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浩樹印 ダルマ玄能250匁

・味


私の玄能は真面目すぎて「味」が無いと言われることがあります。

先ず申しあげておきたいのは、

私の製作姿勢が「道具の姿形はその機能の追及により自ずと現れるものであり、

無用な事をせずに、

出来るだけ単純に作ることでそれはもたらされる」と心がけているということです。


道具として持つべき機能を追求し、

出来るだけ単純な作業により、

精度高く且つ理に適った形状を目指していく作業は、

想像以上に根気が必要です。

何故ならば、

形状に少しの狂いが出ただけで、

その歪みが大きく目立ってしまうという、

負の要素を同時に抱え込むことになるからです。

また鍛冶仕事は、

熱による素材の劣化を避けるために、

無駄なく流れるような作業が求められるので、

それも意識しつつ、

毎日その課題に取り組み続けなくてはいけません。


実は形状の狂いを目立たなくするのは簡単です。

単純な形状からやや変化をつけたものに変更すればいいだけです。

他にもさまざまなに目をくらます方法は有りますが、

安易な方法に逃げることは、

精度を高める精進を放棄することに繋がり、

それ以上の進歩は期待出来ません。


ですから、

敢えて狂いが目立ってしまうという負の要素を抱えつつも、

精度を上げていく努力を積み重ねていくからこそ、

本当に精度高く美しいものが出来上がるのだと信じて、

仕事を進めていくことが大切です。


そして、

その積み重ねられた精進の結果として、

商品に現れてくる洗練された姿形に「味」は香り立つのであり、

こね繰り回した作為的なものには「癖」は有っても「味」は無いと感じています。


装飾を付加するのは味が出た後で充分間に合うと思いますから、

当分の間は益々出来るだけ単純に、

私は造り続けなくてはいけないのです。
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今日も読んでいただいて、ありがとうございました。
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