玄能・金槌・パチンコ槌・各種ハンマー製造                     HOMEサイトマップ
相豊ハンマー
           ご意見やご感想はこちらまでメールで送ってください。
blogtop 「心の章」top 「技の章」top 玄能日記 プロフィール 企業概要
求人連載 たった一人の継承者に向けて
未だ逢えぬ君へ送る・・・「心の章」

   浩樹印 四角玄能80匁

・山彦


千代鶴是秀さんの作った「山彦」を1,996年に、

神戸の竹中大工道具館で見ました。

これは明治神宮拝殿や観世流松濤能舞台の棟梁をつとめた野村貞夫さんが、

1,953年に手に入れたもので、

是秀さんが生涯に作った二十個ほどの玄能の一つです。


当時の私は鍛冶屋になるつもりがなく、

注意して見なかったせいもあり、

あまり記憶にありません。

鍛冶仕事に興味を持ち、

1,999年に勉強のために再訪したのですが、

改めて仔細に眺めても、

何処が良いのやら、

さっぱりと分かりませんでした。


その後、

2,000年に長谷川幸三郎さんに弟子入りしましたが、

暫くして、

師匠が山彦の模写をした時の話をしてくれました。

「見た目の印象で作ってしまうと、

形状に変化が付きすぎて嫌らしくなってしまう。

だから見た目以上に単純に作らなくてはいけないが、

単純なものほどごまかしがきかないので難しかった」と言っていました。

そして、

「俺は玄能に少し変化を付けたが、

あんたは俺の真似をしちゃあいけない。

自分の型を作らなくてはいけません。

だから、

出来るだけ変化を付けずに真っ直ぐに作りなさい。

それが一番に玄能が効く形なのだから」と。


師匠の下で勉強させてもらいながら、

玄能の有るべき姿を自分なりに思い浮かべてみると、

その理想像が山彦に近づいていきます。

精度高く単純な形状でありながら、

機械的な冷たさのない温かみ有る造形。


山彦を見るたびに新しい発見が有り、

今では生涯の目標になっているのです。
前に戻る       次に進む
今日も読んでいただいて、ありがとうございました。
 関連記事
求人連載 たった一人の継承者に向けて
未だ逢えぬ君へ送る・・・
「心の章」
求人連載 たった一人の継承者に向けて
未だ逢えぬ君へ送る・・・
「技の章」
玄能日記 私のどうでもいい日記です。
お暇な方だけどうぞ。(笑)