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   100匁玄能用S55C丸棒

第五章 玄能・金槌の素材
・丸鋼玄能・金槌に適した材料


先述のとおり、

丸鋼玄能・金槌の頭部には鋼が使われます。

詳述すると、

機械構造用炭素鋼に分類される「S55C」という鋼種になり、

その丸棒を使用します。

S55Cは、

鉄に0.52%〜0.58%の炭素が合金されたものですが、

合金鋼(炭素鋼に一つまたは数種の元素を添加した鋼)と比べ、

焼入れ性(焼きの入り易さ)が良くありませんが、

この焼入れ性が良くない性質が、

玄能・金槌には向いているのです。

S55Cは焼入れ性が良くない為に、

水焼入れしても、

表面から3〜5mm程度しか硬く成りません。

故に、

焼入れ方法を工夫することにより、

鋼付のものと同様に、

胴中は軟らかく打撃面を硬く作り分けることが出来ます。


焼入れ性が良い材料の場合は、

表面だけでなく全体が硬く成り易い為に、

胴中は軟らかく打撃面を硬くという作り分けは難しい訳です。


また、

S55Cと同様の炭素鋼でも、

炭素量の多い高炭素鋼になると、

焼入れしたままでは玄能・金槌として硬すぎます。

また、

硬いが故に脆いので、

焼き戻しをして、

少し軟化させ粘り強さを得る必要があります。

ですが、

S55Cであれば、

焼入れしたままで丁度良い硬度が得られると共に、

火造りの鍛錬と焼入れの操作が適切に行われていれば、

焼き戻しをしなくても、

充分な粘り強さも発揮してくれます。


なお、

S55Cよりも炭素量の少ないS45C(鉄に0.42%〜0.48%の炭素が合金されたもの)等では、

焼入れしても硬度が足りず、

玄能・金槌として用を為しません。


左様に、

玄能・金槌に理想とされる硬さと粘り強さを比較的容易に得られ、

且つ、

深く焼きが入らず表面だけ硬く出来る性質こそ、

S55Cが玄能・金槌に向いている一番の理由です。


また、

その丸棒を使用する理由は、

流通量が多く、

様々なサイズのものを手に入れ易い事と、

火造りの際に所定の形状に成形しやすい事がその理由です。
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今日も読んでいただいて、ありがとうございました。
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