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  浩樹印 ダルマ玄能180匁

・鍛冶にこだわる? その2


私の家は随分と古くからの鍛冶屋で、

昭和初期までは

提灯(ちょうちん)金具などを製造していたと聞いておりますが、

その需要の減少により、

祖父の代から金槌の製造を始めました。


ところで、

私が親の経営する工場に入ったのは、

金槌鍛冶の跡を継ぐためではなく、

工場の片隅を借りて起業するためであり、

最初は鍛冶屋になるつもりなどありませんでした。

ですから、

当初は前職を生かした金属プレス加工の仕事で生計を立てるつもりでいたのですが、

親の仕事を手伝ううちに、

そちらに興味を持ち始めました。


親が当時やっていた仕事は、

昔ながらの製法での普及品金槌の製造で、

とてもこれからの時代に対応できるとは思えませんでした。

そこで私なりに製造方法や段取りに、

今迄とは違った工夫をしてみたのです。


昔は金槌を製造するのに鍛冶仕事が適しておりましたが、

現代では鍛冶に頼らずともそれを行う技術はたくさんあります。

ですから、

出来るだけ鍛冶などという前時代的な方法をとらずに、

もっと効率よく高品質な商品を作りたいと思ったのです。

しかしそのつもりで努力するのですが、

どうしても上手くいかないことが出てきて、

それを解決できませんでした。


そもそも、

圧倒的に金槌についての知識が乏しかったのですから、

当然と言えば当然なのですが、

その時点で改めて猛烈に勉強する必要に迫られました。

そしてその時になり初めて気が付くのです。

どうも金槌造りに鍛冶仕事は避けて通れないようだと。


しかし地元の工業支援施設に相談しても、

担当者は鍛冶技術の知識がなく、

鍛冶などは時代遅れだから、

すぐにやめた方が良いと指導されるありさまで、

せっかく鍛冶仕事の重要性に気づき、

これから始めようという矢先に、

とても残念で気分の悪いものでした。


また地元主催の関連するセミナーに参加してみたものの、

そこでも金槌に関する深い知識を持つ人がおらず、

とうとう私は大きな壁に突き当たり、

二進も三進もいかなくなってしまったのです。


その時になって初めて決意するのです。

とにかく自分の力でやるしかないのだと。

ここまで来たら、

鍛冶の世界にどっぷりと浸かってやろうじゃないかと。


こだわると言う言葉は、

進歩が止まるニュアンスがあるため、

あまり好きではありませんが、

鍛冶仕事は探求すればするほど奥が深く、

そしてその重要さに気付く毎日ですから、

「鍛冶にこだわる?」と聞かれれば、

「とことん鍛冶にこだわる!」と言わざるを得ないのです。
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今日も読んでいただいて、ありがとうございました。
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