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相豊ハンマー
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玄能日記
日々感じる事を思いのままに書き連ねてみます。
2019/12/31 仕事は自分を最大限且つ最善に活かすことの出来る最高の遊びだ。なによりも仕事が面白いと不平不満が少なくなり穏やかに暮らすことが出来る。不平不満が多い人は自分を活かし切れて居ないのだ。そして自分を活かすには他人を活かす事から始めなくてはいけない。来年も他人を活かす事に全力で臨みたい。
2019/12/30 「日記の様なブログでは集客できない。具体的に商品の特徴を書くべきだ。」と某コンサルに指摘された。だが其れは目先のPRに過ぎず、私は二手先三手先を見てPRしているのだ。私に興味を持ってもらい、私の気付いていない私に出来そうな事を潜在顧客から提案してもらう為に、日記の様に書いているのだ。
2019/12/29 玄能に木柄を仕込む際には木の復元力を最大限に活かさなくてはいけない。太めの木柄を強引に叩き込むと復元力は殺されて却って抜け易く成るのだ。和釘も強引に叩き込むのではなく適当に開けた下穴に差し込んで使用するものなのだ。個性を殺さずに活かす工夫をしたからこそ、長く受け継がれて来た筈だ。
2019/12/28 玄能のヒツ穴は精度高い矩形で中程が少し狭まっている。これは木柄との接合を強固にする為の工夫だ。和釘は軸の中程が少し膨らむ様に作られている。これも差し込まれた木部との接合を強固にする為の工夫だ。両者共に木の復元力を最大限に活かす為の工夫なのだ。昔の工人は活かす事が得意だったんだよ。
2019/12/27 高校を退学したいと言って大人達を困らせたが迂闊にも卒業してしまった。私の弟子は大したもので最初から高校進学に興味を持たなかったと言う。だが弟子は頭が良くて気配りも出来、人間性は私よりも優れている。なによりも学歴コンプレックスなど微塵も持たずにとても幸せそうにしている。何か素敵だ。
2019/12/26 壊れた換気扇フードを直すと排気効率が上がった。フードの有無で効率に差が無いと思ったら大間違いだ。玄能も同様に、目方が同じなら効きも同じと思ったら大間違い。作り方一つで全く違ってしまうのだ。左様に人は分かった気に成ると思考停止する。当たり前な事ほど未開の地が残っていると言えるのだ。
2019/12/25 長く続ける事でしか得られない事は多い。長くとは長時間ではなく長期間という意味だ。長時間必死にやって出来なかった事でも、暫く放置してやり直せば出来てしまう事は多い。脳は知識を整理するのに期間を要するのだ。ところがそうとも知らずに諦める人が多いから、長く続ける価値は益々高く成るのだ。
2019/12/24 祖父は私の年齢で引退していた。父は祖父よりも15年程長く働き引退した。私は死ぬまで働くつもりでいる。だから人の役に立ち心穏やかに長く続けられる仕事を選んだ。所で今後は多くの人が長期間働かざるを得なくなる。故に自分に適応した長く続けられる事は何かを早い頃から考えることが大切になる。
2019/12/23 自分を特別と言う人にも、特別だから現状を変えられないと言う人と、特別だから変えられると言う人が居る。所で他人が無意識に出来る事さえ満足に出来なかった特別な私は、同じ結果を得る為に他人と違う方法を取らざるを得ない事が多かった。お陰で特別だから出来る事が無数有る事に気付く事が出来た。
2019/12/22 人を雇いたいと告げると周りの鍛冶屋は反対した。「一人前にするのに10年掛かり、其れ迄は充分な給料を払えない。鍛冶屋は特別だから人を雇えないのだ。」と。だが抽象化してみれば鍛冶屋も他の職種と何ら変わらない。そもそも本当に特別なら、その特別を活かした経営手法を考えれば良いではないか。
2019/12/21 有効な求人方法をコンサル等に相談すれば口を揃えてこう言う。給料と休日は多く、手厚い福利厚生を求人票に明示する様にと。だが我々鍛冶屋にそんな余裕はない。出来る事より出来ない事の方が遥かに多いのだ。だからそんな弱みを覆す程の魅力を創り出し発信しない限り、存在すら認めてもらえないのだ。
2019/12/20 人手不足や後継者の不在が叫ばれる中、手取り足取り教える条件で採用してはいけない。教えないと出来ないなら人手は余計に掛かり、自ら考えて行動出来ないなら後継者が務まる訳が無い。喫緊の課題だからと採用条件の敷居を下げるのではなく、敷居を上げても乗り越えて来る位でないと見込みは無いのだ。
2019/12/19 前職では次々入社してくる手のかかる新人の教育で神経症を患った。彼らは教えないと育たない故に他人の時間を盗み続ける。社長には自ら考える人の採用を迫ったが却下された。だが自ら考える人を採用しない限り自ら考える人は辞めていく。其の後私は辞めて起業し、自ら考える人の採用方法を考え続けた。
2019/12/18 好きで得意だから向いている訳ではない。向いているとはその世界で生き抜く覚悟が出来、その為の手段を尽くす努力が苦もなく続けられる事なのだ。故に好きで得意と感じるのは向いている可能性を暗示している訳だ。そして苦もなく淡々と続けられる事をやることこそ、一番自分らしい人生だと感じている。
2019/12/17 玄能造りに向いていると思わなかった。良い玄能を作りたくても何を目指すべきか分からなかった。師匠の下を訪れ目指すべき方向は見えた。しかし成果は直ぐには現れず淡々とした日々が続いた。随分と経って成果が表れ始め、漸く自分が向いていると気付いた。本当に分かるには長く続ける必要があるのだ。
2019/12/16 鍛冶仕事では毎日新たな発見が有る。故に進化の余地は充分に残されており今後も新商品を多く生み出せそうだ。新商品の発想に重要なのが普段なら絶対に縁の繋がらない人達との交流だ。普段なら絶対に考えない事を考えざるを得なくなり思考が活性化するからだ。そんな縁を繋げる為にもSNSは有効なのだ。
2019/12/15 その道一筋の人にも時代の変化に対応できる人とそうでない人が居る。両者の違いは抽象化能力の有無による所が大きいと感じる。抽象化できる人は技能を他の分野に活かすことが出来る。抽象化できない人は応用が利かずに行き詰まる。教えられ続けてきた人と編み出し続けてきた人との違いではなかろうか?
2019/12/14 難聴なので電話にでる事が苦手だ。故に電話での応対をファックスやメールに切り替える様にした。お陰で応対ミスを大幅に減らすことが出来、オマケに使える時間が大幅に増え、集中力が持続して良い仕事が出来る様に成った。左様に我慢してやるより、やらなくて済む方法を考えた方が効率良く出来るのだ。
2019/12/13 弟子の育成には膨大な手間が掛かる。だから教えなくても育つ方法を考えてみた。放置しても安全に出来る様に作業を組み立て直した。端から教えない事をブログやSNSで告知して求人した。そもそも教えないと出来ない様ではモノに成らないと考えていた。お陰で手間が掛からず私も自由に仕事が出来ている。
2019/12/12 自由に仕事がしたいなら実力を付けるしかない。だが単に実力を付けるだけでは誰も言う事を聞いてくれない。実力を活かして周りに利益をもたらして初めて、周りは進んで言う事を聞いてくれる様に成る。威張る必要も金持ちになる必要も無く、周りに儲けてもらうことで、自由に仕事が出来る様に成る訳だ。
2019/12/11 頭部に明けたヒツ穴が実は玄能最大の弱点であるとか、玄能頭部自体の縦横比や、ヒツ穴の大きさや縦横比を少し変えただけでも使用感は大きく異なるとかは私にとって常識だが、気付いていない鍛冶屋は多い。楽しく仕事をしていれば自ずから気付く事でも、嫌々やっていたら絶対に気付けない事は多いのだ。
2019/12/10 頭部に明けた穴が玄能の最大の弱点なら穴を小さく作れば良い。但し差し込まれる木柄も細く成り負担が増えてしまう。そこで負担軽減の為、正確に叩ける様に全体を精度高く作る必要が有る。殊に穴は少し傾いたり歪んだりするだけで正確に叩けなくなってしまう。故に穴は殊更精度高く作る必要が有る訳だ。
2019/12/09 玄能は木柄を頭部の穴に仕込む事で、頭部のみで叩くよりも遥かに高い打撃効果を得られる。だが穴は頭部に空洞を作り、力を分散させ効き難くさせる最大の弱点にも成るのだ。故に穴の短所を最小限に抑え長所を最大限に活かす設計が求められる。弱点に気付きそれを受け入れたからこそ得られた知見なのだ。
2019/12/08 知的作業をしている時は目の前の事に囚われそれ以外を考える余裕が無い。鍛冶仕事をしている時は目の前の事に集中している筈なのに、色々な考えが駆け巡り新たな発想が湧いてくる。それは、鍛冶仕事が具体(物理現象)と抽象(理論構築)の往復を意識し易く、故に思考が活性化され易い為ではないのか?
2019/12/07 人は変われると言われてその気になるのは、自分でない何者かに成れば問題が解決すると思っているからなのか?もしそうであるなら、自分でない理想像を追いかけるなどは、問題の周りをグルグルと回っているに過ぎない。自分の限界を認識したうえで最善を尽くす方が、どれだけ問題解決に繋がるだろうか。
2019/12/06 人は変われるなんて言われて右往左往するから、自分の本質を見失ってしまう。そもそも自分以外の何かに変われる筈が無いのだ。故に運命は決まっているともいえる訳だ。その決められた中で最大限且つ最善に自分を活かすことで、運命に磨きを掛ければ良い。其れが人間に与えられた使命なのではないのか?
2019/12/05 下手な人は半端なやり方を数多く身に付け、それに囚われ新たなやり方を編み出せない。上手な人は、細かなやり方を全て身に付けている訳ではなく、やる事に応じてその都度やり方を編み出している。やり方を抽象化しておき、臨機応変に取り出して組立てるのだ。達人の心身が身軽に見えるのはそのせいだ。
2019/12/04 玄能造りで褒められる事は無く、商売が上手く行くとも思えなかった。ところが師匠の下に通い始めて加速度的に上達し始めた。師匠も「この子ならいけそうだ」と周りに協力を仰いでくれた。誰も私の資質に気付かなかったのに、師匠は気付いて容易に引き出してくれた訳だ。一流の人とはそういう人なのだ。
2019/12/03 高校二年生の時にマスター・ヨーダから衝撃的な事実を教わった。それは、喜怒哀楽の感情は他人から与えられるのではなく自らが生み出しているという事。資質(フォース)を持っていても、それに気付かなければ無いに等しいという事。資質が有ることに気付いても、使いこなせなければ只の人だという事。
2019/12/02 嫌いな事を我慢して生きる人は、独自の人生を生きる努力を放棄している。故に嫌いな事を指示した誰かの為に人生を捧げることに成る。好きな事で生きる人は生き様を自ら編み出す覚悟が出来ている。故に唯一無二の人生を歩むことが出来るのだ。好きな事で生きるとは、唯一無二を生み出し続ける事なのだ。
2019/12/01 嫌いな事を我慢して生きる方が楽かもしれない。指示通りに生きれば済むからだ。好きな事で生きるには生き様を自ら編み出さなくてはいけない。お手本が限りなく少ないからだ。だが好きな事を始めれば編み出す作業も楽しいことに気付くだろう。好きな事に徹底的に取り組んだ経験の有る人なら分かる筈だ。
2019/11/30 嫌いな事を我慢してやって得られる程度の平凡な能力では生きていけない。好きで得意な事を精一杯やって得られる程の秀でた能力でないと相手にされない。だから我慢などしている場合ではないのだ。好きな事なら秀でた能力が身に付くまで収入が少なくても辛抱出来る筈だ。もっと自分を信じても良いのに。
2019/11/29 革新的な事を始めても誰も褒めてくれない。最初は誰も理解出来ないからだ。故に褒められて有頂天になっている様な人は、革新的な事を始められないだろう。それに対して、褒められずとも嬉々として取り組める人も居る。好きでやらずに居られないのだ。其の様な人が革新的な事を思わず始めてしまうのだ。
2019/11/28 至らない現状の改善の為に自分を変えようとする人は多い。だが其れは自分を否定するだけでなく他人の否定にも繋がる。そもそも変わるなんて勿体ない。有りの儘の自分を受入れ精一杯活かし切れば良いのだ。自分を認める事で、他人を認めて活かす事も出来る様に成り、自ずと問題は改善されていくものだ。
2019/11/27 勉強のやり方が分からず勉強が出来なかったので、勉強のやり方を研究してみたのだ。色々と調べてみたが自分に向いた勉強法は見つからなかった。そこで自分流の勉強法を編み出したところ、簡単に出来るようになった。最大限且つ最善に自分を活かすには、自分に向いたやり方を編み出す必要が有るだろう。
2019/11/26 結果とそれを導く為の過程を共に細分化し、対応するもの同士を関連付けて頭の隅に入れておく。必要に応じて取り出し多様に組み合わせる事で、様々な状況に対応出来るのだ。ところで、この様な解を導く為の思考法が「釣り方」なのであり、具体的な方法を教えるのは「魚」を与えていることに成ると思う。
2019/11/25 鍛冶技術を科学的に検証出来るかと問われれば、出来るだろうが必要ないと言いたい。勘を頼りに理論を組み立て、作業の再現性を高める事で充分だろう。科学的に検証された理論でも、より良い方法が見つかればどうせ捨てられてしまう。出来たモノが良いと評価される事が、充分な検証に成ると思っている。
2019/11/24 正確に槌を振り降ろす感覚とバイクのコーナーリングの感覚は似ている。玄能のヤスリ掛けや打面を研ぐ感覚と、スキーで滑る際の足裏の感覚は似ている。何かと何かが似ていると気付いたなら、互いに応用を利かせられる筈だ。初めての事でも似た物から応用を利かせれば、短期間に上達できる可能性が高い。
2019/11/23 映画「ライトスタッフ」が大好きだ。人其々に持てる資質が大きく異なり、その資質を最大限且つ最善に活かせた時には、驚異的な事が出来てしまう事を教えてくれる。チャック・イエーガーだからこそ音速の壁を破り、アラン・シェパードだからこそアメリカ初の宇宙飛行に成功出来た事がとても納得出来る。
2019/11/22 資質を存分に活かして人の役に立つことが私の夢だ。資質を活かす行為は自分を認めるということ。人の役に立つ事も自分を認めること繋がる。共に豊かな気持ちに成れる筈だ。ところで好きや得意に成るのは資質が活かされている証だろう。ならば好きや得意という感覚に素直に従えば、夢は叶い易く成る筈。
2019/11/21 苦労を苦労とも思わない稀な人物と評された事が有るが、それは勘違いだ。鍛冶仕事は私に向いているので苦も無く出来てしまう。其の上、自分の資質を最大限且つ最善に活かす工夫が好きなので、難しい仕事も出来てしまう。そもそも向いている事を好きなやり方で出来ているので、苦労などしていない訳だ。
2019/11/20 諦めなければ夢は叶うというが、夢を叶えた一握りの人の言う事は信じ難い。そもそも夢破れた人の中にも諦めずに頑張った人は数多いる筈だ。では両者の違いは何か?其れは資質の差に違いない。資質を活かせる適切な夢を設定し、資質を活かせる適切な努力を諦めずに続けたなら、夢は叶い易くなるだろう。
2019/11/19 過飾なだけの手道具は使う程に至らなさが気に障る。精度高く作られた手道具は使う程に心地よく更に使い込みたくなる。又、精度の高さは過飾に負けない美しさを匂い立たせる。だが美しく見せる程に精度高く作るのは容易ではない。資質を備えた者が、更にその資質を磨き上げる事で辿り着ける世界なのだ。
2019/11/18 大人達の言い成りに振舞う同級生を見て、何故自分を大切にしないのか不思議に思った。褒められて有頂天に成る姿が哀れに見えた。自分を大切に思う私は彼等と距離を置いて過ごした。実は今でも同様に感じている。何故多くの人が自分の資質を探ろうとしないのか?何故貴重な資質を活かそうとしないのか?
2019/11/17 好きな事や得意な事が分からないなら、他の概念に置き換えてみたら分かるだろうか?例えば「好きで得意」を「人の役に立てて、やっていて苦にならない」と置き換えてみるとか。因みに、自信が有る人の境地が分からない私は「自信が有る」を「自分らしく生きている」に置き換えて目指すようにしている。
2019/11/16 何時までも飽きないのは、その事象から得られる情報が多い証拠なのだ。直ぐに飽きるのは、その事象から得られる情報が少ない証拠なのだ。だから飽きないという事は素質が有るという事なのだ。職業の選択に好き嫌いや得手不得手を参考にする人は多いが、飽きるか飽きないかを参考にしてみるのも面白い。
2019/11/15 モノやサービスを購入する際にネットで数社を比較することは多い。提供者は独自の強みや売りを強調しているつもりだろうが、何処も同じに見えて良否の判別は付き難い事が多い。そこでSNSやブログで提供者の人間性を確認してみるのだ。ウェブサイトは立派でもSNSやブログには本性が現れる事が多いのだ。
2019/11/14 独自の強みや売りを考える際に自分自身を分かっていない事に気付いた。そこで物心付いた頃から現在に至る迄の事象と心象を書き出して分析してみた。それに一年かけて取り組んでみたのだ。そこでの一番の気付きは、地道に分析することが好きで得意だということ。それは鍛冶仕事に欠かせない能力なのだ。
2019/11/13 娘は高校で芸能関係に進む技能を学びつつ、チアリーディング部に所属し活動した。目指す市場で最大限且つ最善に自らを活かす為、セルフブランディングの重要性を私は説き続けた。ところで、もし其れが学校の必修科目だったなら、生徒は自らを活かす秘訣を身に着け、在学中から存分に活躍出来るだろう。
2019/11/12 娘が中学3年生の時に言った。「私みたいに勉強の嫌いな子は普通の高校に入っちゃダメなんだよ」と。娘は自分の事が良く分かっていた様だ。私の場合は自分の事を知ろうともせず、進学先を誤り酷い目にあった。其処で進学先を自由に選択させ、激励の言葉を送った。「やりたい事に命懸けで取り組め」と。
2019/11/11 20年程前の事、知人と一緒に営業した事が有る。相手の要望に沿えず商談は不成立となった。私は見切りを付けて理想とする相手を探し始めた。知人は諦めずに相手の要望に沿わない営業を続けた。相手を活かせなければ自分も活かせない事に知人は気付いていない。其の後改めて私にのみ商談の依頼が来た。
2019/11/10 自分を正確に知る事で、自分を最大限且つ最善に活かす道が見えて来る。得手不得手が分かり、やるべき事が明確に成るからだ。やらないと決めた事は得意な人に委ねればいい。職業の棲み分けはそうやって出来てきた筈だ。不得手を他人に委ねる事に躊躇する限り、自分をより良く活かす好機も巡ってこない。
2019/11/09 幼い頃から一人遊びが好きだった。字も読めないのにプラモデルを黙々と作っていた。河原に行き物思いに耽る事が好きだった。ザリガニや魚を釣る事に夢中だった。何時も一人で居たので誰にも邪魔されなかった。お陰で資質を伸ばし活かせたのだろう。多くの人は群れる事で自分を見失っていくのだと思う。
2019/11/08 本当の自分を知る為に、幼い頃を思い出してみよう。好きな場所は何処だった?何をして遊んでいた?誰の事が好きだった?何が嫌いだった?そして何故そうだったのか、幼い頃に好きだった場所に行き、充分に時間を掛けて思い出してみよう。すると世の中に洗脳される前の本当の自分の姿が見えて来る筈だ。
2019/11/07 より良く生きる為の素材は既に自分の中に有る。素材を上手く組み合わせる人が成功し、下手な人は失敗する。素材自体に優劣は無い訳だ。故に素材の有る事に気付かない人は、人生を自ら操縦することが出来ない。だから自分に備わる素材を正確に認識する事。言い換えれば自分を正確に知る事が大事なのだ。
2019/11/06 一部の流通業者に理不尽な扱いを受けて苦しんだ鍛冶屋は多い。そんな鍛冶屋に跡継ぎが出来る筈も無く廃業が相次いだ。お陰で需要の有るモノさえ出来なくなっている。だから鍛冶屋に好機なのだ。売るモノが無くて困っている流通業者にどんどん売ってもらえば良い。売り手が多く作り手は希少なのだから。
2019/11/05 流通業者に搾取されていると感じるのは本人の能力不足が原因だろう。依存するだけで相手を活かしきれていないのだ。相手の能力を信じて活かせれば、自分の能力を活かす機会も増える。ならば受け取るものは確実に増える筈なのだ。「囚人のジレンマ」を克服できない限り、自分さえ活かすことは出来ない。
2019/11/04 流通業者に搾取され続けるほど馬鹿じゃないと言って直販を始めた社長が居た。取引先の流通業者を外し個人顧客の開拓に乗り出すと言うのだ。新規顧客の獲得コストは既存顧客維持の6〜10倍掛かるという。顧客数が増えれば維持費も更に掛かり始める。例え販売単価が上がろうが、割が合うとは思えない。
2019/11/03 何時もは上手く出来る事でも不注意で失敗する事が有る。すると其れが新たな発見を誘い、更に上手く出来る様に成ることは多い。此れを意図的に起こすことが出来れば、上達は保証された様なものだ。その秘訣は上手く出来ている事でも少しずつやり方を変えてみる事。意図的な変化で新たな発見を促す訳だ。
2019/11/02 影響力の強い人から紹介してもらうにしても、それが誰なのか何処に居るのか分からない。そこで其の人の心を掴める事を想定し、それに適う自分の強みを発信し続け見つけてもらうのだ。腕を磨きつつ発信し続ければ、必ず誰かが声を掛けてくれる筈だ。そもそも私はそうやって師匠を紹介してもらえたのだ。
2019/11/01 職人仕事は一朝一夕には上達しない。ならばどの程度に成れば売れ始めるのか?売る事に熱中して工場を留守にしがちなら、将来性を疑われて何時までも売れない。真面目に淡々と仕事をすれば、目利きに嘱望され早く売れ始める。目利きの問屋や小売屋は今の出来栄えだけでなく、将来性で買ってくれるのだ。
2019/10/31 理想とするお客を自ら探したが出会えなかった。ところが師匠の下で学び始めると、滅多にないお客から声が掛かり始めた。師匠が私を紹介してくれていた訳だ。ところで、師匠からは「自分の宣伝を自分でやってはいけない」と諭されていた。影響力の強い人から紹介してもらう方法を考え続けろと言う事だ。
2019/10/30 前職を辞めた時には交友関係がリセットされた。鍛冶屋を始めた時にも交友関係がリセットされた。弟子入り後にも交友関係は大幅に変わった。そして今でも変わり続けている。左様に、やりたい事を始めると親しい人との別れが多い。だが素敵な人達との出会いも数多訪れる筈なので、安心して始めたら良い。
2019/10/29 やりたくない事を続けているからやりたい事がやれない。そんな時にはやりたくない事を一寸だけ止めてみると良い。いきなり全部止めるのは怖いので一寸試してみる訳だ。すると意外と止めても問題ない事に驚く筈だ。たとえ仲間外れにされても幸運と思えば良い。やれない一番の原因は群れている事だから。
2019/10/28 やりたい事を不安で始められないなら、試しに一寸だけやってみると良い。其れだけで随分と気は楽に成る。出来そうなら続け、駄目そうなら一休みすると良い。休んでいても無意識に考え続けるから、不思議と慣れてしまい不安も和らいでいく。一寸試して頭の片隅に置いておくと、出来る気がしてくるのだ。
2019/10/27 やりたい事をやる為に出来ない理由を潰す事は、皆が普段からやっているのだ。外出する時を考えてほしい。雨が降ったら傘を差し、風邪が流行ればマスクをするだろう。同様に、些細な事から丹念に問題を潰していけば、やがて曙光は射してくる。長い道程に感じるが、結局これが一番の近道だと思っている。
2019/10/26 様々な理由を挙げてやりたい事を我慢する人が居る。だが私はやりたい事を我慢しない。我慢は自分に対する裏切り行為だと思っている。だから出来ない理由を一つずつ丹念に潰していく。この作業は大変だが、パズルを解く様でとても楽しいものだ。我慢ばかりしている人は結局何も考えていないのだと思う。
2019/10/25 やりたい事が有るって素敵だ。人生で一番の贈り物かもしれない。やりたい事の中には自分の本質が凝縮されている。自分を作り上げてきた全ての要素が、得意を活かしたいと叫んでいる様に思える。それなのに多くの人はやりたい気持ちを素通りしてしまう。それは自分の魂に対する裏切り行為ではないのか?
2019/10/24 自分で決めて行動できる人は自由だ。好きな事ややりたい事に忠実に成れる人は自由だ。他人の助言を素直に受け入れつつも、それに左右されない人は自由だ。「貴方には無限の可能性が有る」と言われた時、「私は玄能を作りたい」と言える人は自由だ。未来を自分で作る覚悟が出来れば、自由に成れるのだ。
2019/10/23 幼い頃は事象に対する解釈が曖昧な故に大人に解釈を委ねざるを得ない。だから大人に自由を握られている。ところが大人でも解釈を他人に委ねる人が多い事には驚かされる。嘆くだけで行動しない人が正にこれだ。解釈に自信が無くても、責任を取るつもりで決断してこそ、自由を手に入れられるというのに。
2019/10/22 独立して直ぐに採用の準備を始めた。一人で仕事を続けるのは難しいと考えたからだ。鍛冶屋を始めてからは鍛冶文化の伝承を強く望んだ。そして今では二人の弟子と仕事が出来ている。左様に準備を始めてから弟子を取る迄に二十年以上も掛けた訳だ。一人前に成る前から準備を始める位で丁度良いのだろう。
2019/10/21 鍛冶屋に成った頃には鍛冶後継者の減少が嘆かれていた。当時は鍛冶を町興しに活用する為、業界団体や行政から鍛冶屋への支援が潤沢だった。お陰で鍛冶屋は自らの売り込みに熱中し、採用の準備を先送りにした。私は採用の必要性を若手職人達に訴えたが、誰も聞いてくれなかった。其れが二十年前の事だ。
2019/10/20 物心つく頃には商店街の活性化が叫ばれていた。鍛冶屋に成る前から鍛冶後継者の不在が嘆かれていた。同様な例を数多知るが状況は今も変わらない。受け継ぐ事と止める事、そして新たに始める事を考え続けて新しい魅力を発信し続けなければ、飽きられて当然だ。そしてそれは自分で始めなくてはいけない。
2019/10/19 玄能を学ぶ為に夜行寝台で神戸に行った。当時は地元で玄能の正しい知識を得る事が難しかったのだ。今ではネットで膨大な資料を検索できる。誰にでも上達出来る環境が整い下克上も容易に成っている。これを理解している人には好機と成り、そうでない人には危機となる。業界の衰退を嘆いている暇はない。
2019/10/18 モノ作りの素人が玄人を凌駕し始めたのは、それが容易に成ったからだ。ネットで検索すれば多くの情報を集められる。現場を生で見られる工場見学のツアーまで有る。其処では先代の苦労を知らない後継者が工場内を隈なく見せてくれる筈だ。見学先が技術を盗まれている事に気付く前に急いで見た方が良い。
2019/10/17 素人が副業で高品質なモノやサービスを提供し始めていると言う。玄人同士の競争に素人までもが参戦した訳だ。そんな競争に関わりたくない私は、以下の2点を磨き続けたいと考えている。1.素人がどんなに手間とお金を掛けても出来ないモノやサービスを創る能力。2.それを安定的に供給し続ける能力。
2019/10/16 苦手な事を頼まれたなら得意な人を紹介する様にしている。だから得意な事に集中出来、益々得意に成れるのだ。紹介された人も得意な事が出来て益々得意に成れる。こうして得意な人が周りに集まると、得意な事でもっと活躍したくなる。持ちつ持たれつ活かし合うことで、凄い事が出来そうな気がしてくる。
2019/10/15 上達が一朝一夕でないことを知る鍛冶職人は淡々と仕事を続ける。行動原理は至って単純で華やかさは微塵も無い。だが彼らは毎日淡々と続けられるのだ。何故なら、淡々と出来る状態とは極めて穏やかなワクワクが続く状態であり、究極のワクワク状態とも言えるからだ。その境地に至った変態が彼らなのだ。
2019/10/14 改善しようにも一日に出来る事など高が知れるし、一年に出来る事すら高が知れる。十年やって漸く違いが明確に成る程度なのだ。鍛冶仕事はこんな風だから、直ぐに金持ちや有名に成りたい人には向かない。自らの上達した誇り高い姿を目に浮かべ、ニヤニヤ淡々と仕事が出来る気鋭の変態に向いているのだ。
2019/10/13 鍛冶屋に成りたての頃、無理が祟り背骨を患い入院した。手術後、担当医の忠告を無視してリハビリを急ぎ、責任を持てないからと病院から摘まみ出された。お陰で早めのリハビリで筋力の衰えを防ぎ早期復活できた訳だ。全ては馬鹿が招いた災いだが、馬鹿な故に乗り越えられたとも言える。馬鹿で良かった。
2019/10/12 玄能は頭だけでは効かない。明けた穴に柄を仕込む事で効かす様に出来る。穴は柄との接合を強固に出来る長所を持つ反面、頭の構造を複雑にし、力の伝達を分散させてしまう短所も持つ。そこで頭と柄が番う事による長所短所を弁え、最大限且つ最善に効く様に作るのが腕の見せ所と成る。人も玄能も同じだ。
2019/10/11 好きな事ややりたい事が分からない人は多い。褒められたり叱られたりしている内に、自分を見失ってしまうのだろう。人格を尊重した上で褒めたり叱ったりすれば、個性は磨かれ、好きな事もやりたい事も強く自覚出来る様に成る筈だ。褒める叱るを都合よく繰る為の手段に使うから、相手は混乱してしまう。
2019/10/10 褒めて伸ばすやり方が気に食わない。支配欲が垣間見えて嫌らしく感じる。ところで褒められて喜ぶ人に問いたい。それは本当にやりたい事なのか?褒められたいが故に無理してはいないか?やりたい事をやるには群れから抜ける必要がある。すると褒められる所か、実績が上がるまでは叩かれ続ける筈なのだ。
2019/10/08 師匠に一目惚れして弟子に成った。直感を研ぎ澄ましてさえ長い道のりだった。ところが多くの人達は、直感的な判断を科学的でないと言って否定する。だが直感は言語化されていない論理的推理の結果なのだ。言葉に出来ないが裏付けは有る訳だ。直感を信じるとは、判断の為の手段を一つ多く持つ事なのだ。
2019/10/07 師匠に出会い一目惚れをして玄能鍛冶に成った。簡潔且つ明瞭で潔い生き様に惚れ込んだのだ。作られた玄能もその生き様を反映していた。私もあんな風に生きたいと思った。ところで憧れにも幾通りかある。一つは生き様への憧れ。もう一つは名声への憧れ。前者は畏敬を伴うが、後者は妬みを伴う気がする。
2019/10/06 飛び抜けて優秀な人とチームを組むなら自らの能力も飛び抜ける必要がある。だからこそ苦手な事はやらずに済ませ、得意な事に集中しなくてはいけないのだ。多くの人達が苦手の克服を美徳とし、頑張った自分にご褒美をくれている隙に、得意な事で飛躍すれば良い。一点突破で目立ってしまえば此方の物だ。
2019/10/05 どの業界にも飛びぬけて優秀な人が居る。長年その道に携わり知識と人脈を兼ね備えた信頼できる達人達だ。そんな人達とチームを組めたら、仕事が上手く行かない訳が無い。自社にしか出来ない事は自社で、苦手な事は得意なチームメイトに託せば良い。得意を活かしあう事で無敵のチームが出来上がる筈だ。
2019/10/04 心身を壊すまでスポーツを続けたり、悪天候を押して登山したりする人が居る。きっと高揚感に囚われてしまうからだろう。心から好きならば他人の事は気に成らず、故にライバルも競争も必要とせずに淡々と出来るのではないのか?ワクワクしないと出来ない様では、心から好きとは言えないのではないのか?
2019/10/03 玄能鍛冶を始めた頃に取材を受けた。記者に「今の時代に名工を目指して何に成る」と笑われた。並の物なら買い叩かれるので名工を目指すしかなかったのだ。そして何よりやりたくて我慢ならなかった。自分より好きな奴は居ないだろうと思うほど好きだった。好きのパワーは絶大で、今では飯が食えている。
2019/10/02 子供の頃は皆が違って楽しかった。長ずるにつれて子供達は均され普通に成った。だが私は自分を大切に思い、自分らしく生きる道を選んだ。其れこそが変人なる所以だが、自分らしく生きるだけで苦労をせずに独自の世界観を創れてしまう。苦労して普通に成った人は、苦労しないと独自の世界観を創れない。
2019/10/01 最初から格好良く作ろうとせず、機能を満たす形状の試行錯誤から始めた。格好は後から付いてくると考え、調和と精度を追い求めた。この取り組み方が極めて私らしい。当初は見慣れず皆が妙に感じた筈だ。だが良く効く私らしい玄能が出来たと思う。私らしく取り組んだお陰で、他に無いモノが出来た訳だ。
2019/09/30 お客様を未知なる感覚へ誘うことがモノ作りの醍醐味だ。今迄に無い妙な心地良さをお客様から引き出せたら最高だ。その感覚が生まれる理由に気付いてもらえば、更なる心地良さへ誘える。だからモノだけでなく理論や哲学を語る必要があるのだ。お客様は知識が増える度に、より好きに成ってくれるだろう。
2019/09/29 世の中はキラキラした魅力的な仕事で溢れている。得意を活かして人の役に立ち、感謝され報酬を得る方法は星の数ほどある。なのに経済的な理由や体裁で仕事を選択し、不自由してしまう人は多い。先日「普通高校を出たのに何故モノ作りの道に進んだのか?」と質問を受けた。質問者は既に洗脳されている。
2019/09/28 師匠と出会い其れ迄の自分が馬鹿に思えて愕然とした。事象に対する自分の解釈が間違いだと思い知らされたのだ。同じ事象でも凡人と達人では全く違って見えているのだ。運よく其れに気付いた私は師匠の下で学び直すことが出来た。貴重な才能を持ち腐れにしない為には、卓越した師匠が絶対に必要なのだ。
2019/09/27 心から楽しめる仕事をすると決めていた。お金や休日はどうでも良かった。幾らやっても飽きない仕事。奥が深くて探り所の多い仕事。そんな仕事がやりたくて今の仕事に辿り着いた。そしてその情熱がある限り、私はやる気や根性や自信さえ必要としない。育むべきは、楽しめる事に傾ける情熱なのだと思う。
2019/09/26 自分がした苦労を弟子にも強要する親方が居る。そんな苦労は知恵と工夫で軽やかに乗り越えさせれば良いのに。自分と同じ苦労をさせたくないからと手取り足取り教える親方が居る。間違いなく立派なぼんくらが出来上がるだろう。大切なのは苦労を苦労と感じさせない工夫。楽しく出来る仕組みを作る事だ。
2019/09/25 嫌いな事を我慢してやるからやる気や根性が必要に成る。楽しい事なら無理せず出来てしまうのに。そして多くの人が嫌いな事を我慢してやる事こそ本当の努力だと勘違いしている。嫌いな事を出来るだけ楽しくやる努力こそ大切なのに。優秀な親方なら辛い作業でも楽しく出来る方法を考え弟子に伝える筈だ。
2019/09/24 夏季の釣り堀は魚が弱っていて釣り難い。だが釣り人が少なく魚は警戒しないので、数も大物も充分に釣れるのだ。涼しく成ると魚も元気に成って釣り易く成る。だが多くの人が訪れ魚は警戒するので、却って釣り辛いものなのだ。人が少ない時を狙っていく私は、競争せずに自由に沢山釣ることが出来ている。
2019/09/23 歯科医が幼い子供達に歯の矯正を勧めたが断った。だが成人した子供達の歯並びはすこぶる良い。左様に必要無いのに重要な事の様に吹き込む商品やサービスは多い。同様にやる気や自信や根性も本当は必要ないのではないのか?やりたくない事を強制的にやらせる為に無理やり作った概念ではないのか?(笑)
2019/09/22 やる気が出ないのは自信や根性が足りないからだと世間で言うが、私の場合はやる気を出さなくても玄能作りが出来ている。辛抱強く仕事を続けていると言われるが、やりたくない事には全く辛抱出来ない。子供の頃から好奇心の赴くママに生きてきたので、やる気や自信や根性の必要性を感じることが少ない。
2019/09/21 師匠は答えを教えなかった。私も答えを聞かなかった。自ら考えて答えを出したかったからだ。学生時代には先生が直ぐに答えを教えたがるので辟易していた。先生は考えない人を大量生産していた訳だ。聞くは一時の恥と言うけれど、良く考えずに聞いてばかりでは、一生聞き続けて恥をかき続ける事に成る。
2019/09/20 師匠の仕事を直に見たことが無い。作業内容を詳細に教えられたことも無い。だから作業の段取りも道具立ても盗み取るしかなかった。師匠との会話は鍛冶に纏わる世間話が中心だった。その会話の中から玄能作りの糸口を見つけ、それを盗み続けた訳だ。盗み易いように師匠は上手く会話を設えてくれていた。
2019/09/19 師匠も何時かは居なくなる。その時が来て、教えられて育った人は教えてもらえなくなり途方に暮れるだろう。だが盗んで育った人は、其れ迄の経験を基に自ら技を編み出せるだろう。故に教えられないと出来ない人は、師匠を絶対に超えることが出来ない。師匠が居なくなった時、両者の違いが鮮明に表れる。
2019/09/18 技を盗み始めると事象の細部に至るまで注意が行き届く様に成る。事象を要素分解し自由に組み替えることが出来る様に成る。見えていない欠落要素さえ経験を基に補う事が出来る様に成る。更には見た事のない技でさえ僅かな情報を基に創造出来る様に成る。技を盗むことは創造力を鍛える訓練にも成るのだ。
2019/09/17 学ぶ為に技を盗み始めると、感性が高まり目の付け所が変わる。あらゆる事から重要な糸口を拾い出せる様に成り、学習能力は飛躍的に高まる筈だ。教えられるまで待つ必要も無く成り、教えられて育つ人達の成長が止まって見える事だろう。技を盗ませる指導法は、自己学習力を高める訓練にも最適だと思う。
2019/09/16 技は教えるのではなく盗ませるのだ。そこで盗み易くする工夫が必要になる。親方の作業がやる度に違っていたら弟子は安心して盗めないだろう。だから理論を確立し自らを鍛え上げるのだ。そして安定した作業を見せてやることで重要な糸口を暗示する。盗ませることは自らを大きく成長させることにも成る。
2019/09/15 御支援者に弟子を取りたいと相談したら、此方から声を掛けてはいけないと言われた。自ら覚悟を決めた人だけに門を開けと言うのだ。ならば此方を見つけてもらう必要がある。其の為には作業内容だけでなく、理論と哲学も発信しなくてはいけない。求人も集客も未だ見ぬ理想の人に見つけてもらう事が大事。
2019/09/14 お客を選べと師匠は言った。正しい方向に導いてくれるお客とだけ付き合えと言うのだ。ただし此方から声を掛けてはいけないと言う。ならば、先ずは付き合いたいと思うお客に見つけてもらう必要がある。其の為には腕を磨くと共に品格も磨き、其の道で生き続ける覚悟を認めてもらわなくてはいけないのだ。
2019/09/13 求人も恋愛も集客と同様、派手に振舞えば派手な、粗野に振舞えば粗野な人が集まる。特に駄目なのが、どう振る舞おうと募集の敷居を下げる事。変なのばかりが集まり辟易するだろう。敷居を上げても来てくれる人は、応募してきた時点で望み通りの可能性が高い。敷居を上げる為の方策を考えないと大変だ。
2019/09/12 集客を派手にすれば派手な、乱暴にすれば乱暴な、地道にすれば地道な人達が集まる。それを良く考えずに集客するから、意図しない人達ばかりが周りに集まり、始終振り回されることに成る。成りたい自分を明確に意識して的確に集客すれば、成りたい自分に成る為の手助けとなる人達を多く集められる筈だ。
2019/09/11 鍛冶屋の跡継ぎにお願いしたい。技能の習得と心身の鍛錬の為、鍜治場に籠ってもらいたい。先ずは鍛冶の型を身に着けてほしいのだ。跡継ぎが優れた技能と心身を備えている事は、お客様に一番の安心感を与える筈だ。派手な宣伝よりも遥かに良質な集客が出来、口コミと紹介で商売が出来る様になるだろう。
2019/09/10 35歳で鍛冶屋を始めて大変だったのが、鍛冶屋に向いた心と体に鍛え直す事だった。前職で出来上がった心と体は、強い意志を持たない限り変化させられないのだ。師匠や多くの協力者のお陰で今に至ることが出来たのは稀な幸運だ。其れ迄の常識や周りの雑音に覚悟が揺らいだなら、手遅れになっただろう。
2019/09/09 仕事が面白いと言うと嫌う人も居るが、一寸待ってもらいたい。仕事が辛くて我慢ならない時に、面白いと口に出して言う事により平常心を保とうとする人は多いのだ。当初は私もそうだった。だがその段階を超え、今では本当に面白いと思える。心底面白いと思える境地に辿り着くのは容易ではなかったのだ。
2019/09/08 名工の作品には面白いものが多い。性能が頭抜けている自体が面白い訳だが、遊び心を一寸だけ足して味わい深くしている。成熟した技術の上に成り立つ面白味は色あせない。反対に、未熟な技術を隠すための面白味、言い換えれば外連味は飽きられてしまう。直ぐに結果を求められる現代は後者が増えた様だ。
2019/09/07 モノは良いだけでは売れないが、百年前はどうだったろう?PR方法が少ない時代には、良いと認められる事でしか売れなかったのではないのか?過去の工人の神業は、モノの良し悪しだけで勝負した結果、得られたのではないのか?現代は良い以外の要素で売れてしまうから、神業が生まれ難いのではないのか?
2019/09/06 換気を良くした上で防塵マスクや防護眼鏡をして作業をしている。そんな私を根性が無いと蔑む鍛冶屋が居る。快適に作業出来た方が、健康で良いモノを楽に長く作り続ける事が出来る筈なのに。その根性とやらが病気やケガを招き、鍛冶仕事から人を遠ざけ、後継者不足や業界の衰退を招いたのではないのか?
2019/09/05 好きで得意なモノ作りで生きていく覚悟を決め、玄能鍛冶に成った。そして飯が食えている。好き、得意、覚悟の三つが揃い叶った夢であり、一つでも欠けていたら挫折していた筈だ。今の時代に鍛冶で生きる事はそれ程に難しいが、今後は更に厳しくなる。もっと好き、もっと得意、もっと覚悟が必要になる。
2019/09/04 私を叱咤激励する先生に言った。自分のペースでやるから放って置いてくれと。人には向き不向きやペースに違いがあるのに、同じやり方を押し付けるのは習得に非効率すぎる。同様に日本の生産性が低いのも、各人の特性を無視しているからだろう。苦手の克服などせずに、その時間をもっと有効に使いたい。
2019/09/03 沢山のお金を稼ぐ事を成功と定義して職業を選ぶ人は多い。私は好きな事を好きな人と一緒に楽しみながら続けていく事を成功と定義している。何を誰とやるかを優先し、稼ぐ方法は後から考えている。好きな事が出来ればお金は要らないと言う人も居るが、続ける為にはお金が要るから、一生懸命に稼ぐ訳だ。
2019/09/02 子供の頃は変形ロボや合体ロボに憧れた。折り畳みスコップの発想も子供の頃の憧れの延長だろう。ところで、玄能に変化はないと思うかもしれないが、見る角度により印象が変わる様に作っている。この見せ方に作者の個性が強く表れるから面白い。単なる実用品でも、無駄な面白さを付加すると特別になる。
2019/09/01 夏休みの自由研究に手作りのミニカーを作った。モーターで走り、手元まで伸びた長いハンドルを操作し、自由に方向転換できるものだ。それが展示中に盗まれてしまった。出来たものに執着は無いので、欲しいと言えばくれたのに。同様に、出来た玄能にも執着は無いが、それが売れるのだから堪えられない。
2019/08/31 やる気を出すって何?例えば「やる気が無い」を言い換えれば「やるつもりが無い」だ。やるつもりに成るには大きな心変わりが必要なのに、「やる気」なる神秘の力を引き出せば心変わり出来ると思っている人が居る。安易すぎるだろう。だから、やる気が無くても出来る事や方法を最初から選べば良いのだ。
2019/08/30 仕事にやる気は必要ないと師匠は言った。ただ淡々と出来る様に成れというのだ。今では私もやる気を出さずに仕事が出来ている。やる気など意識しない方が平常心で出来るのだ。自信も同様に無くても困ることはない。そもそも、やりたくない事をやっているから、やる気や自信を必要とするのではないのか?
2019/08/29 私は弟子を褒めも叱りもしない。褒めるでも叱るでもなく、起きている事実を分かり易く説明するだけだ。そして、やってくれたことに感謝は欠かさない。大切なのは、現状はダメでも努力すれば上達出来るのだと、安心させてやることだと思う。師匠も私を褒めなかった。やる事をただ面白がってくれていた。
2019/08/28 玄能鍛冶に成ると言ったら全ての人が反対した。師匠からも「売れる様に成る保証はないが、それでもやるのか?」と脅された。褒められずに育ち、褒められたいとも思わなかった私は、褒められない様な事でも自由にやってきた。お陰で、反対され様が馬鹿にされ様が、孤独な修行を続けることができたのだ。
2019/08/27 説教を垂れる書籍を子供の頃から好んで読んだ。そして有る事に気付いてしまった。その類の書籍の多くが、扱い易い人間を大量生産する為の洗脳装置である事を。古事や格言等を散りばめ、それが正しいかの如く書いてあるが、意図された編集でしかない。読後に賢くなった気分にさせる所が、特にずる賢い。
2019/08/26 褒められて喜ぶ子供は多い。褒められる為にやりたくない事を我慢してやる子供も多い。社会人ならば、お金の為にやりたくない事を我慢してやる人は多い。一生懸命で立派だが、どちらも自分の人生を生きている様に見えない。私ならばやりたい事をやりたい様にやり、結果として褒められて儲ける道を選ぶ。
2019/08/25 小学生の頃に電子工作が流行った。ハンダゴテはステータスに成り、誰も褒めないのに、使いこなそうとして子供達は夢中だった。中学生に成ると子供達は大人の顔色を窺いだし、褒められそうな事を始めた。そして何時しか洗脳され、本当にやりたい事が分からなく成った。大人も子供も共に自業自得だろう。
2019/08/24 新しい事を始めると胸がドキドキしたりチクチクしたりする。それは伸ばしたことのない筋肉を初めて伸ばした時の様な、新鮮な痛気持ち良さに似ている。やってみて初めて気付く事が多く、もっと早く始めれば良かったと悔しく思うだろう。だったら、筋肉を伸ばすくらいの軽い気持ちで新しい事は始めたい。
2019/08/23 新商品開発は煩わしい為、誰かの真似をして偽物を作る人は多い。同様に、自由な人生のシナリオを描くのは煩わしい為、誰かの描くシナリオに便乗し、不自由さに文句を言いながらも偽物の人生を送る人は多い。新商品開発も人生の創造も、偽物を偽物だと認め改めない限り、偽物を創り続けるしかないのだ。
2019/08/22 優等生は褒められて有頂天に成り、ヤンキーは叱られてヘソを曲げて暴れる。それが既定の演劇の様に繰り返された。先生も毎日ご苦労な事だが、シナリオを描いているのは当の先生なのだ。そして先生も誰かのシナリオを無意識に演じている。誰もが自由を求めるが、自ら手放していることに気付いていない。
2019/08/21 大人達の言う事を鵜呑みにしなかった。テレビやラジオは出来るだけ視聴しなかった。お陰で生来の感性や価値観を維持出来た様だ。今でも幼稚で我儘だと言われ一寸だけ肩身は狭いが、自分の価値観で生きることが出来、とても自由だ。世間の常識や流行に流されないだけでも、随分と自由に成れる気がする。
2019/08/20 若い頃は格好良く見せようと、お洒落をしたり陽気に振舞ったりした。だが、ずぼらで根暗な本性は隠しきれず、見破られて非難されたりもした。今ではありのままに生きているが、根暗で人見知り故に友達は殆ど居ない。だがそれで充分満足なのだ。価値観のままに生きられることは、滅多に無い幸運だから。
2019/08/19 理不尽な相手に抗議しても多くの場合は聞いてもらえない。抗議し続ける人も諦める人も居るが、両者共に相手の改心や第三者の救いを待ち焦がれているに過ぎない。事態の改善に必要なのは、自分に出来る解決策を最大限かつ最善に行う事。早急に動いた方が解決は早いし、相手を恨む必要も無くなるだろう。
2019/08/18 「先生の理不尽に異を唱えても、理解できないし改善しようともしないから、ニコニコして従うふりをする様に。其の上で粛々と自分のやりたい事をすればいい。」と、私は子供達に伝えていた。お陰で妻は学校に呼び出され、先生に舐めた態度を取る娘を注意された。娘はニコニコすることを忘れていたのだ。
2019/08/17 自己学習能力が高く、身に着けた知識を嬉々として話してくれる子供がいた。私は興味深く耳を傾け、彼の将来をとても楽しみにしていたものだ。だが、彼の興味の対象は受験に不必要と否定され、今では物分かりの良い只の人に成ってしまった。大人の企みに絡め捕られ、扱い易い人間に成ってしまったのだ。
2019/08/16 学生時代に強く感じていたのは、先生が生徒の自立を阻害している事。生徒を思い通りにしようと様々な企みを仕掛けていた。競争させて応援したり、褒めたり、表彰したりしていたが、そんな子供騙しには思考停止した優等生かヤンキーしか反応しない。深く考える生徒は、自分の生き方を自分で決めていた。
2019/08/15 学校の先生の言う通りに広く浅く学んでいては、何時までも自立出来ないと感じていた。一度深く学び法則性を見つけ原則を身に着ければ、似た様な問題の解き方なら自分で編み出せる様に成ると信じていた。玄能作りに於いても同様に考えて仕事をしてきた。お陰で、教えられなくても仕事が出来ているのだ。
2019/08/14 ビリだった私が中学生に成り急成長した理由は、英単語の意味調べの様な宿題をやらなかったせいも有る。実は既に答えが書かれた解説書を買い求め、其れで済ませていた。そして空いた時間で余裕をもって勉強の遅れを取り戻したのだ。一生懸命にやるのは大切だが、やる価値が低い事はやらずに済ませたい。
2019/08/13 学生時代に私は質問ばかりしていて怒られた事が有る。人に頼らず自分で考えろと言うのだ。そこで時間を掛けて深く考える様にしてみた。すると一時的に成績は落ちたが、直ぐに立ち直り成績は以前よりも良くなった。だが周りに流されているだけの自分に気付き、学校生活が耐え難いものに成ってしまった。
2019/08/12 弟子に独立されたら困るからと、仕事を教えない親方が居る。すると教えてもらえない弟子は自分で考えざるを得なくなり、やり方を自ら編み出し始める。そして弟子は自己学習能力を身に着け、親方を必要としなくなり独立していく。手取り足取り教えた方が、弟子は親方に依存してしまい独立できなくなる。
2019/08/11 鍛冶職人に成るとは労働者に成る事。鍛冶屋に成るとは経営者に成る事。前者は上達を目指し、作る事に専念すれば良い。後者も上達を目指すことは勿論だが、経営を学び、事業の方向付けや資金繰り、そして人材の採用と育成を考え続けないといけない。鍛冶職人と鍛冶屋に求められる技量はまるで違うのだ。
2019/08/10 軽自動車のラジエターにポンプで汲み上げた井戸水を通し、その前に排気ファンを置く。井戸水は17℃程度なので、35℃程度の外気温でも装置を通せば28℃程度に出来る。夏季の工場内は40℃に成るが、装置のお陰で35℃程度に下げることが出来ている。おまけに装置の結露がミストに成り吹き出す。
2019/08/09 今迄は嫌いな仕事を嫌々やっても稼げた時代だ。此れからは率先してやらないと稼げない時代になる。だから情熱を傾けられる仕事を見つけなくてはいけない。やる程に楽しく、もっと工夫したくなり、自らやり方を編み出してしまう位に熱中できる仕事が良い。やらずに居られない位でないと、稼げなくなる。
2019/08/08 鍛冶屋に成りたての頃、業界活性化の為に関係者に声を掛けた事が有る。するとこんな答えが返ってきた。将来性が無い。掘り下げる価値が無い。教えてくれる人が居ない。後継者がいない。もっと楽に儲けたい。そして次々と廃業していった。向いていない事を続けるよりも、彼らは止めて幸運だったと思う。
2019/08/07 ゴールは明確に示すがやり方は大雑把に指示する。考える余地を残しておく為だ。すると此方の考えとは違うやり方で始めることが多い。駄目な場合は注意するが、面白いやり方で行う場合は、素直に面白がってみせる。弟子達は自分で考える楽しさに気付き、頼んでもいない事まで勝手に始めてくれるだろう。
2019/08/06 どうせやるなら楽しんでやりたい。だが、そのままやったのでは楽しめる筈がない。楽しめる様にやり方を工夫したり、変えたり、それ自体をやらずに済む方法を考えたりすれば良い。しかし、教師や上司の指示通りに生きてきた人には難しいだろう。自分のやり方で生きてきた人にとっての特権かもしれない。
2019/08/05 下積みの単純作業をする場合、ある人は不思議さ面白さを発見し、飽きることなく続けられる。ある人は何も発見すること無く、直ぐに飽きてしまう。前者はその仕事が向いているのであり、後者は向いていないのだ。下積みは向き不向きを確認し、その世界で生きていく覚悟を決める為の大切な期間でもある。
2019/08/04 一寸違う程度ならば比べられるが、圧倒的に違えば比べられなくなる。例えば玄能作りなら「精度が高くて良く効く」ことを、モノを見せ、理論で解説し、哲学で世界観を伝えれば良い。同様に求人でも「活き活きと働ける」を同じ手法で伝えれば良い。やる人は少ないから、やるだけで圧倒的に成れるだろう。
2019/08/03 興味のままにやりたい事をやっている。だが、いくらやっても出来ない時には、見切りを付けて他の事を始める。それは敗北ではなく、経験から学べた成果だと思う。宮本武蔵も言っている。勝ち続けたられたのは道を極めたからでなく、向いていたからだと。向いた事に出会う為、他の可能性を試すのは大事。
2019/08/02 淡々と仕事が出来るのは好きだからだけではない。無意識に出来る程に身体が適応しているからだ。訓練により身に着けた訳だが、訓練しても出来ない人が実に多い。故に、好きだからと安易に始めるのではなく、注意深く身体の声に耳を傾けないと、絶対に続けられない。身体は頭よりも融通が利かないのだ。
2019/08/01 自ら目標設定して学ぶのが好きだ。やる事を押し付けられると死んだ様な気分に成る。学校の仕組みに馴染めず、自ら目標設定して自由に学べるクラスを作れと教師に訴えたが、当然断られた。ところが社会に出れば、自ら目標設定して仕事を進めろと言われる。漸く自由に成れた気がして、胸を撫で下ろした。
2019/07/31 同じものを見ても感心する人とけなす人が居る。前者はたとえ出来の良くないものでも、良い所を見つけ学ぼうとする。後者は粗を見つけて悦に入り、粗を責め立てる。両者の成長に大きな差が出るのは当然だが、以外な事に後者は改めようとしない。達人に朗らかな人が多い事に、後者は気付こうともしない。
2019/07/30 鍛冶屋に成る前、鍛冶の講習会に行ってみた。当時は鍛冶の技能継承も「盗ませる」から「教える」に変わっていた。だが、私の講師は少しやって見せるだけで、多くを教えず見ていてくれた。お陰で様々な失敗ができ、他の生徒よりも多くを学べたと思う。後にこの講師に幸三郎師匠を紹介されることに成る。
2019/07/29 考えている途中で答えを教えたがる人にはうんざりする。幸三郎師匠は決して答えを教えずに、考える時間を充分に与えてくれた。私も答えを聞こうとせずに、一人で考え続けた。お陰で時間は掛かったけれど、自ら編み出す習慣を身につけられた。聞かぬは一生の恥と言うが、迂闊に聞くのは一生の損になる。
2019/07/28 様々な会の会長を引き受けてきた。会長とは言え雑用係の様なものだ。そんな私に、何の得にも成らない事をして馬鹿でないかと文句を付ける人が居た。だが彼は得に成らない事に私と共に取り組み、其処で出会った女性と結婚した。そして仕事の面でも私に協力してくれている。風が吹けば桶屋が儲かるのだ。
2019/07/27 子供の頃から大勢が集まる所には緊張して行けなかった。だがそんな時に効果が有るのが、積極的に関わることだ。司会を引き受けたりして自分の役割を作ると、何とか耐え凌げるのだ。本日は三条テクノスクール同窓会に会長として出席する。会長をしているお陰で、大勢の前でも平気で居られるから面白い。
2019/07/26 子供の頃は誰でも得手不得手の差が大きかった筈だ。だが、ほとんどの人は長ずるにつれてその差が縮まり、得手不得手は曖昧に成る。ところが、私の様にその差が縮まらずに長じた異端は、不得手が徹底的である為、得手でしか生きる望みが無い。類が友を呼んだのか、弟子達二人にも同じ匂いが漂っている。
2019/07/25 疲れ果てた子供に頑張れとか諦めるなとか言って応援し、それを良しとするけれど、頑張っても諦めなくても出来ない子供は居る。私なんかはどんなに努力しても出来ないことだらけだぞ。人混みは具合が悪くなる。大きな音にはチビリがち。花火見物なんて絶対に無理なのだ。もっと分かってもらいたい。(爆)
2019/07/24 好きな事を仕事にしようと思った。沢山有る好きな事の中で、何故モノ作りを選んだのか?きっと、興奮せずに淡々と続けられると思ったからではなかろうか。決してワクワクする程ではなかったから。子供の頃から様々な事をして遊び呆けていたので、自分の資質を嗅ぎ分ける能力が養われていたのだと思う。
2019/07/23 二番弟子の面倒を一番弟子が見ている。要点を抑えて簡潔に教えているようだ。程よい距離感で教え過ぎることも無い。教え方は私より上手いかもしれない。世代を重ねる度に、作る技術だけでなく教える技術も洗練されていく。私だけでは辿り着けなかった領域に、二人で協力して挑戦してもらいたいと思う。
2019/07/22 気温の上昇と共に焼入れに使う水道水の温度も30℃に近づいた。以前ならばこの時期の焼入れには苦労したが、今ならば容易にできる。この焼入れのやり方は自ら編み出したものだ。ところで、上達する程に自分より知る人は少なく成る。教えてもらう習慣は早めに捨て、自ら編み出す訓練を始めた方が良い。
2019/07/21 何故か好きになり、やらずにはいられなくなる事が有る。人には無限の可能性が有ると言うのに、何故それを選んでしまうのか?きっと、自らの資質に合う事を嗅ぎ分ける能力が備わっているのだ。様々な事に挑戦するうちに嗅覚は研ぎ澄まされていく。好きな事が見つからない人は、何でもやってみれば良い。
2019/07/20 直販すれば儲かると勧められるが、周知済みの既存品なら儲かるだろう。だが新製品なら、周知や集客の費用を固定費として負担し続ける必要が生ずる。従来通りに流通業者を使えば、その費用は売れた分だけ変動費として支払えば良い。だから、流通業者は固定費の掛からない優秀な営業マンだと思っている。
2019/07/19 玄能は既に完成され、進化の余地は無いと言われていた。鍛冶技術は科学で解明され、掘り下げるものは無いと言われていた。だが私には玄能も鍛冶技術も発展途上であり、進化の余地は十分に残されている様に感じられた。実際に鍛冶仕事では日々新たな発見があり、玄能も日々進化させることが出来ている。
2019/07/18 手道具の価値を上げるには宝石をちりばめれば良いと言うジョークが有る。主従の価値を逆転させる愚を笑っているのだ。だが時代遅れの商品に広告宣伝費をつぎ込むような、ジョークに似た行為は多い。価値を上げるには、手道具のあるべき姿を探求し、その姿を実現させるのが最も効果が高いと思うのだが。
2019/07/17 鉄を熱して叩けば潰れて脇に膨れる。そんな原理が活かされて出来たモノは無理なく美しいが、原理が無視されて出来たモノは不自然で気持ち悪く見える。同様に、自分の資質を活かして生きる人は清々しいが、資質を無視して生きる人は見ていて辛くなる。無理のない状態の探求で、モノも人も輝けると思う。
2019/07/16 中学入学時の成績はビリだった。学校嫌いで先生の話を聞かないから当たり前なのだ。だが理科は嫌いでなかったから、試しに教科書を読んでみたら以外と面白過ぎた。すると他の科目にも興味が湧き始め、気付けば成績は良く成っていた。苦手の克服からでなく、やりたい事から始めたのが良かったのだろう。
2019/07/15 やりたくない事はやらずに、やりたい事に時間を費やしている。そもそもやりたくない事をやっている限り、何時までもやりたい事は始められない。最初からやりたい事に集中し抜きん出れば、やりたくない事は誰かが代わりにやってくれるように成る。順番が大事なのに、学校の先生は絶対に教えてくれない。
2019/07/14 情けは人の為ならずの意味を掘り下げてみた。情けを掛けるには、相手の気持ちを深く考える必要が有る。相手を責めることを止め、自ら改善に努めれば、自ずから物事は前進すると気付く。すると起きている事を鷹揚に受け止められる様になり、寛容に成れる。これこそが情けを掛ける最大の利点ではないか。
2019/07/13 少し上を目指して挑戦するだけで、とても難しい問題に直面することは多い。だが諦めずに日々鍛錬していれば、必ず乗り越えられる筈だ。日々の仕事を簡単だと言う様な人はそもそも感性が鈍く、もっと上が有る事にも気付けず、故に挑戦もしない。感性は意識して鍛えないと、その必要性にすら気付けない。
2019/07/12 熟練すれば仕事が楽に成ると思ったら大間違い。より難しい仕事を依頼され、心身ともにクタクタに成る。だが弟子が手伝ってくれるお陰で元気に仕事が出来ている。そしてこれが親方にとっては、とても贅沢な姿に思えてきた。仕事を弟子に伝え、更に難しい仕事に取り組めるなんて、職人冥利に尽きるのだ。
2019/07/11 忍者は麻の苗木を毎朝飛び越える訓練をしたという。苗木の成長に負けずに飛び越えるだけで、跳躍力は飛躍的に伸びただろう。同様に、お客様の上がり続ける期待を毎日少しずつでも上回り続けたなら、技能は飛躍的に高められるだろう。毎日少しずつなら簡単に出来そうだし、成果も上がり易いと思わない?
2019/07/10 玄能が売れて有名に成れば弟子を取れると思っていたのは大間違い。玄能の愛好者の中に私と働きたいと思う人が居るとは限らないのだ。だから、来てもらいたい人を想定し、熱い想いを届ける方法を考え続けた。そのお陰で弟子を取れた訳だが、採用できないと嘆く人にこの話をしても、実行する人はいない。
2019/07/09 私くらいに変わっていると、自らを変人と認めざるを得ない。事象に対して他人と違う反応をするから変人なのだろうが、言い換えれば世界が他人と違って見えているということ。それを受け入れないなら一生苦しむだろう。だが私の様に受け入れてしまえば、何の苦労もなく他人と違う世界を体験出来るのだ。
2019/07/08 私くらいに得手不得手がはっきりしていると、不得手を努力で克服する意義を見出すこと自体に、努力を必要とする。それでも若い頃は周りに脅され、不得手を克服する努力をしたが、多くは徒労に終わった。得手ならば興味の赴くままに取り組むだけで上達できる。本日も高温時の焼入れの秘訣を発見できた。
2019/07/07 現代では職人も仕事場を開放して見せる必要が有るという。私は見られていると全く力が出ない質だ。だが、見られていない時の集中力は凄いと思う。幸い職人仕事は見られていない時間が長い。長時間集中できれば、良いものが出来る筈なのだ。私を見てもらうより、出来たものを評価してもらいたいと思う。
2019/07/06 和釘が洋釘よりも良く効く理由は、方形且つ軸の中程を少し太くしているから。接触面積を広くして摩擦抵抗を最大限に活かす仕組みだ。木柄が抜け難い玄能を作るにもこの仕組みは役に立つ。ひつ穴を矩形且つ内部中央を少し狭めて作れば良い。玄能に集中しつつ周辺を学べば、役立つ仕組みを見つけられる。
2019/07/05 玄能が売れる様になった頃、「もう止められないよ」と問屋に言われてドキリとした。玄能鍛冶として生きる覚悟は出来ているつもりでいたが、それ以外の可能性に見切りを付け切れていなかった訳だ。これを切掛けに真に覚悟を決めた訳だが、可能性を一つに絞ることの恐怖と難しさを痛いほどに堪能できた。
2019/07/04 「玄能作りに熟達するだけでなく、大工道具全般とその歴史を学ぶように。商売として続ける為の知識も身に着ける必要が有る。なによりも、品格を磨き続けることを怠るな。」以上は師匠の教えである。玄能作りに軸足を置きその周辺に興味を向けるだけで、これだけ多くの知識を学べると教えてくれたのだ。
2019/07/03 様々な事に挑戦して自分の適性に気付いたなら、それを活かして一事に邁進すれば良い。だが裏を返せば他の可能性に見切りをつける事に等しく、視野を狭める可能性もある。でも大丈夫。邁進する核となる事を軸足にし、その周辺に興味を向け続ければ良い。すると核は補強され、更なる可能性も見えてくる。
2019/07/02 独立してからの5年間は、視野を広げる為に依頼事を断らなかった。避けてきた未経験な事にも挑戦し、好き嫌いや得手不得手を明確にしたかったのだ。お陰で自分の資質が明確に成り、その資質を必要とする人が誰なのかも分かり始めた。自分の事を深く知る程に、本当にやりたい事に打ち込める様になった。
2019/07/01 出来る様になる程に視野は狭まっていくと思う。分かったつもりになり、他の可能性を排除してしまうからだ。知識だけでなく、人の心にも無関心に成ることさえ有る。すると信用まで無くし、確実に成長は止まってしまう。本当に出来る様に成るには、如何にして視野を広げ続けるかを考え続ける必要が有る。
2019/06/30 技を弟子に伝え、やらせてみて初めてその技の良否に気付くことは多い。自分の技を間接的にではあるが客観視できるからだ。火の色や強さ、所作の細部に至るまで、他人の作業なら冷静な目で見ることができる。そして自分の作業に反映できるのだ。弟子を取ると親方も上手く成るということを実感している。
2019/06/29 玄能作りをしていると、進化に繋がる大きな発見をする事が有る。だが其れは、日頃から目にしている有触れた現象の一つに過ぎなかったりする。それ迄は其処に深い意味を見出せていなかった訳だ。何かを進化させるには、有り触れた現象の中に特別な意味を見出し、其れを自由に再現できる必要が有るのだ。
2019/06/28 既に完成され進化の余地が無いと思われている玄能だが、少しずつ変化させながら作って居ると、突然大きく変わる時が来る。これが至福の瞬間なのだ。期待以上の不思議さ面白さをお客様に与え続けることが大切だと常日頃から言っているが、未知の不思議さ面白さを一番期待して楽しんでいるのは私なのだ。
2019/06/27 上手く成り人気が出たら価格を上げる。これを繰り返すことでブランド力を高めようとしてきた。ところで私の考える上手いの定義は、期待以上の不思議さ面白さを相手に与え続ける力が強いということ。玄能を理論的且つ緻密に作る努力と共に、自分の能力で他にも活用できるものが無いか、探っている所だ。
2019/06/26 浩樹印玄能を直販しない理由は、育ててくれた問屋小売屋に報いる為と、彼らが私の苦手を補ってくれ、効率よく商売出来ると考える為だ。そして今では彼らが弟子の商品をまとめて購入してくれている。お陰で弟子は安心して仕事が出来る訳だ。問屋小売屋の力は落ちているとはいえ、代えがたい存在なのだ。
2019/06/25 私の様な内向的な人間は、他人なら何気なく出来る事にも勇気を必要とする。街に出ては知り合いの目を気にしてコソコソし、目的の場所に辿り着いては周りに飲み込まれてドギマギする。だから引き籠る訳だが、それが全然苦痛ではない。私にとっての引き籠りは、自分らしく生きる為の健康的な休息なのだ。
2019/06/24 少しずつやり方を変えてやっていると、想定外に良い結果が得られる事が有る。それを分析して法則性を見つけ、自在に再現出来る様にするのだ。その作業は格別に楽しく、鍛冶仕事の醍醐味は其処に有ると言っても良い。お金や名誉も大切だが、作業自体を楽しめなければ、鍛冶仕事は上達出来ない気がする。
2019/06/23 外交的で押し付けがましい人達に支配された学校生活は苦痛だった。社会に出ても内向的な性格を否定されて肩身が狭かった。だが本心では外交的な人達を鈍感で思慮分別の欠けた頓馬だと思っていたのだ。今では性格の多様性を受け入れられるが、内向的な職人が集う私の工場がとても健康的に思えてしまう。
2019/06/22 玄能は既に完成されており、進化の余地は無いと同業者は口を揃えていた。だが、出来た玄能の多くは不揃いで統一感も無く、理論的に作られて居るとは到底思えなかった。後に師匠に出会い玄能の進化の可能性を説かれ、自分の目の確かさに気付いた。多くの人の唱える常識に違和感を持った時が好機なのだ。
2019/06/21 毎日改善を続けているが、やる程に謎は深まりゴールが見えてこない。一生を捧げても、確実に中途半端に終わってしまうだろう。諦めなければ叶うと言うが、玄能作りは私一代で極められるほど簡単ではないのだ。だから一代で極めようとは思っていない。その可能性を後進に受け渡せれば良いと思っている。
2019/06/20 野外で遊び呆けた私らには、羽化後の蝉の寿命が一週間より長い事は常識だが、記録を取って証明する人は少ない。鍛冶仕事においても、分かったつもりでいるだけで、正しく説明するには知識不足の事が多い。植松君は蝉の寿命調査により、有り触れた事でも最後まで徹底すれば際立てる事を証明してくれた。
2019/06/19 現状を分析して新たなやり方を導き出せる様になると、様々な不具合が気になり始め、改善せずにはいられなくなる。それがとても楽しい訳だが、これは仕事の話ではなく、実は子供の頃の魚釣りでの話なのだ。この経験は仕事でとても役に立つが、この程度の能力なら、子供の頃の遊びで身に着けられる訳だ。
2019/06/18 様々な事に興味を持ち取り組んできた。言い換えれば遊び呆けていたということ。互いに関連なさそうな事柄だが、分析してやり方を導き出し結果に繋げるという共通点が有った。やりたくて始めた事なので、本質的に繋がっていたのだろう。思いがけずに身についた技能は、鍛冶仕事にも大いに役立っている。
2019/06/17 余計な物を欲しがらず、自分にそなわる物を大切に育みたいと思った。変人扱いされ様が、自分らしく生きる為に割り切れば良いと考えた。独自の世界を作り上げれば、競争せずに済むと信じた。多くの人が他人を羨み、羨む相手の作るルールの下で競争を始めてしまう。良いカモにされているとも気付かずに。
2019/06/16 良いものを持っているのに、持っていないものを求めて自分を変えようとする。ある人は他人の悪い所に目をやり、人は変われると言って劣等感を持つ人を繰ろうとする。だが結局は自分も変われないし、他人を思う様に繰る事もままならない。今ある良いものを育てれば、充分に幸福になれる気がするのだが。
2019/06/15 毎日少しずつ改善している。そしてその作業が全く苦にならない。お客様の期待に応え続けたいと願うからでもあるが、それと同時に、上達すること自体を楽しめて居るからだろう。何かの為にやるよりもその行為自体を楽しめた方が、苦にならず淡々と続けられ、その結果として際立ち易いのではなかろうか。
2019/06/14 作業手順は作業の度に少しずつ変えている。良くなることも有れば悪くなることも有る。だが、一年も経てば大きく進歩しているのだ。人生も同様に、無意識に繰り返している習慣を毎日少しずつ変えてみれば、一年後には大きな変化が有るだろう。一度に大きく変えようとするから、一歩が踏み出せないのだ。
2019/06/13 見本と同じ様に作れない事は多い。作業手順が間違っていると、同じ寸法にしても違って見えるのだ。だから、先ずは正しい作業手順を探り出す必要が有る。様々な玄能の作業手順を分解し、様々に組み立て直して探り出す。直ぐに出来る時もあれば数年掛かる時もある。予期せず閃いてビックリする時もある。
2019/06/12 際立ちたいなら淡々と続けられる事をやるに限る。だが興味が有るだけでは続けられそうにない。興味が有る上に先ずは人の役に立てて、やる程に奥深さが身に染み、益々のめり込める様な事ならどうだろう。先に周りが幸せに成れそうな事なら、たとえ辛くても、応援されながら淡々と続けられる気がしない?
2019/06/11 独立してから5年間は、依頼事を断らないと決めていた。お陰で自分からは絶対に始めない事にも挑戦出来た。実は玄能作りも其の一つだ。始めてみたらその難しさに圧倒され挫けそうになった。だが奥深さに魅了され、やり続けてしまったのだ。本当に好きな事に巡り会えたのは、恐怖の5年間のお陰なのだ。
2019/06/10 運動音痴と笑われたが運動は好きだった。能無しと馬鹿にされたが学びは好きだった。褒められもせず自信もないのに、好きだから淡々と続けられた。今では運動や勉強も少しは出来るようになり、玄能作りも同様に淡々と続けることが出来ている。淡々と続けられるか否かが、上達の可否を決めるのだと思う。
2019/06/09 外交的で積極的な人は外向性を褒められがちな故に、優越感を持つ人もいるだろう。内向的で控えめな人は内向性を否定されがちな故に、劣等感を持つ人もいるだろう。だが、後者には天才が多いと言われる。努力しないかぎりは前者と同じ様に振舞えない為、自ずと頭を使う必要と機会が増えるからだろうか。
2019/06/08 ブレや偏りを非難されることの多い私だが、充分に分かっている。性格が治らない事も解っているから、其れを活かし活躍できるように考え続けるのだ。そもそも誰にでもブレや偏りはある。其れに気付かない人が他人のブレや偏りを非難し、自らは思考停止するのだろうが、何時まで天動説を信じ続けるのか?
2019/06/07 技は教えるのではなく盗ませるものだと思っている。自分の頭で考える習慣を付けさせる為だ。だが教える技術は身に着けて置くべきだ。教える為には作業の全てを言葉に出来る程に理解する必要が有る。それが出来ていれば、相手の状況を見極め、言葉に出さずとも上手く見せて盗ませてやる事が出来る筈だ。
2019/06/06 一般の目には触れない人気の達人が居る。特別な哲学もしくは戦略が有り人前に出ないのだと思っていた。だが違うようだ。彼は単に恥ずかしがり屋さんなのだ。人前に出ないが故に雑音から隔離され、その結果として達人になったのだ。必要とする人のみに知られ活躍出来る、高効率な戦略ともいえるだろう。
2019/06/05 スコップのコンセプトは、人里離れた環境でのうんこの始末を個人の責任の下に行うことにある。集めて始末すれば施設に費用がかさみ持続は難しくなるが、個々でやるなら費用も掛からず、文化として定着できれば持続可能となる。群れてやったら自立も成熟も期待できないのは、うんこの始末も同じなのだ。
2019/06/04 達人の話を直ぐに理解出来る訳がない。理解しようと努めることで徐々に理解が進み、その姿勢が認められ、より深い話を聞くことが出来るのだ。だが、多くの人は理解出来ない話を否定するので、達人の真の卓越を理解出来ない。故に、未熟な自分が理解出来る程度のなんちゃって達人を崇拝し続けてしまう。
2019/06/03 私「まちづくりでは賑わいの創出をうたうけど、静かに暮らしたい我々には辛いよね」弟子A「賑わいに同調しないと協調性が無いと非難されるけど、内気な少数派に配慮が足りな過ぎるよ」弟子B「賑わいに近づくのは無理です」日々淡々と玄能作りが出来ている内向型の我々には、静かな居場所があればいい。
2019/06/02 価格は初めから出来るだけ高く設定しろ。それに見合う品質に出来る迄は売り始めてはいけない。早く出来る様になっても単位時間当たりの生産量は増やさず、品質を上げ続けろ。品質が良くなったら、頃合いを計り価格を上げていくのだ。これは師匠の教えだが、これからの時代にこそ必要な考え方だと思う。
2019/06/01 分解や組み立ては得意なので、折り畳みスコップの様なものは簡単に作ることが出来る。コンセプト、デザイン、金型設計製作、試作、完成まで全て一人で熟したものだ。玄能作りでも各要素を分解分析して組み立てる必要に迫られたが、目に見えない事だらけで混乱し続けた。単純なモノほど実は複雑なのだ。
2019/05/31 玄能鍛冶に成ると言ったら、他人に作らせて売れば良いと言われた。だが、他人に作れる様なものは売りたくなかったのだ。何故なら、出来るだけ何もしなくても売れる方法を考えた時に、誰にも真似出来ないモノを作れば良いと思い付いたから。後で知った事だが、その考え方はマーケティングの基本らしい。
2019/05/30 自分らしく自然体で生きたいと思った。自分にどんな才能が有るのか夢中で探り続けた。玄能作りが自分に向いていると気付き、其れで生きていく覚悟を決めた。今では自然体で作る玄能が自分らしく出来上がっている。モノを売るには物語が必要と言うけれど、身の上話を書き出すだけでも充分に物語になる。
2019/05/29 独立して最初のオリジナル商品が折り畳みスコップだった。グッドデザイン賞も取れたが、直ぐに真似られ落胆した。そこで絶対に真似られないモノ作りを目指し、玄能鍛冶になったのだ。こんな可笑しな過去を持つ鍛冶屋も珍しい筈だ。真似られた事さえ唯一無二の物語として、強力な武器になっているのだ。
2019/05/28 後悔する様な玄能は売らないつもりだが、それでも後で失敗に気付き落胆する事が有る。SNSの投稿も同様に、後で読み返して誤解を与える表現を見つけ、反省する事は多い。玄能も投稿も手を離れてしまうと取り返しが付かなくなる。それらは良くも悪くも自分の履歴書として、一生付いて回る事に成るのだ。
2019/05/27 似た様な事を何度も書くのは、同じ事でも見方を変えて語り直すことで、より思考は深められると考えているからだ。それは玄能作りに於いても同じなのだ。分かったつもりで同じ作業を繰り返しても、上達出来る訳がない。見方を変え、気付いた事を毎日少しずつ反映させていくことで、成熟は得られるのだ。
2019/05/26 初対面の人とは話が弾まない。だが事前に相手の事を少しでも知っていたら、打ち解け易いだろう。ならば、会う前に相手の事を少し調べて予習しておけば良い。それは相手にとっても同じだろうから、相田浩樹の取扱説明書のつもりでネットに発信している。相手に予習してもらう事で私も話し易くなるから。
2019/05/25 才能を開花させる為にやりたい事に全力で取り組んできた。多くの人が絶対に失敗すると笑ったが、何とか飯は食えている。周りの忠告を鵜呑みにせずに良かったと思う。そもそも忠告に流され易い優柔不断な人間だったなら、師匠は絶対に弟子にしてくれなかった筈だ。素直な良い子でなくて幸運だったのだ。
2019/05/24 私の玄能を扱えることに誇りを感じていると小売店の主人に言われた。私こそ其処で扱ってもらえることに誇りを感じている。玄能鍛冶を始めたばかりの頃、出来の悪い玄能を納めても辛抱してくれた。その恩に報いる為に私は精進してきたようなものだ。職人を育てる気概を持つ人に巡り合えて、幸運だった。
2019/05/23 好きな事はやらずにいられないが、嫌いな事は徹底してやりたくない。我儘だと言われるがやむを得ないのだ。例えば花火見物に行けば、喧噪に圧倒され具合が悪くなる。半面、穏やかな環境でモノ作りに励めば、結構いいモノを作る。こんな性格を許してくれる環境を探し求めて、玄能作りに辿り着いたのだ。
2019/05/22 人は成長の過程で付き合う人を変えざるを得ない。各人で成長の速度が違う上に、考え方や目指す方向も変化し続けるからだ。だが暫くすると付き合い続けられる人が現れ始める。それは互いに刺激しあい共に成長できる人だ。幸運にも私はそんな人達に恵まれている。離れていても心の通じ合う素敵な人達だ。
2019/05/21 工場の玄関先で玉結びに結ばれているミミズを見て弟子が言った。相田さんがやったのですねと。だが、そんな事をするほど私は暇ではない。ミミズが自ら玉結びになったのが真相なのだ。時間を掛けてじっくりと観察していたので間違いない。暫くするとミミズは、自ら玉結びを解いて土の中に帰っていった。
2019/05/20 孤独を好む私に「大勢でやる方が成果は出る」と言う人が居るが、本当か?例えばブレストや会議で、革新的な意見を聞いたことがない。そもそも他人の目を気にしながら、現状を破壊する様な意見を言える訳がない。私は一人で深く考え実行し、そんな私を許して賛同してくれる人と共に生きていきたいのだ。
2019/05/19 弟子を募集する為にブログや日記を書き続けた。ビジョンやミッションを分かり易く提示することで、志を知ってもらおうとした。鍛冶仕事の面白さだけでなく大変さを、そして私の癖の強さを知ってもらい、覚悟の上で来てもらいたかった。言わば玄能鍛冶相田浩樹の取扱説明書を作り、それを開示した訳だ。
2019/05/18 上達を目指し続ける人は、能力を最大限かつ最善に活かしきる為、躊躇いなく自分を縛る枠から飛び出し学び直す。だが、多くの人は縛られている事にすら気付かず、狭い枠での最善を目指し、そこそこの成果を上げ、気分良くそこに留まり続ける。上達し続けるには、自分を縛る枠を外し続けないといけない。
2019/05/17 甲野善紀氏の手裏剣投げの妙技を見て、身体の持つ潜在能力に驚いた。玄能作りにおいても、より感覚を研ぎ澄ますことで、加工精度を上げられると確信した。早速試した所、前回よりも遥かに精度高く作ることが出来た。出来ると確信するだけで、出来てしまう事が有るのだ。人間の潜在能力は計り知れない。
2019/05/16 科学的なやり方に限界を感じ途方に暮れていた居た時に師匠と出会った。科学で証明されている事は鍛冶技術の極一部であり、囚われる必要は無いと諭され、科学の呪縛から解き放たれ、袋小路からも抜け出せた。影響力の強い枠に自分をはめてしまうと、進化の袋小路に入っている事にすら気付けないものだ。
2019/05/15 そこそこ上手くいくやり方でも、それ以上の進化を望めない事はよくある。私はそれを進化の袋小路と呼んでいる。殆どの人がそのやり方に固執し進化を停滞させるが、上手く成る人は直ぐに新しいやり方を模索し始める。系統樹末節の袋小路に入ったなら、幹に戻りやり直さない限り、早晩絶滅するしかない。
2019/05/14 失敗したらやり直せばよいと軽く考える人の多くは、考え方自体が既に失敗している。そもそもそんな人は、失敗を失敗と認識できないからやり直せない。初心者ほど二本の矢を持ってはいけないと兼好法師も言っているだろう。失敗をやり直せる人とは、絶対に成功するつもりで最善を尽くせる人だけなのだ。
2019/05/13 他人の気配を感じるだけで集中できない。近くで見られていたなら、緊張してチビリそうになる。だが、孤独にしている時の集中力は凄まじいのだ。きっと、この隔たりの大きさを多くの人は想像できないと思う。だから仕事を見せる事は出来るだけ避けてきたが、それで良いモノが出来ると思って勘弁してね。
2019/05/12 言った通りにやらない人に「何を聞いていた」と言いたくなったら、自分に問うてみるが良い。「適切かつ正確に伝えていたのか」と。言われた側は相手の言葉から意図を察して行動するのであり、それがその人の素直な対応であり能力だ。ならば、適切かつ正確に伝えられない側に問題が有るのは明白なのだ。
2019/05/10 無理だから止めろと突き放す人の多くは、やったことがないか途中で諦めた人だ。そんな人の助言を聞いたなら、出鼻を挫かれてしまうだろう。だから、助言はやり遂げた人に求めるべきだ。やり遂げた人とそうでない人では、世界の見え方や感じ方がまるで違う。やり遂げた人なら、寄り添ってくれるだろう。
2019/05/09 師匠の作品の精緻なヤスリ目を目指し、様々なヤスリを試してきた。最初は有り触れた鉄鋼ヤスリを使用したが、目が揃わない上に目詰まりし易く使い難かった。その後に様々試した訳だが、今では最初のものを使用している。未熟なうちは道具のせいにするが、上達すれば、自分が下手なだけだったと気づく。
2019/05/08 将来性がないから弟子を取れないと言う鍛冶屋は多いが、弟子を取らないから未来が見えてこないとも言える。例えば、弟子を取る準備をするだけでも胸躍る未知の経験が出来、弟子が来たなら其れまで出来なかった事にも挑戦出来る。弟子を取ると決意するだけで、未来の見え方は大きく変わり始めるだろう。
2019/05/07 音速越えは不可能と言う人もいたが、イェーガーは音速を超えた。その後は皆が安心して挑戦出来たことだろう。師匠が高精度な玄能を作り私を弟子にしてくれたお陰で、私も安心して高精度な玄能作りに挑戦し、弟子を取ることも出来た。だから、多くの人にも後継者育成に挑戦してもらいたいと願っている。
2019/05/06 弟子達が問うた。多くの鍛冶屋が人手不足を嘆くのに、何故弟子を取らないのか?と。私は答えた。一時的であれ確実に貧乏に成るし、そもそも準備が出来ていないからだ。そして、その準備の必要性すら認識していないから、志願者が来ても受け入れられないし、たとえ受け入れても、雇い続けられないのだ。
2019/05/05 顧客の要望に応じて作るのではなく、定番品の販売を心掛けた。お陰で、同じものを作ることで短期間に充分な訓練を積めた。弟子を私に合わせるのではなく、私に賛同してくれる弟子を採用することにした。お陰で、弟子との意思の疎通が速やかに出来た。上記2例は、後継者育成に重要な暗示と成るだろう。
2019/05/04 高品質なだけでは売れないと言われる。そこで商品の背景を語り始める訳だが、皆似たようなものになってしまう。だが愚直に高品質を目指し続ければ、多くの困難に直面し、それを乗り越えるだけでも充分に特別な物語は完成する。高品質を目指すだけで、余計な手間を掛けずに済んでしまうことは多いのだ。
2019/05/03 鍛冶屋に成りたての頃、「今の時代に名工を目指して何に成る?」と多くの人に言われた。私だって、玄能作りが時代遅れなのも、高品質なだけでは売り難いのも、今風のマーケティングやブランディングが大切なのもよく解っていた。だが、高品質だという理由だけでどれだけ戦えるのか、試したかったのだ。
2019/05/02 かつて、倫理観に欠ける友人がいた。無理な要求を突きつけ、承諾するまで付き纏うのだ。運良く距離を置くことが出来たが、その途端に善良な人と巡り合う機会が増えた。有害な人と付き合う限り、善良な人は近寄ってこないのだろう。豊かな人生を送るには、人間関係を刷新する勇気ある決断が必要なのだ。
2019/05/01 好きで得意を仕事に活かすことは勿論だが、何をやるかよりも誰とやるかを優先してきた。玄能作りにのめり込んだ理由も、師匠に惚れてしまったからだ。師匠の取り巻きも素敵で、この人達となら上手くやっていけると直感した。玄能作りを楽しく続けられるのは、素敵な人達と一緒に出来ているからなのだ。
2019/04/30 好きな仕事を好きなままに続ける事は難しい。だが、好きが嫌いに成る原因が分かれば対処し易いだろう。その原因の一番は人間関係だと思う。だから、嫌いや苦手な人とは極力付き合わない様に心掛けることだ。好きな人とやれば困難も遣り甲斐と成るが、嫌いや苦手な人とやれば、困難は一層の困難と成る。
2019/04/29 玄能作りは嫌な事を忘れられる。だが、好きな事を仕事にしたからという単純な話ではない。要望を聞いてもらえる様に腕を磨き上げ、気分良くお取引できるお客様と御付き合いする様に努め、心惑わす人との接触を控える等、配慮は怠らなかった。玄能作りを続けられる様に、全精力を傾けてきたお陰なのよ。
2019/04/28 社会生活においては「分からない」や「出来ない」と言うのは禁句らしい。お客様の要望にNoと言わない事を自慢にする事業所も多い。だが、やりたくない事をやらずに済ませる便利な呪文なので、もっと使えば良いと思う。同時に「これなら誰にも負けない」と言える程に、技を磨き上げる必要はあるけれど。
2019/04/27 やむを得ず自分らしくない依頼に応え、経歴に泥を塗ってしまう人が居る。確かに、恩人に頼まれたら断るのは難しいだろう。だが、そんな時にも穏便に断る必殺技が有る。それは「未熟なので出来ません」と言えばいい。自尊心が高い人には使い難い技だが、馬鹿な事をやって後悔するより遥かに良いだろう。
2019/04/26 付き合う人を熟慮しろとは師匠の教えだ。誰から作品の評価を受けるかで、上達の方向と速度は確定する。また、心を乱す人が身近に居れば、平常心をなくして辛い修行を乗り切れない。たとえ恩人であっても、不利益になる場合には距離を置く必要があるのだ。その道に骨をうずめるなら、覚悟するしかない。
2019/04/25 私に自信がないのは、他人の良い所に気付き自分の至らなさを恥じてしまうからだろう。弟子達の作業を見てさえ感心するのは、稚拙なりに良いものを持っている事に気付いてしまうからだ。ならば自信がない事も悪くない。他人の至らなさばかりに目を向ける自信過剰な人よりは、遥かに上達の可能性は高い。
2019/04/24 師匠には「自信がないにも程がある」と叱られていた。だが何故か始めてしまい、夢中でやり切ってしまうから、師匠は不思議がっていた。きっと、出来た人にだけ見える新たな現実への好奇心が、恐怖心を凌いでしまうからだろう。そんな風に思えるものに出会いさえすれば、自信は要らないのかもしれない。
2019/04/23 詳しく説明しなくても、やって見せれば弟子達は上達していく。そのスピードは私の時よりも遥かに速い。此方も下手な仕事は見せられないので気合が入る。ところで、彼等は他人のやる事を注意深く観察し、直ぐに真似てしまう。見ただけで出来てしまう人は多いので、迂闊に工場見学などさせられないのだ。
2019/04/22 教える時には詳しく説明しすぎない方が良い。断片的な情報を与え、欠落部分は探求させるのだ。すると、考えが足りずに失敗することも多いが、想定外のやり方で始め、此方が驚かされることも多い。手取り足取り教えれば直ぐに出来る様にはなるが、詳しく教えず探求させれば、両者共に多くを学べるのだ。
2019/04/21 怖気付く人に自信を持てと鼓舞する人がいるが、何も言ってないに等しいと思う。怖気付くなら理由を分析して対処すれば良いだろう。そもそも、始める前から自信が有るとはどんな状態だ?根拠無い自信なら、始める切掛けには成るが長くは続かないだろう。そもそも、自信は後から付いてくるものだと思う。
2019/04/20 性格は変えられると言われたら、私の存在を否定された様に感じて気分が悪くなる。指導的立場にある人間に言われて一番傷付く言葉だ。そもそも良き人格を形成するには良き考えと行動が必要なだけであり、性格は関係ないだろう。師匠は私の内向的な性格には触れもせず、腕と共に品格を磨けとだけ言った。
2019/04/19 玄能作りを天職と言われていた40代中頃、他にも使命があると感じていた。分析して伝える事が好きなので、師匠から受継いだ技を更に伝えたいと考え、後継者を育てる決意をした。後継者となる素敵な相棒に巡り合う為の準備は、数多の出会いを生むと共に、自分の才能を再発見する素敵な体験に成ったのだ。
2019/04/18 人生を豊かにする素敵な相棒は、偶然には見つからない。自分がどんな人間であり、何を目指して、その為にどんな協力が必要なのか、分かり易く発信しなくてはいけない。同時に、相棒候補に振り向いてもらえる様に、自分を磨き続ける必要もある。何時か必ず出会えると信じ、準備を怠ってはいけないのだ。
2019/04/17 好きな事を仕事にして続ける為には、嫌いな事も避けて通れない。だが、嫌いな事に多くの時間を取られ、好きな事まで嫌いに成っては本末転倒だ。実は、好きで居続ける為のコツがある。それは誰とやるかを熟慮すること。避けて通れない嫌いな事でも、素敵な相棒とやれば、楽しく出来ちゃったりするのだ。
2019/04/16 どんなに偉い人が説得しても、信用がなければ誰も耳を傾けない。たとえ未熟であっても、その人に信用が有れば、他人は理解しようと努めるものだ。だから、話を聞かない相手が悪いと決めつけずに、聞いてもらえない自分に信用がないと思った方が良い。信用のない偉い人は、単なる偉そうな人に過ぎない。
2019/04/15 やれない理由をやる気や自信のせいにしていたら、何時までも始められない。やるのに必要な事は唯一つ。面白さや不思議さを其処に見出すこと。其の為には感性を磨く必要があるが難しくはない。その分野の憧れの人に会いに行けばよい。会って話をするだけで、感性は磨かれ始め、好奇心が湧いてくる筈だ。
2019/04/14 鍛冶屋に成る時も玄能作りを始める時も、絶対に失敗すると反対された。ましてや未経験な事に挑戦するのだから、自信など有る筈がない。だがやってしまった。きっと、自信は大切なのだろう。自信がないと出来ないというのも本当かもしれない。だが、自信よりも好奇心の方が、遥かに力強いと信じている。
2019/04/13 やった事を振り返ると、自信が有るからではなく、やりたいからやっただけだ。やらなかった事を振り返ると、自信が無いからではなく、やりたくないからやらなかっただけだ。鍛冶屋に成るのも玄能を作るのも、自信の有無を意識しなかった。だから自信が良く分からない。其処が変人と言われる所以なのか?
2019/04/12 無いと困るとか有ると便利だとか言う物は市場に溢れている。競争が苦手な私はそんな物を作りたくはない。必要無いのに欲しくなり、一度手にしたら不思議と心が満たされ、更にもう一つ欲しくなる様な物を作りたいのだ。一体それはどんな物か?きっと、私自身が心底欲しくなる物でなければいけない筈だ。
2019/04/11 問題が起きるのは自分の責任だと思っている。人のせいにした所で何も解決しない上に、腹を立てることにも成る。だから自分に出来る精一杯の事をやり、後は成り行きに任せている。お陰で何時でも納得できている。実はこれがモノ作りの上達の秘訣なのだ。他人や境遇のせいにしていたら、上手く成れない。
2019/04/10 弟子を取ると親方自身も成長すると言われる。それは、聞かれた事に答えることで思考が整理されるからだろう。自分の知識の質や量が露呈するので、反省して勉強し直すからだろう。恥ずかしい姿を見せられないので、手本に成る為に努力するからだろう。何よりも、一緒に仕事をするのが楽しいからだろう。
2019/04/09 弟子達には仕事を隠さず見せている。見たい時に何時でも見て良いと言っている。分からない事は何でも聞いて良いとも言っている。だが、周りの人は其れを良くないと言う。全て覚えたら辞めてしまうからだそうだ。だが周りを見渡せば、仕事を覚えられずに傷心して辞めていく弟子の方が、遥かに多いのだ。
2019/04/08 前職では業務遂行に必要な知識を与えられなかった。だから独学で身に着けた。だが、権限が与えられずに支障が出ることがあった。上司に問うた所、辞める奴に知識や権限を与えるつもりはないと言われた。辞めるつもりはなかったが、ご希望に応えて辞めてやった。当時身に着けたモノが今役に立っている。
2019/04/07 竹中大工道具館が作成した師匠の映像がYouTubeにアップされていた。短い映像だが、其のフルバージョンを師匠に見せられたことがある。映像を見なければ絶対に分からない技の数々に圧倒され、脳に必死で焼き付けた。お陰でどれだけ私は救われたことだろうか。師匠は多くの宝を無償で与えてくれたのだ。
2019/04/06 鋼付玄能を作る師匠の映像を見ると、動作に全く無駄が無い。他の玄能鍛冶とは次元がまるで違うのだ。その映像を参考にして鋼付玄能を製作し、評価を得る為に師匠の下を訪れた訳だが、何時しか師匠に合うこと自体が目的に成り、その為に必死に玄能作りに励んでいた様にも思える。惚れた力は偉大なのだ。
2019/04/05 新しい事を始めると、無理だと言って止める人は多い。その理由を聞けば、その人に無理なだけで、自分には関係ないと分かることが多い。また成し遂げた暁には、無理だと止めた人を見返せるのは気持ちが良いが、そんな人に限って「貴方ならやり遂げると思っていた」なんて言うので、腰が抜けそうになる。
2019/04/04 集中力は高い方だが二人の弟子も凄い。黙々と作業をするので、話し掛けるのも遠慮するくらいだ。私も近寄り難いと他人に言われるので、同じなのだろう。そして私を含め、皆が内向的で友達が少ない。外交的で外に注意が向いてばかりいる人より、内向的な人の方が、モノ創りに向いているのかもしれない。
2019/04/03 幼い頃から繊細過ぎて、外界のノイズを拾い疲れてしまう。お陰で内向的に成ったが、今ではこの性格を結構気に入っている。繊細さを生かし細部に集中すれば、他人の気付けない事にも気付けることが分かったからだ。それはモノ創りに限らず全ての事に感じている。内向的な性格は得難い素敵な素質なのだ。
2019/04/02 改善のつもりが改悪になることは多い。だが、改悪に気づき元に戻ることが出来れば、それは改善に成る。何故ならば、其処から多くを学べるからだ。しかし軸のない人は元に戻れず、更なる改悪に向かうことに成る。師匠は弟子入りした私に揺ぎ無い軸を作る為、「暫くは俺の言うことだけを聞け」と言った。
2019/04/01 先日雇い入れた二人目の弟子の指導を一人目の弟子がやっている。彼の方が私よりも指導は上手い様だ。人を経ることで洗練され上手くなるのだろう。お蔭で私は口を出さずに済み、二人目の弟子は言わば孫弟子といえる立場だ。伝承を軽んじて革新を叫ぶ人が居るが、伝承が革新に繋がる可能性を強く感じる。
2019/03/31 鍛冶屋を目指す若者が訪れた。まだ中学2年生だが、卒業後に鍛冶屋を始める為に勉強しているという。簡易的ながら鍛冶の設備を持ち、既に作品を作っている。問題はどうやって注文を取り販売するか?流通業の衰退する中、直販を勧める人もいるが難しいだろう。先ずは早急に協力者を見つける必要がある。
2019/03/30 現代に合う標準的な正解が有り、それを目指す事が成功の秘訣であるかの如く、其の標準とやらを押し付けてくる人は多い。成功の定義さえ人其々なのに、標準的な正解が有ると言うのは傲慢だと思う。だが、そんな言葉を鵜呑みにする人が多い事に驚く。道徳もその類で、眉に唾付けて聞いた方が良いと思う。
2019/03/29 優れた鍛冶技術を伝承しようにも、昔ながらの鍛冶屋の形態では後継者を育てられない。新しい形態の構築が急がれるが、考える人は少ない。だから殆どの鍛冶屋は後継者が出来ず、近い将来に廃業するしかないだろう。だから、持続可能な新しい鍛冶屋のビジネスモデルさえ構築出来れば、優位に立てる筈だ。
2019/03/28 仕事は飽きないが趣味はすぐに飽きてしまう。仕事は奥が深く趣味は浅いからと考えていたが、趣味だって充分に奥が深い筈だ。では一番の違いは何なのだろう?きっと、趣味は喜びを得る行為であり、仕事は喜びを与える行為だという違いなのだ。人は得る事よりも与える事により深い喜びを感じる筈だから。
2019/03/27 例会を欠席した人を責めている人が居た。年会費を払っているのに勿体ないとも言った。だが、年会費をドブに捨てる程に魅力の乏しい例会を企画したのは誰なのか?同様な例を多く見聞きするが、大抵は同じ事を何時までも繰り返している。相手を責めている内は何も変わらない事に気付いていないのだろう。
2019/03/26 新商品を創る為にサンプルに成るモノを購入してきた。以前ならばアイデアは一人で悶々と考えていたが、今なら弟子に相談できる。冗談を言いながら盛り上がり、一人では絶対に出せないアイデアが飛び出した。早速サンプルを作り検証してみたい。充分に楽しかった仕事が、弟子のお蔭で益々楽しく成った。
2019/03/25 高圧的な人から他人に好かれる人間に成れと説教された。即ち俺の言うことを聞けという事だろう。素直に成れと説教する人の腹の中も同じだと思う。自分の思い通りに人を動かす為、耳当りの良い言葉で牽制してくる人は多い。牽制などせずとも、自らが好かれる人間に成る為、もっと素直になれば良いのに。
2019/03/24

誘われた事を断ったら我儘だと非難された。一人で始めるのが心細く、仲間を増やしたいのだろう。だが、今迄と違う事を始めるのなら、先ずは一人で始めてもらいたい。自分以外を我儘だと非難し、無理やり仲間に引き込もうとする根性はさもし過ぎる。孤独に耐えられない人は何も成し遂げられないと思う。

2019/03/23 我慢が足りないと言われるが、やりたい事をやる中での我慢は大切だと思っている。だが、やりたい事を我慢するのは我慢ならないのだ。だから、弟子がやりたいと強く願うのなら、我慢させずに出来るだけさせてやるつもりでいる。されば感性は研ぎ澄まされ進化し、勝手に上達して益々やりたくなるだろう。
2019/03/21 鍛冶仕事に科学的見地を取り入れたのは革新的だが、鍛冶を掘り下げる為とは違う気がする。鍛冶屋から工場へ、伝統工芸品から工業製品へと方向転換する為の革新なのだと思う。それ自体は歓迎されるが、鍛冶に拘る鍛冶屋が其処を見誤ると、鍛冶で作る意義を失い、有触れた工業製品と競合することに成る。
2019/03/20 内向性を改善する為、努力を重ねたが無駄だった。今でも人前で食事をする事すらままならないが、仕事には支障が無い。内向性は鍛冶職人に合致した性格なのだ。そもそも日本の伝統文化の多くは、内向性によって作られた筈だ。内向性を活かし集中して作業する弟子を見て、内向性は素敵な性格だと思った。
2019/03/19 何時までも一人で出来ると考え、我儘に振る舞う人が居る。だが想像以上に衰えは早く、気付けば一人で出来なくなっている。後継者の育成には辛抱が必要だが、我儘な人は辛抱が出来ない。これは私生活においても同じだ。周りに迷惑を掛け続け、体が弱ってから面倒を見てくれと泣きついても手遅れなのだ。
2019/03/18 知人が仕事の暇に成る冬期間を有効活用しようと、機械設備を借りて下請け仕事を始めて2か月経つ。今では仕事が間に合わず、家族3人で24時間操業しているという。大した技能も要らずにこんなに儲かるなんて信じられないと奥さんは言った。上手くやるものだと感心したが、上手くないのかもしれない。
2019/03/17 熟練を単に慣れる事だと勘違いしている親方が居た。弟子に自分のやり方を押し付け、真似させる事だけを考えていた。だが人其々に特色が有り、最適なやり方も人其々な筈だ。其れは自分で編み出すしかなく、教えることは出来ない。熟練するとは、最適なやり方を編み出し続けられるように成る事でもある。
2019/03/16 考える時間さえ与えずに答えを教える授業に嫌気がさし、俺の事は放って置いてくれと先生に懇願したことが有る。だから自分が弟子を育てる時には、一通り説明した後は放って置く様にしている。そして弟子は順調に育っている。放って置かれるお蔭で、充分に深く考えることが出来ると、弟子は喜んでいる。
2019/03/15 仕事で同じ失敗や事故を繰り返す原因を悪霊のせいにし、坊さんにお経をあげてもらっている人が居た。工場内の動線の狂いと整理整頓が疎かなのが主な原因だが、注意しても改善せず、従業員も全て辞めてしまった。だが、当人の引退後には多くが改善されたようだ。お経の効果が漸く現れたという事か(笑)
2019/03/14 職人が弟子を育てる場合、暗黙知の伝達は必須だ。暗黙知は言葉で伝えきれないので、親方と弟子との相性が大切に成る。だが、相性が悪くて辞めて行く弟子は多い。其れを防ぐ為に、求職者が親方との相性の良し悪しを事前に判断出来る様に、親方自らの情報を提示すれば良い。其れにはSNSが最適なのだ。
2019/03/13 失敗したら直せば良いと考える人は過去に囚われる。失敗しない方法を考え続ける人は未来を見ている。だが何故か、失敗を恐れずに挑戦しろと世間は言うのだ。失敗を恐れつつ挑戦し続けた方が、遥かに上達は早いと思うのだが。因みに、気に入らない作品を即廃棄する行為は、失敗の恐怖を煽るのに抜群だ。
2019/03/12 テレビドラマで陶芸家が気に入らない作品を次々と叩き壊すシーンを見て、そんな事をしたら生活できないと言った人が居る。だが、いい加減な作品を販売していたら、何時までも安モノ作りから抜け出せず、生活にも困るだろう。最初の不利益を受け入れるか否かで、その後の人生は大きく変わると言うのに。
2019/03/11 師匠の作品を初めて見た時、其の良さが解らなかった。玄能作りを進めるうちに、少しずつ解る様に成った。だが、私の作品は師匠の作品に敵わない。其の良さは解っても、どうしたらそう出来るのかが解らないのだ。「解る」は新たな「解らない」を生み出す。だから、達人と呼ばれる人達は謙虚なのだろう。
2019/03/10 我々の親の時代は物不足で、稚拙なモノでも作れば売れた。今の時代は成熟し、巧妙なモノでないと簡単には売れない。時代が変わり、需要が変わり、価値観が変わったというのに、自分が育てられた方法を次世代に押し付けても、上手く育つ訳がない。時代に沿った育て方は業界ぐるみで研究する必要が有る。
2019/03/09 職人を志す若者に「一人前に成るのに10年掛る」と言って諦めさせる人が居る。だが、一人前に成るのに時間が掛るのは職人だけではない。多くの職業では、一人前でなくても利益が上がる仕組みを作っているのだ。職人が後継者を育てたいなら、自分達だけが特別な職業だという認識を改めないといけない。
2019/03/08 7つの習慣の時間管理のマトリックスで言えば、後進の育成は「緊急ではないが重要」の第二領域だが、その重要性にすら気付かずに先延ばしにされてしまう。だから人手不足に成って初めて気付き、慌てる事に成る。私は採用の準備に15年、採用するのに3年も掛けてしまった。ギリギリ間に合った感じだ。
2019/03/07 弟子は誰とも競争しない。ライバルも当然居ない。ただ毎日淡々と仕事をしている。そして確実に上達している。彼は言った。無暗に競争を強いる学校が大嫌いだったと。自己学習能力の高い人の中には、上達に競争を必要としない人が居るのだ。かく言う私も、競争すると調子を崩してやる気を失くすタイプ。
2019/03/06 弟子は順調に上達している。初期の私よりも上手いかもしれない。彼の上達の秘訣は作品の良否だけで勝負している事。自分を格好良く見せるつもりが無いので、雑念が無く没頭出来ている。初期の私は迷ってばかりいたが、彼は私の仕事と実績を見ているせいか迷いが無い。若い頃はこれが大事なのだと思う。
2019/03/05 20数年前に人を雇ったことが有る。職安に紹介された若者を採用したのだ。だが彼は全く仕事に集中出来ず、辞めて行った。彼に責任は無いと思った。良い人材が来ないのは自分に魅力が無いからだと悟った。其れからずっと準備を進め、漸く今の弟子を採用できた。辞めて行った彼が気付かせてくれたのだ。
2019/03/04 地元の鍛冶屋に人を雇いたいと話したら、求人しても来るのはクズばかりだと言われた。だが、その鍛冶屋は素敵な人を雇う努力をしていない。素敵な人を雇うには、自分が素敵に成る必要が有る。どんな人に来てもらいたいのか想定し、先ずは自分がそう成らなくてはいけないと思う。類は友を呼ぶと信じて。
2019/03/03 鍛冶の未来に興味は無く、需要が無ければ滅んでいいと思っていた。だが師匠に会いその仕事ぶりを見た時、後世に伝える意義を強く感じた。その為には先ず、自分が鍛冶技術を身に着けなくてはいけない。また、後世に伝えられる新しい方策も併せて考える必要もある。今迄通りでは確実に滅ぶと思ったから。
2019/03/02 想定外に出来た時に神様が降りて来たと感じたことも有る。年齢を重ねる程に先を見通せる様に成り、想定外の事は起こらなく成った。未熟な頃は一寸した上達に驚き、其れが励みに成るが、成熟するとそれも無い。だから地道に少しずつ上達し、その地道にできる自分を喜び、其れを励みにするくらいが良い。
2019/03/01 多くの情報は本から得ているが、時宜にかなう情報は人から得るに限る。引き籠りの私は人に会う機会が少ないが、大切な情報は問屋がもたらしてくれる。私に良い仕事をさせたいと考えての事だから、私はそれに応えている。問屋は何もしてくれないと嘆く人も居るが、沢山与えれば沢山還ってくる筈なのに。
2019/02/28 鍛冶屋を始めて間もない頃、私に対する誹謗中傷は酷かったらしい。それを問屋小売屋が処理し、私の耳に届かない様にしてくれていた。もしも耳に届いていたら、未熟な私は混乱し、仕事を辞めていただろう。この様に若手を育てる素敵な仕組みが昔から有るというのに、深く考えずに直販を始める人は多い。
2019/02/27 私が下手な頃から問屋は買ってくれた。励む姿を見て、いつかは上達すると嘱望しての事だろう。買ってもらえば作る機会も増え、結果として上達出来た。直販する場合、商品は購入時点での出来不出来のみで判断され、将来を嘱望しての購入など有り得ない。直販を始めると若手や後継者を育て難くなるのだ。
2019/02/26 師匠に会って間もない頃「言葉の通じね鍛冶屋も居るろも、おまんは通じるみてらの」と言われた。相性が良いと言ってくれているのだ。師弟関係においては勿論、相性の良し悪しは人間関係にとても大切だ。私と相性が良いかどうかを会う前から判断してもらう為、コラムでは自分をさらけ出す様にしている。
2019/02/25 若い頃、オートバイで丸太や岩を乗り越える練習をした。遠出をして見聞を深める方が勉強に成ると、周りは言った。だが、練習のお蔭で険しい林道を走破でき、他人が見ることの無い景色を見ることが出来た。一寸した技能を持つだけで機動力は遥かに増すというのに、技能を身に着けずに競争する人は多い。
2019/02/24 決算書を書く作業は鍛冶仕事に似ている。決算書を書く作業は、経営状況を判断する為、散らかって解り難い経営状況を整理することだ。鍛冶仕事でも、作る作品の形状や組織及び硬度を適正化する為、散らかって解り難い状況を整理する必要が有る。どちらも次の一手を決める為の、大切で楽しい作業なのだ。
2019/02/23 私は偏った足りない人間だが、不自由はない。偏った私を違った偏り方をしている人達が支えてくれているから。個別に見たら偏っているが、全体で観たら均整がとれ、とても効率は良いのだ。不揃いの木材でも、組み合わせた方次第でとても丈夫に出来るという。偏りを嘆くより、活かし方を考えた方が良い。
2019/02/22 皆が不平不満を言っていた前の職場でも、私は楽しく仕事が出来た。やり方を工夫し、出来るだけ楽しめる様にしていたからだ。今では鍛冶仕事に楽しく出来る工夫を取り入れている。お蔭で、私の仕事のやり方を弟子も楽しんでくれている。辛い時も有る仕事だからこそ、楽しく出来る工夫は欠かせないのだ。
2019/02/21 問屋小売屋に販売を任せ、私は作る事に専念している。お蔭で上達も早く、信用を得ることが出来た。弟子も同様に作る事に専念しているお蔭で、問屋小売屋に信用され、順調に売れ始めている。もしも私が直販していたなら、販売や雑事に手を取られ、上達出来ず、弟子も取れず、伝承も途絶えていたと思う。
2019/02/20 師匠の仕事を見たことが無くやり方も教わらなかった私が、思考錯誤の末に漸く出来る様に成った事でも、弟子にやって見せれば直ぐに出来る様に成る。この事実から分るのは、熟練よりも正しいやり方で始める事が大切だということ。そもそも間違ったやり方で熟練しても、間違った結果にしか辿り着けない。
2019/02/19 鍛冶の名工の作品を模写するなら、同じ作り方で臨まなくてはいけない。見た目を同じに作っても、作り方の違いで性能はまるで違うのだ。継承が途絶えた鍛冶道具は、科学的に分析しても作り方は分らないから、形状の再現は出来ても性能の再現は難しくなる。今では形状を再現出来る職人すら、数が少ない。
2019/02/18 以前は見えなかったモノが、今は見えている。見え始めると、全てが違って見えてくるから面白い。見えてしまえば、何故見えていなかったのか不思議にさえなる。きっとこれからも同じなのだ。暫く立ち今の自分を振り返れば、当時の無知を恥じる筈だ。だがそう思えるのが、少しは成長した証なのだろうね。
2019/02/17 偉い先生が良しとする事象を基本と決めつけるのは早計だ。事象を基本と決めつけ崇め奉ると、導き方まで枠にはめてしまう恐れが有る。導き方が無数に有る事を前提とし、その中から目的に沿う最適解を選択すれば良い。最適解を探す過程で、求めている事象そのものが間違いである事に気付く事は多いのだ。
2019/02/16 適切な金属組織と硬度を得る事が鍛冶の基本と言うが、其処だけに拘ると全体が見えなくなる。作るモノの理想を探求し全体を創り上げていく過程で、組織と硬度が適正化されていくのが正しい筈だ。組織や硬度は大切だが、その導き方の方が遥かに大切なのだ。正しい導き方の発見こそ、鍛冶の神髄だと思う。
2019/02/15 新しい事を始めると言うと、「絶対無理だ、止めておけ」と言って周りが止める。だが、考えて欲しい。多くの人が無理だと言うのであれば、上手く出来れば其処はブルーオーシャンだ。又、上手く出来た自分は、無理だと止めた人よりも優秀だという事になる。そう考えれば愉快だし、益々やりたく成るよね。
2019/02/14 高齢で跡取りも無い磨き屋が廃業を決めた。そこに突然、孫が後を継ぎたいと申し出た。人付き合いの苦手な孫は、他所に就職は出来ないと諦めていたが、自宅でなら仕事は出来ると考えたのだ。内向的性格は否定されがちだが、そんな孫の性格を活かしたお蔭で、磨き屋を続けることが出来る様に成った御話。
2019/02/13 鍛冶屋に生まれ、その環境に浸り育った。自宅周辺に鍛冶屋は多く、自由に覗き見ることが出来た。本物の鍛冶仕事を幾らでも間近に見ることが出来た訳だ。そのお蔭で、鍛冶仕事を始めてから短期間のうちに、私は何となく仕事が出来るようになった。本物を間近に見続ける事が、何よりも大切なのが分かる。
2019/02/12 新たに事を始めると、更なる知識や道具が必要と成り、其れらが増え続ける。上達するに従い、貯えた知識や道具の多くを不必要だと感じ取り、捨て始める。それを繰り返していくと、本当に必要な知識や道具だけが手元に残るのだ。上手い人が格好良いのは、余計なアカが削ぎ落とされて潔いからに違いない。
2019/02/11 良さそうな方法を見つけたら、直ぐに試してみる。上手くいきそうなら、今迄のやり方を未練なく捨ててしまう。だが、捨てたやり方でも後でやり直すと上手くいく事も有る。だからドンドン捨てて先に行き、気が向いたら又拾って試してみる。習うよりも慣れろと言うけれど、慣れつつ更に先に行くのが良い。
2019/02/10 鍛冶仕事をしていると、偉い人の示すお手本とは違う結果に至ることが有る。そんな時に、多くの人は自分が間違っていると思い、お手本に近付けようと頑張るだろう。だが、一寸待て。そもそもお手本は一つの例に過ぎず、其れが最善である保証など無いのだから。思うままにやり、世間に良否を問えばいい。
2019/02/09 好きや得意を活かして社会に貢献することは楽しい。其れは自分の感性を自他共に認める事が出来ているからに違いない。誰でも自分の感性を否定されたら悲しい気持ちになる筈だ。其れは自分自身を否定されているのと同じだから。飾らない生来の感性で活躍することは、楽しく穏やかに暮らす秘訣だと思う。
2019/02/08 ある程度の良い結果を得られる方法でも、突き詰めていくと袋小路に入る事はよく有る。即ち最善の結果を得られる方法は極めて少ないのだ。最善の方法に辿り着くには、上手くいっている方法を続けながらも、違う方法も試し続けなくてはいけない。無駄な回り道の様だが、其れしか方法は無いと思っている。
2019/02/07 良い作品を作る為に、多くの知識を得ると共に不要な知識は捨てて来た。捨てた知識を振り返ってみると、上達の役に立ったモノも有るが、多くはそもそも必要が無かった気がする。無駄な情報に振り回され、回り道をした訳だ。「俺の言うこと以外は聞く必要が無い」と言った師匠に、謝らなければなるまい。
2019/02/06 教える事は二度学ぶ事と言うが、弟子を指導するに当たりとても良い学びを得ている。教える為に深く学び直すから知識は深まるし、自分がした事の無いような失敗をやらかしてくれるから、其処からも多くを学べるのだ。弟子を取った後にメキメキと腕を上げる職人を目にしてきたが、その理由が良く分かる。
2019/02/05 長年苦しんできた疑問に光明が差した。切掛けは2通のメール。一方は苦情のメール。もう一方は大絶賛のメールだ。両者の商品の作り方の違いは一工程のみ。それを修正すれば飛躍的に改善する訳だ。今迄良かれと思いやっていた技が、実は仇となっていたのだ。目の前に答えは有ったのに、見ていなかった。
2019/02/04 嘱望される職人でも、無名であれば活躍の場が得られず上達は見込めない。逆に有名に成るのが早すぎれば、期待値ばかりが上がり実力が追い付けない。では、有名に成るのに適切な速さはどれ位か?始めてから5年位で噂に上り、25年位で中堅と言われ、35年位で一目置かれるくらいが丁度良い気がする。
2019/02/03 毎日楽しい発見がある。中でも、訓練の必要もなく品質を上げられる加工法の発見には胸が躍る。使う道具や道具の使い方を変えただけで、見違える事はよく有るのだ。だが、他人がやるのを見れば苦も無く真似出来ても、自分で発見するのは至難の業だ。発見の秘訣は、毎日少しだけやり方を変え続ける事だ。
2019/02/02 他人の仕事や作品を見るなと師匠に言われた。それを守っているが、困る事は無い。感性を研ぎ澄ませて仕事をしていれば、やるべき事は自ずと見えてくる。人真似せずに自分の頭で考え続ける事で感性を磨き上げ、自分の型という独自の世界を創るのだ。師匠が亡くなった今でも上達できるのは、そのお蔭だ。
2019/02/01 同じ失敗を繰り返しケロリとしている人は、失敗を失敗と受け止める感性が欠けている。凡庸なのに非凡だと自惚れている人は、上には上がいる事を嗅ぎ取る感性が欠けている。そもそも感性の欠如にすら気が付かずに、人生を無駄遣いしている。現状を正確に把握する感性は、訓練しないと身に付かないのに。
2019/01/31 従業員の彼は、3年前に職安で此方を見つけ、突然訪問して来た。少し話して工場見学しただけで就職を決めた。決めた理由は楽しそうだから。私自信が楽しく仕事が出来る様に、工場内は何時でも整理整頓していた。彼は工場内を見た時に、自分が楽しく働く様子が目に浮かび、猛烈に働きたくなったそうだ。
2019/01/30 ネットでは自分を飾らない。会った時に期待を裏切りたくないからだ。求人なら尚更だ。鍛冶仕事での上達には、親方との相性がとても大切だと思うからだ。多くは求人の際に敷居を下げるが、私は自分の変な性格をさらけ出して敷居を上げている。其れでも会いに来る人は、私を好きに成ってくれそうだから。
2019/01/29 私は玄能を頭だけで販売する。そもそも大工道具は仕込みという作業が大切で、玄能ならば、柄を削り出して仕込む作業がそれだ。それが出来る人は最善の状態で使い続けられるが、出来ない人は不具合を我慢して使わざるを得なくなる。手間を掛けてもらうことで、何時までも気持ち良く使ってもらえるのだ。
2019/01/28 Windows7から10に移行する準備をしている。使い勝手は良いけれど、古臭く感じ始めていたので、変化を楽しみながら進めている。伝統工芸品もOSと同じだと思う。作品を進化させ続けるのは当然として、時には大きくビジネスモデルを変化させる必要が有る。良いモノが出来ても、続けられないと意味が無い。
2019/01/27 30年も前の事だ。商店街を活性化したい自治体と、演奏を披露したい素人バンドをマッチングさせた企画を提案し、夏祭りの夜店市に採用された。自治体もバンドも費用を削減でき、若者が夏祭りに参加する機会も増えた。今では当時の若者が孫を連れて参加している。だが、もっと変化させても良いと思う。
2019/01/26 鍛接剤を薬研で細かくする作業をスタッフにさせた所、とても喜び夢中でやっていた。実は、私はその作業が退屈で大嫌いなのだ。同じ作業でも嫌いな人も居れば好きな人も居る。お互いの適性を尊重し上手く調和させれば、嫌いや苦手を我慢してやる必要も無く、得意を活かして楽しく生きて行けると思った。
2019/01/25 「他人のやらない面倒臭そうな事ばかりやっていた。何故そんな苦労する事ばかりをやり続けるのか不思議がられ、変人扱いされた。だが、面白いからやるだけで、苦労はしていない。そもそも、どんな事でも突き詰めれば面白いもので、その面白さを発見するのが、また面白いのだ。」と、スタッフが言った。
2019/01/24 変なモノでも上手く宣伝すれば売れるけれど、早く沢山売れる程、化けの皮が剥がれるのも早い。だから、実力と共に人気が上がり、その人気に負けない様に努力して、何時でも人気に一寸だけ実力が勝っている状態を維持出来れば、何時までも飽きられずに売れていく。焦らず、弛まず、宣伝し過ぎずが大切。
2019/01/23 当初、あちこちに宣伝したが反応は薄かった。未熟な私を必要とする人は少なかったのだ。私を必要としてくれる人は誰なのか?その人は何処にいるのか?其れが分からず、毎日苦しんでいた。だが上達するにつれて、お客様の方から声を掛けてくれるように成った。宣伝も大切だが、上達はもっと大切なのだ。
2019/01/22 全ての作業が楽しくて甲乙付け難いと言った彼は、上達に至福を感じている。鍛冶屋を持続可能にするには、何よりも楽しみを優先した方が良いと考えた私は、上達を実感出来る作業は楽しいと考え、優先して取り入れて来た。お蔭で、スタッフは楽しんで仕事をするから上達し、益々喜んで益々上達するのだ。
2019/01/21 身体が弱くて体調を崩しやすいので、人混みには行かない。お蔭で風邪をひかず、インフルエンザにもかからない。身体が小さく力もないので、出来るだけ力を使わずにやれる方法を考えている。お蔭で、毎日元気に仕事が出来る。弱い私は弱いなりの生き方を知っているから、他人と比べて悩むことが少ない。
2019/01/20 玄能鍛冶は儲からないが、やらずにいられないのだ。儲かるからと嫌な仕事を我慢してやるくらいなら、たとえ儲けが少なくとも大好きなことに打ち込み、心穏やかに暮らしたいと考えているからだ。そして、そんな鍛冶屋の我儘を許してくれる人達が21世紀にも居る事に驚くと共に、感謝してやまないのだ。
2019/01/19 大好きな人が亡くなった。競争で浮つく産地に居てさえ、皆で豊かに成る為に分かち合い活かし合い、相乗効果で良いモノを生み出そうと言ってくれた。良いモノを作る事で貢献して信頼され、自らは売り込まずとも、口コミと紹介で仕事が成り立っていた。大先輩では有ったが、心強い戦友の様な存在だった。
2019/01/18 知人のI君は自動車で時速30キロしか出さない。彼には持病が有り、運転に慎重なのだ。知らない人は腹を立てるが、私は事情が分かるので腹を立てない。仮に事情は分からなくても、事情が有るのだろうと想像出来れば、腹は立たない。起きている事が同じでも、受け取り方で感情は如何様にも制御出来る。
2019/01/17

映画「アバター」では、惑星パンドラの動植物が「エイワ」のネットワークで繋がり繁栄していた。地球も同じなのだ。役割を自覚し領分をわきまえ正直に生きると、ネットワークの信用を得て、相乗効果という豊かさを受け取る。欲張りな嘘つきはネットワークに信用されず、全て自分でやる破目に成るのだ。

2019/01/16 安月給で良いと言って働き始めた彼は、真面目に淡々と玄能作りに励んでいる。それで上手く成らない訳は無く、周りは期待し、彼は喜んでいる。落ち着いた環境で大好きなモノ作りに取り組める事を、彼は幸せだと言う。人生をいじくり回す事無く、素直に大好きな事に取り組めるのは、素敵な素質だと思う。
2019/01/15 信用の有無が人生を決める時代が来た!正直者が大好きな事に使命感を持って取り組めば、皆が信用し、支援してくれるだろう。欲張って他人の物にまで手を伸ばす嘘つきは、一時的に得しても、信用を失い孤立していくだろう。ネットにより情報のスピードが増し、見え難かったモノが詳らかに成ったお蔭だ。
2019/01/14 評判の良い道具は丁寧に扱われ良い仕事が成されるので、益々評判に成る。評判の悪い道具は、たとえ良く出来ていても、乱暴に扱われぞんざいな仕事が成されるので、益々評判を落とす。評判を上げるには良いモノを作るだけでは足りず、信用が必要に成るのだ。だから、腕と共に品格を磨けと師匠は言った。
2019/01/13 長距離走と短距離走では、選手の鍛え方が異なる。同様にモノ作りにおいても、求められる技能は異なり、鍛え方も異なる。そもそも専門家に成るというのは、大きく偏っていくということ。あれもこれも出来る事で、技能が相殺される事さえ有るのだ。私の尊敬し憧れる人には、卓越して輝く偏った人が多い。
2019/01/12 先ずは好きで得意で際立てそうな事に徹底的に取り組み、卓越出来るまでやりきり、上達のコツを掴むのだ。すると、他分野に挑戦しても上達は容易に成るので、苦手の克服も容易に成るだろう。だが、そもそも得意で際立てれば、あれもこれも出来る必要が無い事に気付き、苦手の克服に興味はなく成る筈だ。
2019/01/11 今でこそ苦手や嫌いはやらないと決めている私だが、他人に誘われるままに、進んで苦手や嫌いに取り組んだ時期も有る。自分の適性を知る為に、35歳までと決めて挑戦したのだ。そして、35歳でその殆どを止めてしまった。何故なら、克服出来た苦手や嫌いも多いが、失う物の方が遥かに多かったからだ。
2019/01/10 作るのは得意だが売るのは苦手なので、売るのは得意な人に任せている。だが、任せるのも容易ではない。自分に魅力が無いと、引き受けてくれないのだ。だから、魅力を増す為にも、得意を極める必要が有る。任せる事で得意を活かし合えば、互いに魅力は高まる筈。故に、苦手はやらないと決めているのだ。
2019/01/09 修正の要らない作業を目指している。失敗したら直せば良いと考えていたら、本当に良いモノは出来ないと思うからだ。腹を立てない様にしている。腹が立ったら我慢すれば良いと考えていたら、本当の穏やかさは得られないと思うからだ。どちらも、起きている事の責任を自分で取る気になれば、可能な筈だ。
2019/01/08 人を雇ってから2年余り経つが、怒った事が一度もない。私が寛容な訳ではなく、彼が怒らせてくれないのだ。彼は失敗を良くするが、言い訳をせずに素直に謝り改める。私はそれが分かっているから、怒らずに済むのだろう。短気で意地っ張りな性格の私は、此方が毎日教えられて居る様で、恥ずかしく成る。
2019/01/07 仕事に好き嫌いは関係ないと言う人が居た。その仕事が嫌いであろうが、売りが立てば良いと言う。だが、嫌いな仕事を嫌々やる経営者の下で働きたいと思う人は少ないだろう。人を採用し組織化を考えるなら、楽しく仕事をする姿を見せた方が良い筈だ。其れが出来ないなら、給料と休日数を増やすしかない。
2019/01/06 仕事が面白いと言っても信じる人は少ない。興味深い鍛冶仕事で世の中に貢献できるのだから、面白くない訳がない。その上スタッフが真剣に取り組んでいる姿を見れば、其の魅力を再認識できる。だが、この喜びは理解され難い。儲けの多寡でしか豊かさは測れないと、誰かの都合で信じ込まされているから。
2019/01/05 鍛冶屋を馬鹿にする人が居るが、全然気にならない。鍛冶屋など変人にしか務まらないなんて言われたら、自分の異才を認められた様で嬉しくなる。貴方は普通だなんて言われたら、代えの利く凡人と言われた様で哀しくなる。そもそも、独自の可能性を信じ能力を磨き続けていれば、誰だって変人に成るのさ。
2019/01/04 作品を目の前に提示して説明してさえ、正確に見てくれる人は稀だ。目が利かないから、良し悪しの判別が出来ないのだ。だが、分ってもらうのは容易ではない。そんな時には、周りに対して影響力の強い目利きに認めてもらい、自分に信用を付ければ良い。先ずは、そんな人に見つけてもらう必要が有るのだ。
2019/01/03 ウッディ・アレンは「目立てば8割成功」と言ったらしいが、「成功」の定義により、目立たせ方は大きく違ってくる。また、「目立つ」の定義を明確にしないと、悪目立ちする恐れが有る。更には、「目立つ相手」の定義を明確にしないと、空回りしてしまう。定義付けを疎かにすると、迷子に成ってしまう。
2019/01/02 給料や休日数が多い方が採用は楽に成ると言うが、その考え方は既にレッドオーシャン。採用前から給料や休日数で競争して、それを続けられるのか?そもそも成熟した日本では、今後大きな成長が見込めないから、給料や休日数を増やし続ける事は困難だ。それ以外の魅力で引き付けないと続けられない筈だ。
2019/01/01 新しい事に挑戦する為、今迄にやって来た事の多くを後進に譲ろうと思う。残り時間の少ない人生を有意義に過ごしたいからだ。そこで今年はもう一人採用するつもりだ。モノ作りに秘められた魅力を発信し続け、給料や休日数が少ない鍛冶屋は人を採用出来ないという誤解を、軽やかに解きたいと思っている。
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