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・対峙から融和へ


早速幸三郎さんに電話をし、

是非お会いしたいと申し出たところ、

「私は引退した身であり、

誰にも話すことなど無い。

あんたになど会いたくない」と、

あっさりと断られてしまいました。

そこを何とかと粘りに粘った甲斐もあり、

会うだけならいいだろうと言ってもらえたので、

早速お邪魔させていただいたのです。

(それまで知らなかったのですが、幸三郎さんの家は、私の工場から車で5分程の所でした)


奥の部屋に通されて席につきましたが、

幸三郎さんは開口一番に「何か持ってきたのだろ?それを出しなさい」と言うのです。

そこで私は持参した鋼付八角玄能300gを取出し、

幸三郎さんの前に差し出したのです。

改めて自分が見ても出来の悪い玄能モドキです。

ですが幸三郎さんは「とても良く出来ています」と言うのです。

私は耳を疑いました。

そしてすぐに「私は素人の作ったものは、褒めるようにしているのです」とも言うのです。

確かにそれは自分一人で初めて完成させた玄能で、

素人と言われて腹も立ちませんでしたが、

その時の幸三郎さんの表情が、

初めとは少し変わっていることに気付いたのです。


その後に幸三郎さんは、

矢継ぎ早に私に質問を始めたのです。

何処の馬の骨であるのか。

親方やその先代について。

普段どんな仕事をしているのか。

普段どんなお客と取引しているのか。

玄能については誰に教わったのか。

鋼付けは何を参考にしたのか。

鋼付けはどの様にしたのか。

などなど。


あれほどまでに拒絶していたのに、

質問攻めにあったのです。

私はそれらの質問に一つ一つ答えながら思ったのです。

私が鋼付玄能を作るにあたり、

簡単に他人に頼らずに、

自分の頭で考えて行動したおかげで、

どんな質問にも答えられるからこそ、

幸三郎さんも真剣に対応して下さるのだろうと。


そしてその日はほぼ質問に答えるだけで終わりましたが、

次に進むためのヒントを頂くことが出来たのです。


因みに後日幸三郎さんに聞いたのですが、

自分で完成させたものを持たずに訪問していたなら、

相手にしなかったということです。
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今日も読んでいただいて、ありがとうございました。
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