代だ。
2023/06/09 平成は問題の本質に手を付けずに対症療法で凌いだ時代。平凡なモノをテクニックで良さそうに見せる事に躍起だった時代だ。だが其れもコロナ騒動で終わった。消費は落ち込み良さそうなだけのモノは値踏みされる時代が来た。本当に良いモノが売れる時代が来たのだ。平成30年間の行いの差が歴然となる。
2023/06/08 コロナ騒動に於いては熟考して行動を選択できる少数と他人の言葉を鵜呑みにして流される大多数が居る事が明確に成った。即ち良いものを正しく見極められる人は極めて少ないのだ。故に良いものを創るよりも良さそうに見えるものを大量生産する方が儲かる理屈になる。其れは文化を亡ぼす呪われた理屈だ。
2023/06/07 平成は問題の本質に手を付けずに問題の周りをグルグルと回り続けた時代だ。対症療法を繰り返した挙句に改善されないと言っては更に高速に回り続けた。すると遠心力で益々本質から遠ざかってしまったのだ。例えば刃物であれば高性能なだけで美しい。所が用の美には程遠い無意味な装飾を施してしまった。
2023/06/06 玄能鍛冶を始めてからの20年間に様々なブームが訪れた。師匠の教えを守り流される事なく足元を掘り下げ続けた。20年後に迎えたい自らの姿を夢見ながら淡々と続けることができた。お陰で玄能も売れる様に成り二人の弟子を雇うことが出来た。相変わらず貧乏暮らしだが彼らの未来が楽しみでならない。
2023/06/05 玄能鍛冶を始めてから20年経つ。未だに自分が上手いのか下手なのか分からない。目利きに聞けば自分で判断しろと言うだけだ。師匠も自分で判断しろと言っていた。左様に分かっている人ほど何も教えてくれないのだ。師匠は更に言っていた。教えようとする人は有象無象。何も分かっていない人なのだと。
2023/06/04 折り畳みスコップを開発して直ぐに大手に模倣され傷心した。強いブランド力がないとアウトドア用品市場では生き残れないと悟った。故にどんなに手間やお金を掛けても真似できない鍛冶の世界に入ったのだ。お陰で穏やかに仕事が出来る様になった。翻ってアウトドア用品市場は死屍累々となる予感がする。
2023/06/03 有触れた日用品を安く大量に生産する人がいる。一方で進化させて高価格で販売する人がいる。即ち同じものでもやり方は幾らでも有る訳だ。世間では〇〇業界に将来は無いとか〇〇業界なら儲かるとか喧しい。だが解釈次第で如何様にも対応できる。チーズは消えたのではない。視る能力が足りていないのだ。
2023/06/02 良いものを創るなら永く続けなくてはいけない。ブームの度に作るものを変える様では上手く成れる訳がない。そもそもそんな態度で目利きに信用される筈がない。即ち良い仕事をさせてくれる人に巡り合えないのだ。良いものを創る人はブームに流されはしない。一つのものを淡々と進化させ続けられる人だ。
2023/06/01 元号が平成に変わる頃から胸躍るものが少なくなった。悪くはないが良くもない商品が氾濫し始めたからだ。品質優先を売り物にした日本製品が格好と価格を優先し始めたのがこの頃か。品質以外の価値で売る裏技をコンサルタントが垂れ流し始めたのもこの頃か。余計な事に夢中に成り品質を疎かにしたのだ。
2023/05/31 良いものを創るなら永く続けなくてはいけない。一代で出来る事など高が知れているのだ。先代の肩に乗り更に上を目指す。すると漸く良いものが出来始めるのだ。所で鑿鍛冶の小信が廃業した。3代目の斎藤氏は生涯を掛け優秀な鑿を創り続けた。優秀な鍛冶技術が途絶えたなら科学でも再現は不可能になる。
2023/05/30 私はスポーツを見る事もする事もできない。スポーツをする人を嫌な事を我慢する辛抱強い人だと思っていた程なのだ。彼等が楽しんでいる事を理解したのは社会人に成ってから。逆にスポーツやらずに何をやるかと脅された事がある。だがルールを自ら編み出せる人ならば他人のルールに縛られる必要はない。
2023/05/29 玄能鍛冶を始めた時には地元の鍛冶屋は絶滅寸前だった。後継者がいても鍛冶仕事が満足に出来ない人が殆どだった。故に滅ぶのも時間の問題だと分っていた。だが私には彼等をどうする事も出来ない。出来る事は私が鍛冶仕事を充分に身に付け後進に其れを伝える事。自らの事ならば出来る事は幾らでも有る。
2023/05/28 近所の川は年々釣りが難しくなってきた。上流にダムができ魚がすみ難く成ったからだ。また除草剤で川底の苔が減少した影響も大きいという。だが全く釣れない訳ではない。新しい釣り方を編み出せば未だ釣れるのだ。この発想を仕事に役立てたい。悲惨な環境の変化もやり方を編み出せれば乗り越えられる。
2023/05/27 近年の科学的進歩には目を見張る。だが明らかに科学を人間は使いこなしていない。科学に人間が翻弄され混乱している様にさえ見える。例えば多くの鍛冶屋が合理化の為に機械化を進めて今に至る。だが出来たものは過去の名工のものに遠く及ばない。科学の進歩が良いものを創る伝統を断ち切ったかの様だ。
2023/05/26 鍛冶屋を始めた頃に名工を目指す価値観を否定された事がある。だが何かを良くしようとする時に人は喜びを感じ強い力を発揮する。その作用を最大限に活かすには身の丈に合わない目標設定が必要なのだ。故に憧れの名工に倣い其の人の目指す先を目標とする事で大いに力を発揮できる。私はそう信じている。
2023/05/25 独立して直ぐに協力者を探し始めた。コラボレーションを模索したからだ。所が多くの事業所が内製化と直販を進めていた。お陰で下請けと流通業が急速に衰退し地場産業が地盤沈下し始めたのだ。もう取り返しは付かない。多くの事業所で得意を活かし協力し合えば遥かに力強く楽しく仕事が出来た筈なのに。
2023/05/24 依存先を多く確保できる人は自由に成れる。得意な事に集中できれば達人に成れるからだ。すると益々依存できる先は増え自由にやれる様になる。所が多くの人は依存しない事を自由と勘違いしている。自分でやれば経費も掛からないから尚更だろう。だが全て中途半端に終わり凡人のまま不自由に成るだろう。
2023/05/23 鍛冶屋を始めてから営業活動をした事がない。創る事と弟子の育成に専念しているのだ。其れが可能な仕組みは昔から出来上がっていた。ただ其処に組み入れてもらっただけなのだ。左様に人は依存先が増えるほど自由にやれるようになる。所が多くの場合に依存先を減らせば自由に成れると勘違いしてしまう。
2023/05/22 アウトドア部門を縮小して玄能部門に注力した。弟子達は玄能創りに集中できて嬉しそうだ。しかも順調に上達して注文も安定している。其れにも増して私の玄能の注文が夥しいのだ。弟子が育てば親方の株も上がるのだろう。ブームに踊らされずに本当に良かった。続けるか止めるかを何時も強く意識したい。
2023/05/21 職人は教えられずに長期間を要して自ら編み出す力を育み到達点を高め続けた。故に名工が輩出され使用者の目は鍛えられ更に良品が求められた。今ではブームになれば売れるものを作り始める。良品は簡単に出来ず良さそうに見せる事で精一杯だ。お陰で使用者の目は曇り良品を創る意義さえ失われつつある。
2023/05/20 アウトドアブームがアウトドア用品への新規参入を急増させた。低品質な模倣品が溢れて価格競争が激しくなった。マナーの悪いキャンパーが増えフィールドは荒れ始めた。そして瞬く間に用品需要は減り始めたのだ。ブームは続くが中古市場にアウトドア用品が溢れている。様々な業界が同じ轍を踏み続ける。
2023/05/19 アウトドアブームでアウトドア部門に注文が殺到した。省力化を迫られたが明らかに品質は劣化してしまう。ならばいっそ他所でやってもらえば良いと考え仕事を止めさせてもらったのだ。ブームは全てを劣化させる。直ぐに去る上に投資を回収できない事が多い。拡大よりも縮小させる方が遥かに難しいのだ。
2023/05/18 100人に1人の能力を3つ掛け合わせれば100万人に1人に成れる。だが其れでもライバルはとても多い。ならば4つ掛け合わせればいいのか?違うだろう。誰もやらない事をやらなくてはいけないのだ。その為には他人に出来る事を順次止めてしまえばいい。残った能力を磨き上げれば唯一無二に成れる。
2023/05/17 興味関心のある事にも出来る事と出来ない事がある。ならば出来る事に集中して出来ない事は他人に任せたい。更には自らに出来る事でも他に出来る人が居るならばその人に任せたい。其の上で自らに残ったものを磨き上げるのだ。すると唯一無二に成ることが出来る。言うなればこれは人生の整理整頓なのだ。
2023/05/16 人は何にでも成れるし可能性は無限大だ。だが勘違いしてはいけない。自分以外のものには成れない事を。即ち資質の無いものには成れる訳がない。使える道具は限られているのだ。故にその道具を上手く使いこなして困難に立ち向かう。すると如何様にでもやれる事が分るし想像以上の力を発揮できたりする。
2023/05/15 流行りの「整える」が好きな人は整理整頓を分っていない。要らないものを捨てずに余計なものを足しているからだ。其れは辛すぎる料理に砂糖を入れる様なもの。出来損ないの刃物に模様を入れる様なものだ。本当に整えるには先ずは要らないものを剥ぎ取ること。そして残ったものを磨き上げる必要がある。
2023/05/14 感覚を研ぎ澄まして没入する。迷いなく流れる様に終わらせてしまう。そんな師匠に憧れ鍛冶の世界に入った。所で師匠の動画が残っている。上手い人には其の上手さが分かる筈だ。下手な人なら其れが分からないだろう。左様に下手な人ほど他人の上手さを理解できない。そして自信満々に振る舞ってしまう。
2023/05/13 上手いとは手先が器用であるとか丁寧に出来る事ではない。最適な加工法と工程を探り出し一気呵成に創り上げられる事なのだ。例えば現代に於いては便利な機械器具と情報が揃っている。丁寧に時間を掛ければ其れなりのものを作る事が出来る。だが全然違うのだ。その違いが分からないなら上手く成れない。
2023/05/12 私が地元で知られていない事に弟子が驚いていた。若手鍛冶でさえ私を知る人は少ないと言うのだ。そもそも隣近所でさえ私が何者であるのかを知らない。だが其れで十分に生活は成り立っている。何故なら私を好きに成る人は自ずと私を知る事に成るからだ。世の中は縁で満ちている。有名に成る必要はない。
2023/05/11 若い弟子を受入れた鍛冶屋をテレビが取材していた。親方は四六時中怒鳴り散らし弟子は委縮していた。他の鍛冶屋は普段やらない仕事を取材用に演出して見せた。見た人は全て同様に作られていると誤解するだろう。左様に鍛冶屋の悪い印象や誤った情報が垂れ流されている。自らの首を絞めてどうするのだ。
2023/05/10 縞模様や槌目は入れるなと師匠に諭された。性能に関わらない装飾は感性を鈍らせ上達を阻むのだ。だが周囲はそんなもので溢れている。良いものを創らずに良さそうに見せる事に躍起なのだ。お陰で使用者は眼力を鈍らせてしまった。だからこそ良さそうに見えるものより明らかに良く見えるものを創りたい。
2023/05/09 アナログ機器には機能美があった。物理的な制約が姿を洗練させてくれていたのだ。だがデジタル化され恣意的で下品なものが増えた。物理的な制約が減り装飾的な美を求められたからだ。同様に乗用車の灯火類の下品さは目に余る。LEDの普及で自由度が増したからだろう。自由を上品に扱うのは難しい様だ。
2023/05/08 ラジカセが欲しくなった。家電量販店には安物や安っぽい物が溢れていた。ネットで検索しても同様だった。中学生の頃に使っていたスタジオ1980markⅡが懐かしい。ラジオならばスカイセンサー5900が輝いて見えた。今の日本は安物と安っぽい物しか作れないのだろう。感性の劣化は国力さえ奪うのだ。
2023/05/07 自らを磨け上げるには時間が掛かる。だが良さそうに見せる事なら簡単にできる。例えばブランド品で身を飾る人が世間に溢れている。良さそうに見せる人で溢れ、それに憧れる人で溢れている証だ。だが空しさは改善されず其れを誤魔化す為にまた嘘をつく。自らを磨き続ける人には嘘をつく苦労が要らない。
2023/05/06 蔓延した嘘を正すことは容易ではない。明らかな嘘でも其れを前提に生きる人達が沢山いるからだ。嘘を指摘されれば彼等は全力で此方を潰しに掛かる。故に社会はこれからも嘘の上塗りを繰り返すのだ。だから嘘を直接指摘しても勝ち目はない。嘘が哀れに感じられる程に真実に磨きを掛け輝かせるしかない。
2023/05/05 AIの進化が止まらない。多くの仕事がAIに取って代わられる。人類にとっては有意義な事だ。だがAIが巧妙に成るほどに虚実の判断は難しくなる。今回の新型コロナのバカ騒ぎを見て其処が心配になる。判断を他人任せにする人間が多い事に驚かされたからだ。AIを神の如く信じて疑わない馬鹿は確実に増える。
2023/05/04 倦まず弛まず玄能を創り続けている。全て手作業の為に生産性は低い。省力化はできるが品質を下げてしまう。故にお客様に謝りつつ待ってもらう様にしているのだ。所で伝統工芸品の分野でも短納期化と標準化を目指し省力化する事業所は多い。だがその合理性が職人の感性と技能を確実に落とし続けている。
2023/05/03 伝統工芸品は手間が掛かり数は上がらない。大量に販売するならば省力化するしかない。すると工芸品ではなく工業製品になってしまう。だが其れを工芸品とうたい販売する事業者は多い。故に正当な工芸品は価格で対抗してはいけないのだ。工業製品に明らかに負けない品質にまで高め高価格で売るしかない。
2023/05/02 幼児は好きな事を夢中で続ける。偶然に出来た事に喜びを感じて其れを好きに成る。故に好きな事と得意な事が一致する事に不思議はない。所が好きと得意が一致しない人がいる。想定外の選択肢を提示されて混乱しているのだろうか?自らに出来る事を認め感謝してこそ幸せの青い鳥は見つかると思うのだが。
2023/05/01 新たな挑戦が今ほど持て囃される時代は無かっただろう。伝統継承が今ほど軽んじられる時代は無かったに違いない。現代は儲からないなら簡単に捨てられてしまうのだ。お陰で人も物も社会も成熟する余地を失い軽薄になった。伝統に裏付けられた重厚さを見直さないと日本は軽薄な根無し草にされてしまう。
2023/04/30 衰退するから長続きしないのではない。長続きさせないから衰退するのだ。継承すれば培われた土台に更なる土台を構築できる。頂点は高くなり時代に合った変種が裾野を広げる。すると時代に適応でき永く続くのだ。所が儲かる事に直ぐに鞍替えしてしまう。だから何時までも薄っぺらで衰退してしまうのだ。
2023/04/29 私の師匠は地元の刃物鍛冶に馬鹿にされた事がある。私が玄能鍛冶に成ると言った時も同様に鼻で笑われた。刃物鍛冶は玄能など簡単に作れると思っている様なのだ。だが玄能の理論を問うても答えることは出来ない。何も分からずに馬鹿にしていた訳だ。だが利口な人ならばこれが幸運な事だと分かるだろう。
2023/04/28 本物の達人を凡人は理解できない。ネット上で似非達人の動画が高評価を得ている事からも分かる。本物が凡人に正当に評価される事は稀なのだ。だが上達を諦めてはいけない。本物の達人は真贋を見抜いてくれるのだ。ならば本物の達人に認められたなら其れで充分だろう。其れ迄は歯を食いしばるしかない。
2023/04/27 凡人が憧れる達人など平凡すぎる。本当の達人は憧れる凡人を尻目に先に進む。すると凡人には理解されなくなってしまう。だが其れを辛抱し先に進めば目利きを唸らせる領域に達する。すると目利きが高く評価し凡人は其の人の凄さに気付き始めるのだ。だが本当に理解するには自らも達人を目指すしかない。
2023/04/26 高校の剣道部には憧れる指導者や先輩が居なかった。強い人は居たが凄い人は居なかったのだ。就職先でも鍛冶屋を始めても同様に感じていた。何かが足りない感じがしていたのだ。所が長谷川幸三郎さんと出会い何故か落ち着くことが出来た。見る目のない私にさえ凄い事は分かったのだ。何故なのだろうか?
2023/04/25 何度も検証し確証を得た事にさえ疑いの目を向ける事が大切。満足に出来ていても更に良い方法が有るからだ。鍛冶仕事では今迄より品質が上がり且つ簡単に出来てしまう方法を見つける事がある。其れは成功したやり方に拘っていたら絶対に見つからない。何時でも他の可能性を探り続ける習慣が大切なのだ。
2023/04/24 明媚な山水を潰してダムを作った。カヌー大会を誘致する為に川底を重機で掘り返した。釣り客を呼び込む為に外来魚を大量に放流した。お陰で川の生態系は崩れ取り返しがつかない。左様に黄金の卵を産むガチョウの腹を切り裂く様な事ばかり繰り返す。毎日1個ずつ幸せの卵を手に入れるだけで充分なのに。
2023/04/23 ブームに成れば劣化が始まる。売れるものは真似られ安く大量に供給される。良いものより良さそうに見えるものが売れ始める。浅薄な人までも浮かれ出し俗化してしまうのだ。静かに続けていたら生涯食べていける仕事が台無しになる。次の世代に継承できる筈の仕事が我々世代の我儘で潰えてしまいそうだ。
2023/04/22 売れる為に嫌な事を我慢する生き様は見苦しい。その生き様は嫌な事をする人間を容認しているに等しいからだ。更には嫌な事を拒絶する人間を侮辱しても居る。自分だけ得をする為に他人を欺いているのだ。未成年なら大人が率先垂範しなくてはいけない。其れが出来ないから虐めや差別が無くならないのだ。
2023/04/21 貧乏なのに朗らかで居られる。景気に関わらず問屋から安定して注文を貰えるからだ。全て受注生産で在庫は要らないし納期も任せてもらえる。お陰で生産計画が立て易く弟子の育成に時間を当てられる。左様に流通を通すと利益は減るが恩恵は計り知れない。直販すれば利益は増すが弟子の育成は難しくなる。
2023/04/20 子供の頃は遊び惚けて資質が活かされていた。独自の遊びを編み出すことで創意工夫が鍛えられた。中学校ではそれらを活かし独自の勉強法を編み出した。お陰で勉強も遊び感覚で出来る様になったのだ。今でも仕事と遊びは境目なく混然一体として心地良い。資質が活かされると全てが無駄なく繋がり始める。
2023/04/19 嫌な事でも我慢し睡眠時間を減らして頑張ってくれた人達のお陰で日本は発展してきた。だが我慢せずに充分に睡眠をとり頑張らずに出来る方法でやってくれていたなら、更に生産性は上がっていた事だろう。故に我々世代は肝に銘じて改善しなければならない。先ずは我慢する事を止める事から始めてみたい。
2023/04/18 人は変われるというが本来の自分を取り戻す意味では正しい。だが自分ではない者に変われば確実に病んでしまう。そもそも本来の自分ではない者に変わる原因は何か?何にでも成れると教育されているからに違いないのだ。信じて挑戦することは素晴らしい。だが挑戦は本来の自分を進化させる為に行いたい。
2023/04/17 千里の道も一歩からというが目的地が分かれば誰でも踏み出せる。これが今迄の学校教育だ。だが目的地を創り出す力は養えない。教えられる環境では養えないのだ。では教えられない環境は何処にあるのか?先ずは其れから考えよう。誰からも教わらずに考えてみよう。千里の道も一歩からというではないか。
2023/04/16 いつ終わるのか分からない事に人は尻込みをする。出来るのかどうか分らない事に人は不安を覚える。だが始めなければ終わらない。やり続けなくては出来る様にならない。だから腹を括るしかないのだ。人生は終着点の見えない長い旅。腹を括れば楽しくもなる。そうでなければ不満と不安に苛まれてしまう。
2023/04/15 難解な事を易しく解説してはいけない。分かったつもりになり思考停止させてしまう。難解なものは難解なまま感じさせろ。迷路を彷徨わせておくのだ。例えば鍛冶仕事では毎日迷路に迷い込む。其処から抜け出す事が仕事のようなものだ。終着点の無い旅を続けるには分からない事に対する耐性が必要なのだ。
2023/04/14 30年前には鍛冶の後継者不足が叫ばれていた。だが鍛冶屋は子供を跡継ぎにしなかった。給料を払えないからと人を採用しなかった。其れなのに後継者が居ないと嘆き続けるのだ。だから今が好機なのだ。良いものを創り高評価を受ければ独占できる。需要があるのに創り手が居ないのならやらない手はない。
2023/04/13 上手いとは正しいやり方を再現性高く繰り返し行える事。所が間違えたやり方を再現性高く繰り返し行える様になる人が多い。そんな人の努力は絶対に報われる事は無い。即ち下手とは間違えた努力を繰り返す事なのだ。同じ間違いを繰り返しても良い結果は得られない。先ずは正しいやり方に気付く事が大事。
2023/04/12 成長とはより良く変化する事。一事に熟練する事ではなく変化し続ける事なのだ。例えば非力ながら変化を厭わない炭治郎は強くなっていく。同じ事を繰り返すだけの伊之助も感化され強くなっていく。「鬼滅の刃」は変わる事で強くなる物語だ。翻って自ら変わる事なく強く成ろうとすれば鬼になるしかない。
2023/04/11 ワクチンの副反応による体調不良により多くの工夫を強いられた。例えば目眩と吐き気は姿勢を安定させる事で抑えることが出来た。倦怠感と筋肉痛は使用道具の改良と身体操作の工夫で凌ぐことが出来ている。即ち老化を本来より異常に速く体験している訳だ。自らの身体に起きている変化に不安は尽きない。
2023/04/10 科学を頼りに鍛冶仕事を進めろと冶金学の先生は言った。真に受けた鍛冶屋は勘を鈍らせ勘所を掴めなくなった。またマスコミを使い自ら宣伝しろとセミナー講師は言った。真に受けた鍛冶屋は現場を疎かにして品質を落とした。鍛冶屋の存在意義は工業製品を凌駕してこそ高まる。競合している場合ではない。
2023/04/09 かつての子供は年長者の造詣や身体性を察していた。教えられもせずに身に付けていった。難しい事を難しいままに感じ取り吸収したのだ。今では簡単なやり方で直ぐに出来る指導が成されている。そしてその程度で出来る事で満足しているのだ。簡単に出来るやり方が未熟なまま終わる人を大量生産している。
2023/04/08 痛みは休めば回復できる。だが再開すれば同じ所が痛み始める。ならば其処を鍛えたら良いのか。だが鍛えれば調和は崩れ他所が痛み始める。ましてや心身は老化で衰えるばかり。鍛えた所も早晩衰え始めるのだ。ならば休むでも鍛えるでもない第3の案を考えたい。心身を気持ちよく活かし始めればいいのだ。
2023/04/07 故障しない身体を作るには鍛えてはいけない。自在さを手に入れなくてはいけないのだ。何処かが痛むなら痛まない動かし方を探れば良い。滞りなく流れる様な身体操作を目指すのだ。すると負荷は分散されて故障し難い身体となる。所が多くの人は弱い所を鍛えようと試みる。其れこそは対症療法に過ぎない。
2023/04/06 頑張るから出来る訳ではない。資質を活かすやり方でやるから出来る様になるのだ。例えば私は授業に付いていけずに馬鹿だと思われていた。所が静かに一人で教科書を読んでいれば充分に理解できた。左様に人はそれぞれ資質が異なる。諦めないでやり方を変えてみてほしいのだ。周囲も其れを促してほしい。
2023/04/05 性格の半分は資質で決まり残りは環境で決まる。素直に生きれば資質を活かす環境に身を置く様になるという。即ち資質を強化する様に性格は形作られていくのだ。所で現代は自分を見失う人が多い。変わる為に資質を蔑ろにしているのではないか?資質を活かす様に軌道修正する事が変わることに繋がるのに。
2023/04/04 思わず頭に浮かんでしまう。やりたくてうずうずしてしまう。そんな時こそ好機なのだ。ならば直ぐに取り掛かろう。先ずは一寸だけ準備を始めるだけで充分だ。重い腰も随分と軽く成ってくれるからだ。好機は何時でも誰の下にも訪れている。皆が好機を活かしたならば日本は遥かに明るく楽しく成るだろう。
2023/04/03 損得に拘らずにやりたい事をやって生きていたい。やりたい事とは自分を幸せにしてくれる事。其れは流れに身を任せれば高みに上らせくれる事。即ち資質を最大限かつ最善に活かせる事なのだ。すでに我慢や頑張りでは進退窮まる成熟した時代に突入している。自らを極めなければ不幸に成る時代が来ている。
2023/04/02 若い頃に後継者育成事業で冶金学を学んだ。私の推薦した教科書を使っていたにも拘らず大凡が腑に落ちなかった。其の後に長谷川幸三郎に弟子入りし鍛冶を学んだ。教科書で知り得ない事ばかりで最初は戸惑った。だが暫くして漸く教科書の内容が腑に落ち始めたのだ。暗黙知なくして形式知は活かされない。
2023/04/01 人は一人では弱すぎる。凸と凹を組み合わせて最善を目指すのだ。だが資質を際立てれば孤立する。上手く組み合う相手は極めて僅かなのだ。故に自らの資質を発信する必要がある。出来る事と足りない事を曝け出すのだ。玄能鍛冶に成る時に其れを試してみた。多くの人に笑われたが救いの手は現れてくれた。
2023/03/31 勝手に競争を始める子供がいる。一人で黙々と取り組む子供がいる。其れは意識して選択している訳ではない。何方も遺伝子に刻まれた生き残り戦略なのだ。子孫を残す為には異性に対し目立つ必要がある。即ち目立つ資質を備えた人間の子孫が我々なのだ。ならば自由にのびのびと資質を伸ばし続ければいい。
2023/03/30 独自のルールを編み出せば穏やかに暮らすことが出来る。だが多くの人は既存のルールで勝ち続ける人だけが報われると信じている。そもそも独自のルールで自由に生きる人は其れ自体に満足している。所が勝ちたい人は勝ち続けなければ満足できない。即ち他者という不自由に振り回され続ける事に成るのだ。
2023/03/29 やりたい事をする人は他人が気にならない。穏やかに淡々と生きる人は皆そうだ。やりたくない事をする人は他人が気に成ってならない。自らを他人と比べて競争し始める人がそうだ。やってはいけない事ばかりを気にしている人は他人を注意し始める。大抵はやってはいけないと本人が思っているだけなのだ。
2023/03/28 性格の半分は遺伝で決まり残りは環境で決まる。遺伝を活かせば性格は強化されて逆らえば性格は朧げに成る。強化されたものと朧げなものが戦えば結果は明らかだ。所が人は無いものを欲しがり性格を朧げにしてしまう。そして悩み混乱するのだ。遺伝は避けようがない。いや遺伝は替えの利かない宝なのだ。
2023/03/27 子供を急かしたり鈍間な車を煽ったりと人は忙しい。其れは解決に繋がらない八つ当たりに過ぎない。褒めたり叱ったりするのも其れに似ている。辛抱できずに余計な世話を焼いているに過ぎないからだ。自ら気付く力が備わるから人は自立できる。余計な世話を焼く人は自らも相手も自立させる気がないのだ。
2023/03/26 夜は悲観的に成るから深く考えるなと人は言う。取り敢えず寝ろと言う訳だ。だが対症療法では同じ事を繰り返すだけ。そもそも気分よく眠れる訳がないだろう。ならば夜は静かに自らと向き合う時間を創りたい。全てを許して受け入れる時間にするのだ。就寝を一日の終わりではなく新たな始まりとする為に。
2023/03/25 遅い人は急いでいる。結果を急ぐあまりに空回りし続けているのだ。速い人は急いでいない。腰を据えて取り組んだ結果、迷いがなくなり速くなったのだ。急げば遅く成り急がなければ速くなる。其れが分かれば待ってやることの大切さも身に染みる。待ってやることで自らの腰も据わり自らの成長も促される。
2023/03/24 後継者を育てる準備をするだけでも多くの気付きに出会う。その立場に身を置いてはじめて見えて来る事は多いのだ。だから先ずは準備を始めてみよう。わらしべ長者の様な心構えで臨んでみたい。其の上で微調整を繰り返して流れに上手く乗ればいい。皆が後継者を育て始めたなら日本は大きく変わるだろう。
2023/03/23 先ずは良いものを創る事に専念した。自らを最大限かつ最善に活かす為に足りない資質は協力者に補ってもらった。事業継承を考えて早いうちから準備を始めた。求人方法や育て方の実験を繰り返した。お陰で教えなくても弟子達は勝手に育ってくれる。計画して実験を繰り返せば意外と何とか成るものなのね。
2023/03/22 即席に出来る事業が氾濫した。だが底が浅過ぎて寿命は続かない。お陰で経済は行き詰まってしまった。鍛冶仕事も冶金学を取り入れ即席に出来る様になった。だが優れた勘を頼りに創られるものとは比較にならない。そもそも冶金学は鍛冶屋から学んで構築されたもの。勘を頼りに探求しないと続かなくなる。
2023/03/21 弟子を取る際に小売店店主に豊富な大工道具知識の発信をお願いした。使用者の知識が乏しいままでは良いものを創っても売れないからだ。当時は出鱈目な知識が世間に氾濫して荒れ野原の様だった。今では小売店店主の情報発信のお陰で正しい知識が広まりつつある。私も想いを発信して荒れ野原を耕したい。
2023/03/20 有望な若手職人には優れた環境を提供したい。先ずは目利きの問屋や小売屋を味方に付けたい。流通を通す事で生産計画を立て易くなり作業に集中させられる。また腕の立つ使用者に優先的に使ってもらい有益な助言を得られる。ならば上達しない訳が無い。土地を肥やさず種を蒔いても満足な作物は育たない。
2023/03/19 近所の川はコンクリートで固められた。ドブ川に成り在来生物は滅びつつある。漁協は在来種と異なる遺伝子の魚を放流し続ける。外来種の虹鱒さえも放流し始める始末だ。左様に対症療法が環境破壊を加速している。儲けを急ぐあまり見境が無くなっているのだ。最初は損でも最終的に儲かる方法を考えたい。
2023/03/18 大工道具文化に魅せられて玄能鍛冶に成った。やる程に奥深さが身に染み文化の継承を志した。弟子を取り共に仕事を進める程に奥深さが身に染みる。そう感じられる感性が私の資質であり強みだと分かる。左様に私は資質を最大限に活かして生きている。お陰で食う事が大変な業界で生きていられるのだろう。
2023/03/17 虫が好かない人は沢山いる。だが彼らの考えは変えられない。彼らも此方を同じ様に感じているからだ。左様に相手は自らの映し鏡だ。ならば先ずは相手を認めたい。無理ならせめて受け流したい。其れが出来ない限りは自らの人生の主役に成れない。相手に振り回されて相手の人生の脇役にされてしまうのだ。
2023/03/16 長谷川幸三郎さんが引退したと聞いて直ぐに電話した。面会を断られたが説得して会いに行った。理解できなかったが話に引き込まれた。課題を出され其れを解決して再訪した。其れを繰り返して弟子にしてもらったのだ。私は全く意図していない。好奇心に身を任せたらそう成った。私は何時でもそんな感じ。
2023/03/15 やりたい時や知りたい時には直ぐに行動する。出来る方法を編み出し直ぐに始めてしまう。即ち好奇心が湧いた瞬間を逃さず一歩踏み出してみるのだ。すると新たな人生が転がり始める。きっとやりたい事が見つからない人は其れが出来ていない。好奇心が湧いた瞬間が最高の贈り物である事に気付いていない。
2023/03/14 半端な仕事で飯は食えなくなった。成熟した社会に低品質なモノやサービスは要らないのだ。高品質を提供するには高度な技能が必要に成る。故に高度な技能を身に着けるまでは貧乏を免れない。ならば高度な技能を身に付けられる仕事とは何だろう?得意で且つ好奇心を抱き続けられる仕事以外にないだろう。
2023/03/13 子供にとって悪戯は好奇心を刺激する最高の遊び。如何に驚かすかが試される晴れの舞台になるのだ。知恵を絞ってコソコソと準備する興奮が堪らない。大人達の驚いた顔を見られたなら其れで大成功。やってはいけないと言われれば更にやりたくなる。所でその感覚を仕事に取り入れたなら最高だと思わない?
2023/03/12 やってはいけない事をやりたくなるのが好奇心。規定内の行為に好奇心は要らない。規定外に想いを馳せるのが好奇心なのだ。所が規定内で教育を受け続けると其れを忘れてしまう。受動なのに能動であると勘違いしてしまうのだ。自然の中に佇み其の呪縛を解け。自然は何一つ貴方の面倒を見てくれない筈だ。
2023/03/11 もの創りに似非科学は要らない。多くの場合に進化の種は規定以外に存在する。だが科学が規定不可能なものの排除に利用されるのだ。其れは本来の科学に反するが多くの人は誤解している。誤解された科学が好奇心を摘み取りもの創りの進化を妨げているのだ。科学的とは規定以外を謙虚に受け止める姿勢だ。
2023/03/10 戦後の教育で均されてしまったのだ。初めは恫喝と暴力で均された。近年は褒められたり叱られたりして均された。苦手の克服を迫られ抜きんでた才能は潰された。資格の取得に走らされ資質を活かす機会を奪われた。左様に日本人は飼い慣らされてしまったのだ。後は生かさず殺さず都合よく使われてしまう。
2023/03/09 代変わりして仕事が粗くなる例に遭遇する。先代よりも高学歴で優秀なのに鈍すぎるのだ。過去には門前の小僧でさえ習わぬ経を読んだ。今では高等教育を受けてさえ出来ない人が多い。教えられ褒められ叱られる事で主体性が奪われているのだ。門前の小僧は放って置かれたから主体的に経を読み始めたのに。
2023/03/08 有難い事に鍛冶屋をやるのに資格は要らない。資格取得の為に無駄な時間を費やさなくて済む訳だ。所で最近ではタイパなる言葉を耳にする。時間対効果を表す様だが頭が悪すぎる。そもそも習慣的に行う事の多くはやらなくても構わない。例えば電話に出ないようにするだけでとても多くの時間を確保できる。
2023/03/07 苦手の克服をする程に人は輝きを失う。好きや得意を掘り下げて益々得意に成る程に人は輝きを増す。足りない能力は補い合えば済むのだ。宮本武蔵も言っているではないか。偏った人材を適材適所する事で均質化された人材を使うよりも遥かに組織を強く出来ると。現代人は馬鹿に成ってしまったのだろうか?
2023/03/06 丁稚奉公でないと弟子は育てられない。給料を払ってまで弟子を受入れるつもりはない。これは私が同世代の鍛冶屋に後進の育成を働きかけた時の反応だ。ならば最初に私がやるしかないと腹を括った。過去に出来た事が現代に於いて不可能ならば出来る方法を編み出すしかない。続けるとはそういう事だろう。
2023/03/05 熟練職人の不足に多くの事業所は機械化で対応した。当初は熟練職人の指導の下に機械を使って高精度なものができた。だが今では指導できる熟練職人はいない。お陰で機械を使っても高精度なものが出来なくなった。即ち熟練職人の不足は機械化で補えきれない訳だ。職人の育成は何時の時代にも必須なのだ。
2023/03/04 弟子を自立させない親方は多い。例えば他所の情報に触れさせない。勘所の作業を何時までもやらせない。言う事を聞かなくなったり辞めたりしたら困るからだ。其れも一理だが信頼関係は築けない。自立させた上で良い関係を続けた方が業界は確実に発展するだろう。其の方法を考えるのが我々の役目なのだ。
2023/03/03 後継者は自らの手でものを創ろうとしなかった。先代や職人に作らせ自らは売る事に奔走した。古株が引退すれば仕入れで対応しようと試みた。だが既に仕入先さえ無くなりつつある。中には機械化で熟練者の要らない体制を実現した。だが多品種少量には対応できない。手創りできる人にとっては好機到来だ。
2023/03/02 100人に1人の能力を3つ持てば100万人に1人に成れるという。だが3つも能力を磨く必要はない。1つに磨きを掛けて尖りまくれば尖った人が周りに集まり始める。そんな人達とチームを組めば100万人に1人どころか無敵に成れる筈だ。そして其の結果として業界全体の頂点も高くできる筈なのだ。
2023/03/01 グローバル化の時代だから英語を習得したいと言う職人が居た。腕を磨いて良いものを創れば売ってくれる人は幾らでも居ると私は言った。左様に足りないものを求めるあまり主たる目的が後回しにされる事は多い。本筋から外れた苦手の克服は其の最たるものだろう。其れでは替えの利く存在にしか成れない。
2023/02/28 全体最適を優先すれば生き残る確率は高いらしい。だが私は部分最適を優先したい。ただし極端を目指せば結果も極端に表れる。唯一無二に成れるか退場するかのどちらかに成る訳だ。だが多くの人が其れを目指せば退場者も増えるが頂点も高くなる。現生人類も部分最適を優先して急速に進化したに違いない。
2023/02/27 若い時の苦労は買ってでもせよと言われる。だが面白おかしく生きるだけでも充分に酷い目に会う。きっと苦労を買わなくてはいけない若者は自分を殺して生きているのだ。好奇心の赴くままに生きてみれば直ぐに分かる。思いもよらない事態に苛まれる筈なのだ。ならばやりたい事を素直にやれば其れで充分。
2023/02/26 好奇心の赴くままに生きていれば酷い目にも会う。酷い目に会わないのは好奇心を殺しているからに違いない。好奇心とは自分らしさそして生きる力だ。安全安心を求めるあまりに生きる力を他人に委ねてしまうのだ。だから思い通りに操られてしまう。そして自分らしく生きる人を排除し始めるから質が悪い。
2023/02/25 海で溺れかけた事がある。川に流された事もある。ぬかるんだ田圃に腰まで埋まった事がある。山火事を起こしそうになった事がある。山奥でブルーシートに包まり一夜を過ごした事がある。猿に囲まれ脅された事がある。鍛冶屋に成った事がある。弟子を取った事もある。滅多にない経験が出来て幸せと思う。
2023/02/24 ブランド力とは即ち信用される力。しかも影響力の強い人に信用される事が最も重要になる。其れによりブランドの強さが決まるからだ。故にターゲットを絞り込まなくてはいけない。信用されたい人にだけ信用されるようにするのだ。無暗に姿を晒して有名に成る事は却って信用を無くす事に繋がりかねない。
2023/02/23 伝統的な文化を支える手道具を作る鍛冶屋が不足し文化の継承が危ぶまれている。嘗て鍛冶屋は簡単な道具のみで自由にものを作り出した。だが今の鍛冶屋は便利な機械に頼りきり小回りが利かない。即ち多品種少量に対応できる職人が育っていないのだ。これを好機と捉える鍛冶屋が増える事を期待している。
2023/02/22 能力の低い人ほど自信満々に成る事をダニングクルーガー効果と言う。例えば未熟者がマスコミに取り上げられて舞い上がる。いい加減な知識を自信満々に披露して検証もされずに垂れ流される。其れを見た後進の中には混乱する者も現れる。だが其れで良い。様々な場面で試され篩に掛けられているのだから。
2023/02/21 世の中の殆どの事は発展途上であり未完成だ。自らの間違いを正した所で少しだけ真面な間違いに辿り着くだけ。其れなのに他人の間違いを正せると考えていた。矛盾に気付いて教えないし褒めないし叱らないと決めた。即ち判断の多くを相手に委ねると腹を括ったのだ。すると空気がとても穏やかに変わった。
2023/02/20 言う事を聞かない変人だと何時も叱られてきた。だが素直に言う事を聞く人の感性がよく分からないのだ。何故疑わないのか?何故理不尽な事に従うのか?何故規則をなぞらされているだけの人生に疑問を持たないのか?きっとその方が楽に生きられるのだ。残念ながら飼い慣らされているだけにしか見えない。
2023/02/19 今では上質な仕事を頂ける。だが独立したての頃は何が売れるのか分からなかった。試作や見本創りを繰り返したが世間の反応は厳しい。そこで周りに支援を求めたのだ。良いものを創りたいから誰か助けてくれと。そこで漸く長谷川幸三郎さんを紹介された訳だ。精一杯やった後で支援を求めたのが良かった。
2023/02/18 登記簿を参考に家系図を作ってみた。現住所は明治12年に相田藤太郎が登記している。当時の地名は南蒲原郡一ノ木戸村大字鍛冶町。そこから藤六、與次郎、豊吉、優樹男、浩樹へと続く。與次郎は提灯金具を作っていたと聞く。提灯が売れなくなり豊吉が金槌鍛冶に弟子入り独立して金槌鍛冶を始めたのだ。
2023/02/17 小学校の体育で柔軟体操をさせられた。前屈した姿勢で背中を押されて激痛で泣いてしまった。そして今でも変わらず身体は硬いままだ。同様に漢字の書き取りも苦手で今でも漢字がよく書けない。左様に私は苦手な事だらけなのだ。だが玄能だったらちゃんと創れるから大丈夫。出来る事があれば其れで充分。
2023/02/16 私は身体が硬くて関節の可動域がとても狭い。だが今では全く支障がない。身体全体を隈なく使い可動域を補っているからだ。即ち全体を活かせれば部分の至らなさは気に成らなくなる。苦手の克服が要らなく成る訳だ。所で身体の柔らかい弟子達は身体の使い方が私とはまるで違う。其れで良いし其れが良い。
2023/02/15 身体を使う作業は出来ない事実を突きつけてくる。例えば私は身体が硬くて関節の可動域がとても狭い。永年のストレッチでも身体は硬いままだ。即ち報われない努力は有るのだ。所が頭だけで考えていると頑張れば何でも出来ると信じてしまう。身体を鑑みれば出来る事と出来ない事があることは明白なのに。
2023/02/14 もの創りはものが出来なければ意味がない。完成しなければ努力は無に帰し誰も振り向いてくれない。全てが自らの責任であり誰のせいにも出来ない。左様にもの創りはとても分かり易くそして自由なのだ。即ちルールは自ら創り出すことが出来る。全ての責任を自ら引き受けることが出来る。これこそが自由。
2023/02/13 千代鶴是秀は多くの名工の作品を参考にして大工道具のスタンダードを創り上げた。優れた作品に備わる要素を細分化して組み立て直し洗練させた訳だ。この考え方はあらゆる事に応用が利く。例えば新商品開発や事業の再構築にも利用できる。もの創りには人間の営みに欠かせない要素が凝縮されているのだ。
2023/02/12 同じ用途を担う道具に様々な形状が存在する。使用者の指向と作者の熟練度や都合で千差万別に出来るからだ。だがそもそも同じ用途ならばある程度は集約できる。其の過程で洗練できれば新商品が出来上がる訳だ。左様に新商品の構想は幾らでも転がっている。其れを形にする過程がもの創りの醍醐味なのだ。
2023/02/11 鍛冶屋は省力化の為に便利な機械器具を導入した。当初は職人の労力を機械に補わせるつもりだった。所が機械で無造作に出来る程度の作業で満足し始めた。即ち省力化の名の下に手を抜き始めたのだ。すると従来とは似て非なるモノが出回り始め多くは其れで満足した。だが我慢できない人が私に相談に来る。
2023/02/10 機械化や合理化はしたくない。他人が真似できない正当なやり方で続けたいからだ。事業規模は大きくしない。適正規模で気持ちよく続けたいからだ。有名に成りたくない。そもそも必要ないし顔が割れると面倒臭い事が増えるからだ。左様に私は世間の常識からずれている。でも相田浩樹っぽくていいでしょ。
2023/02/09 エビデンスに頼る工業製品的なもの作りは川下に向かう。即ち平均化されて特徴を失い競争に巻き込まれる可能性が高い。ならば資本力の強い所が勝ち残りそうだ。翻って勘に頼る工芸品的なもの創りは川上に向かう。即ち特化されて唯一無二に成れる可能性が高い。ならば競争知らずにのびのびとやれそうだ。
2023/02/08 地元鍛冶の若手と話が通じなくなったと弟子が悲しんでいた。勘を頼りに教えられずに放って置かれる弟子と、科学を頼りに教えられて育てられる他の若手では見えている世界がまるで変わってしまったのだ。其れは弟子の成長の証であり喜ぶべき事といえる。辛い事だが付き合う相手を変える潮時がきたのだ。
2023/02/07 世間に認められるには価値の高い仕事に巡り会わなくてはいけない。価値の高い仕事を紹介してもらえるだけの実力を身に付け辛抱強く待ち続けなくてはいけないのだ。だが多くの人は辛抱出来ずにチャラチャラし始め見る目の無い人達にチヤホヤされ喜んでしまう。彼らが価値の高い仕事に巡り合う事は無い。
2023/02/06 いい加減な職人仕事の動画が高評価されている。上手くもない職人が名人と呼ばれていたりする。左様に世間は見る目の無い人で溢れ返っている。自身をマスコミに晒せばそんな人達に評価される事に成る。ならば正しく評価される訳がないだろう。だから未熟なうちは人目に触れない様に引き籠っていなさい。
2023/02/05 先生の言う事を聞かなかったが反抗もしなかった。落第しない程度に勉強して後は好きにしていた。校則を気に留めずに自分で決めて行動した。左様に主導権は何時も此方にあると思っていた。故に何時でも自由に何でもできた。其れは今でも変わらない。周りが変わってくれなくても結構自由にやれてしまう。
2023/02/04 学校は時代に沿った労働力に人を適応させる為の装置だ。故に学校はやった事の無い事をさせてくれる。即ち潜在的な資質に気付かせてくれるのだ。所で私は鍛冶屋の遺伝子を受け継いできた。学校では孤独を好み分析が得意だと気付かされた。其れらを組み合わせて時代遅れの鍛冶屋の復興を企んでいる訳だ。
2023/02/03 もの創りの家系ゆえにもの創りの資質が私にはある。先祖の成した事に関する資質を誰もが持っている筈なのだ。だが多くの人は其れに目を呉れずに無関係な事を始める。受け継がれた資質を断絶させようとするのだ。そもそも学校はその為の装置だ。良くも悪くも資質の無い事をさせるのが学校の役割なのだ。
2023/02/02 変わる必要があると思うから辛くなる。選択肢は無限だから混乱してしまうのだ。故に今迄の自分のままで出来る事を始めればいい。すると選択肢は狭まり出来る事は限られてくる。だが其の選んだ事の中にこそ無限の可能性はあるのだ。外に目を向けるから見えてこない。無限の可能性は自らの内にあるのだ。
2023/02/01 人は変わることが出来ない。故に私は微塵も変わるつもりがない。そして他人を変えようとも思わない。ただ自分を其のままに活かし他人も其のままに活かすだけ。其れで私の周りは充分に丸く収まっている。SNSでつぶやいているのも誰かを変える為ではない。賛同してくれる人を周りに集めたいだけなのだ。
2023/01/31 褒める事、或いは叱る事でさえ相手を依存させる事が知られている。故に私は弟子達を褒める事も叱る事もしない。ただ寄り添い見守るだけにしている。所が教育関係者から非難される事がある。褒めて導く事の何が悪いのかと。だが教育の目的は自立を促す事だろう。ならば導く事は矛盾しているではないか。
2023/01/30 褒める事や叱る事が人間の成長に大して役立たない事が分かっている。褒めて伸ばす教育を推奨する心理学者も現在では少数派に成った。結局は成る様にしか成らないという事だ。其れでも人は他人を褒めたり叱ったりする。建前では相手の事を思っての事なのだろう。だが本当は自己満足の為に違いないのだ。
2023/01/29 上手い人は自らを過小評価する。故に過小の克服に努め益々上手く成る。翻って下手な人は自らを過大評価する。故に自信満々に振る舞い益々下手に成る。だが多くの人は騙されてしまう。謙虚な上手を下手と捉え自信満々な下手を上手と捉えてしまうのだ。しかし本当に上手く成る人には其れが気に成らない。
2023/01/28 上手い人は良い仕事に巡り会える。すると良い仕事をして益々上手く成れる。この循環がとても大切なのだ。だが誰もが最初は下手糞だ。故に将来に期待してもらうしかない。ならば今は好機だ。未熟なうちに浮ついた目立ち方をする人がとても多いからだ。真摯に続ける姿を見てもらい良い御縁に恵まれよう。
2023/01/27 ノイズに溢れた産地に身を置いて私は混乱していた。科学に頼る鍛冶仕事に憧れた時期もある。玉鋼の勉強に勤しんだ事もある。だが長谷川幸三郎師匠はそんなノイズに目を呉れなかった。有触れた材料を使い勘を頼りに精度高く創れば良いものは出来る。ただ其れだけで商売を成り立たせろと励ましてくれた。
2023/01/26 上手い人は隠す必要も飾る必要もない。ただ在るだけで足りている。翻って至らない人はノイズで本質を覆い隠す。ノイズで不足を補い良さそうに見せるのだ。その手法はビジネスに於いて王道であり否定される事ではない。だが永遠に上手く成る事は無い。そして永遠に隠したり飾ったりしなくてはいけない。
2023/01/25 勝つ人が上手いとは限らない。上手い事は勝つ為の一手段に過ぎないからだ。そもそも本当に上手く成る人は勝つ事に執着がない。資質を活かして技を極める事に集中するのだ。そしてただ上手いだけで勝つ必要は無くなり静かに活躍し続ける。だが勝つ事に執着する人は何時か負ける時が訪れ引退は免れない。
2023/01/24 自分にとっての幸せとは何か?其の答えが自分らしさであり其れに巡り会う旅が人生だ。そして自分らしさを実感し易いのが身体感覚を磨く事。思い通りに且つ楽に動ける動き方を見つけ出すのだ。すると自らの最適を感じ取る感性が磨かれ始める。そして誰とも違うし違って良いという事を気付かせてくれる。
2023/01/23 教え合う事をよしとする風潮がある。だが教え合うのではなく学び合わなくてはいけないのだ。例えば事象を分析して要素分解し自分なりに解釈する。取り入れてみて細部を調整し続ける。すると感性が磨かれ教えられずとも学び取れる様に成るのだ。教えられて育った人とは別次元の世界を体験できるだろう。
2023/01/22 仕事と私生活は切り離さない。混然一体とした一つの人生と捉えているからだ。だが視点は一つに絞らない。却って散漫にさせているくらいだ。すると様々な視点の相乗効果で学びが深くなる。即ち感性が磨かれ全てから学べる様に成るのだ。この感覚が身に付くと恐れが少なくなる。何とかなると思えてくる。
2023/01/21 教えないと出来ない人が多すぎる。教えられて出来る事など僅かだというのに。多くの事は暗黙知として潜んでいる。大切な事は自ら察して読み解かなくてはいけないのだ。だが教えられる事に慣れてしまうと鈍くなる。だから群れから離れて孤独に一人で取り組もう。群れていては鈍く成り続けるだけなのだ。
2023/01/20 教えないと出来ない様では上手く成れない。本当に上手く成る人は教えられることを嫌うくらいなのだ。故に教えない事を条件に弟子を受入れようと企んだ。其れを承知で来てくれるなら上達の見込みが有る訳だ。結果として弟子達は教えなくても上達してくれる。上達するか否かは素材が全てだと言っていい。
2023/01/19 出来の悪いものが高値で売買されている。マーケティングやブランディングを駆使して良さそうに見せているのだ。玄人目に至らなさは明白だが素人は騙されてしまう。だが其れも商売の一形態として受け入れられている。ならば其れよりも遥かに良いものを創ればいい。素人でも明確に分かる程に良いものを。
2023/01/18 良質な手道具が手に入らないと泣き付かれる事が多い。職人が引退して出来なくなったというのだ。持ち込まれる見本を見れば改良の余地の残る不完全なものが多い。そもそも良質な当該品が流通していなかった事が分かるのだ。ならば完成度を上げたものを提供すればいい。熱烈な信奉者に成ってくれる筈だ。
2023/01/17 他人に出来る事や出来そうな事には手を出さない。他人がやりたがらない仕事をやる様にしている。故に今売れているものには手を出さない。必要とされるのに手に入らないものを手掛けたいのだ。そしてそんな依頼が後を絶たない。故に私は死ぬまで仕事を楽しめる。弟子達も充分に仕事を続けられるだろう。
2023/01/16 筋肉は身体操作に専念させたい。故に脱力して作業したい。云わばFR車の様に動きたいのだ。FR車なら前輪を操舵に専念させられる。翻ってFF車は前輪を駆動と操舵に充てる必要がある。故にFF車の動作は荒くなってしまう。即ち繊細な動作は脱力で獲得できるのだ。身体の駆動は重力を最大限に活かせばいい。
2023/01/15 弟子を受け入れてから腹痛が続いていた。胃が痛む程に大変な事なのだと周りからは忠告されていた。だが弟子が来てから工場内で屁をこいていない事に気が付いた。弟子に気を使って屁を我慢していたのだ。そこで我慢せずに屁をこいてみた。すると腹痛はすっかり収まったのだ。そんな事ってよくあるよね。
2023/01/14 傑作に憧れるにも二通りある。一方は傑出した技能に憧れる場合。彼は優れたものを創る為に時間と労力を惜しまない。もう一方は名声や報酬のみに憧れる場合。彼は似て非なるものを慌しく作り幻想的な物語で売り抜けようとする。所で日本のもの作りの劣化が激しい。名声や報酬の為に急ぎ過ぎているのだ。
2023/01/13 ワクチン接種後の高熱が引いた後に倦怠感が続いた。筋肉に力が入らず充分に動けなくなった。故にその状態で動ける方法を模索せざるを得なかった。すると重力を活かせば充分に間に合う事が多いと気付いたのだ。即ち身体を緩めて重力に身を任せるのだ。筋肉に頼るより遥かに正確かつ滑らかに作業できる。
2023/01/12 以前は筋肉を緊張させて身体各部の位置決めをしていた。呼吸を止めて身体のブレを押さえていたのだ。すると肩に力が入り動作は荒く成った。だが今では筋肉を緩めて作業をしている。深く息を吸い込みゆっくりと吐くのだ。すると肩の力が抜け正確かつ滑らかに動ける様に成る。緩んだ身体を標準にしたい。
2023/01/11 始めたい時に始めてきた。止めたい時に止めてきた。取り立てた理由などない。だが理由を聞かれたならそれらしいことを答える。即ち理由は全て後付けなのだ。恐らく私だけではないだろう。遺された自伝などは全てその類に違いない。故に始めるにも止めるにも理由など要らない。理由は後付けで構わない。
2023/01/10 始めるのに理由は要らない。止めるのにも理由は要らない。それなのに多くの人は理由を探そうとする。自分を納得させたいのか?誰かにお伺いを立てたいのか?だが体の良い言い訳など必要ないだろう。全ての批判を受けて立てばいいではないか。腹を括れば息を吸って吐く様に軽やかに生きられる様になる。
2023/01/09 褒められたいから始める訳ではない。叱られるから止める訳でもない。自立した人はやりたいから始めて止めたいから止めるのだ。所で褒め方や叱り方を指南する指導者は多い。だがその程度の技術で操られる人はそもそも自立できていない。褒めたり叱ったりする事で益々自立できなくさせているともいえる。
2023/01/08 褒められてやる気を出し叱られてやる気をなくす人が居る。だが褒められても叱られても状況は何も変わらない。変わるのは自らの感情だけなのだ。淡々と進められる人は其れを知っている。他人の言動ごときに自らが操られはしない事を。淡々と進める人は自らを自らの意思で冷静に操る事ができているのだ。
2023/01/07 諦めない人が居る。四六時中考え続けている。出来る方法を編み出そうとしている。些細な事象の中に足懸りを見つけようとしている。誰も目もくれない石ころにさえ注意を向ける。彼は幾らでもダイヤの原石が転がっている事を知っているのだ。諦めない人はどんな事からでも深く学べるし学ぼうとしている。
2023/01/06 自分らしく生きたいのに方法が分からないと言う人が居る。子供の頃に大人の都合に身を任せ自分らしさを失くしたのだ。だが中には自分らしさを失わない子供もいる。大人の都合を上回る強い好奇心を備えた子供だ。強い好奇心こそが自分らしく生きる為の原動力に成る。人の顔色を窺っている場合ではない。
2023/01/05 努力が報われる事は稀だ。殆どの場合に報われない。だが報われる人は知っている。正しい目標を正しい方法で正しく続ければ報われるという事を。そして正しいとは自分らしいという事。自分らしいとは身の丈に合うという事。身の丈に合うとは其れ以上を望まないという事。即ち其の人は既に報われている。
2023/01/04 努力は簡単には実らない。実力を測る術もない。故に不安に成る事もあるだろう。だが自ら選んだ道なのだ。自分を信じて歯を食いしばるしかない。すると湯が沸騰する様にいきなり変わる時が来る。かつてない自分に変わる時が来るのだ。其れは得も言われぬ経験に成る。そして何度でも経験したくなるのだ。
2023/01/03 自らを信じて勘を鍛える人がいる。他人の言葉を鵜呑みにせずに検証し続ける。すると出来るまで時間は掛かるが卓越できる。一方で自らを信じず便利な機械器具で勘を補う人がいる。他人の言葉を鵜呑みにして検証する事は無い。すると直ぐに出来るが平凡に終わってしまう。貴方なら何方の道を選ぶだろう?
2023/01/02 目利きに認めてもらえば時間は掛かるが売れ続ける。だが多くの人は辛抱できずに宣伝で良さそうに見せて売り始める。すると一時的に人気は出ても売れ続けない。故にタレントや企業の寿命は短くなった。左様に世の中は一発屋で溢れてしまったのだ。ならばこっそり深堀して実力を付ける好機と言える訳だ。
2023/01/01 効率だけを目指せば工芸品は工業製品化されていく。早く安く均一な生産を目指すからだ。そして科学的な分析で其れは達成された。だが科学は全体の一部を解明したに過ぎない。科学の外側には広大な未開地が残されているのだ。しかし多くの人には其れが見えない。感覚を磨いた人にだけ見える世界がある。
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玄能日記 私のどうでもいい日記です。
お暇な方だけどうぞ。(笑)